串田孫一が1981に出した画文集「山と行為」(同時代社/古書800円)は、串田のセンス溢れる絵が楽しめます。本は、「山に生きる」「山と行為」「山の暦」「山での思考」の四章に分かれていて、ほとんどの章に、串田の絵画が掲載されています。しかも、左ページに絵画、右ページに文章というパターンで統一されています。

第一章「山に生きる」は、山で出くわす動物達が平易な文章で語られています。

「熊に出会うといつも困ってしまうのだが、果たしてこの熊は人間に敵意を抱いているのだろうかと考える。人間には敵意を抱いているとして、私にはどうなのだろうか。 秋に山の木の実をさがして歩いているのなら、手伝ってもいいと思う。そういう契約を交わせたら、私は裏切るようなことはしない。」という「熊」の文章の横に、ちょっと下向き加減の熊が、深い森の緑の中に描かれています。

第二章「山と行為」では、英字新聞を人の形に切り抜いて、コラージュした作品が並びます。面白い文章がありました。タイトルは「踊ることについて」です。こう書かれています。

「山の中での踊りは自分だけの踊りである。仲間と共に、登頂に成功した日の夕暮にれ、天幕の傍で輪になって踊りたまえとすすめているのではない。 独りで、自然に、悦びを表さずにはいられないようになった時に、その人は山に棲める資格の一つが身についたことになる。 山には天狗の踊り場がある。君の踊りは深い森の中がいいだろう」その横には、ホイホイと踊っているコラージュ。森の中で、独り踊るってどんな感じでしょう。

山登りをする人でなくとも、澄んだ美しい文章とモダンなコラージュ絵が十分に楽しい一冊です。

この本以外の串田の本を10冊程入荷しています。興味のある方、ぜひ見に来て下さい。私は、熱心な串田のファンではありませんが、彼の本が沢山あると、澄み切った気分になってきます。

★年内は12月30日(日)まで営業いたします。

 年始は1月8日(火)より通常営業いたします。

★イベントのお知らせ「宮沢賢治 愛のうた 百年の謎解き」

2019年1月18日(金)19時より、「新叛宮沢賢治 愛のうた」を出された澤口たまみさんとベーシスト石澤由男さんをお迎えしてトーク&ライブを行います。ご予約受付中(1500円)