寒い中、古本市の初日から多くのお客様にご来店いただきありがとうございます。

さて本日最初にご紹介するのは、洋書です。かなり前に公開されたフランス映画「赤い風船」(1956年)。少年と風船のお話ですが、映画をご覧になってなくても、この映画を元にいわさきちひろが60年代後半に絵本にして、ベストセラーになったので、それでご存知の方も多いはず。

今回出品されているのは、その英語版”The Red Balloon”(1500円/出品・徒然舎)です。モノクロの映画のシーンがふんだんに組み込まれています。50年代の古き良きフランスの姿を捉え写真集としても貴重な一冊なのですが、さらにページをめくると、この本の持ち主が翻訳をしたのだろう?と思われる原稿用紙に書かれた訳文が入っているのです!少し古風な日本語ですが、なかなか素敵です。この一冊にだけ付いている翻訳文なのです。

古本好きにファンの多い、詩人、天野忠の短文集「耳たぶに吹く風」(編集工房ノア/1500円出品・マヤルカ古書店)を見つけました。「古いノートから」と題された短文集(1976年〜1983年)と自筆年譜の二つに分かれています、軽妙洒脱なユーモアに富んだ文章が収録されています。例えば「フランスの諺に『寺の鼠のように貧しい』というのがあるそうだが、現在の日本では『寺の鼠のように肥えている』という諺が出来そうだ」。こんな感じの文章が楽しい。天野ファンはぜひ!

1960年代後半からほぼ15年間放送され続けたラジオ深夜番組「パック・イン・ミュージック」。聞いていた方は多かったはずですね。昭和が生んだラジオ深夜放送革命とまで言われた「パック・イン・ミュージック」の製作関係スタッフ、パーソナリティー、そして投稿者たちへの綿密な取材、調査をベースに書き上げられた伊藤友治+TBSラジオ編著「パック・イン・ミュージック」(DU BOOKS/600円出品・ママ猫の古本屋)は、貴重な一冊です。ユーミンも吉田拓郎も、ここで聞いた!と思い出した方もおられると思います。ラジオ深夜放送は、混沌としていた昭和時代に生まれて多くの若者に指示されて育ってきた社会現象です。この番組が終了した時、なんと「パック・イン・ミュージック終了絶対反対」という横断幕を掲げたデモまであったのです。たかが深夜放送、されど深夜放送です。全500ページにも及ぶ大著ですが、あの時代の熱っぽさを垣間見せてくれる一冊です。しかし、安すぎる……….。

個人的には、高石ともやの「自衛隊に入ろう」「受験生ブルース」そしてフォーク・クルセイダーズの名曲を聴いたことが、高校時代の深夜放送の思い出となっています。

 

 

★女性店主による『冬の古本市』は2/5(水)〜2/16(日)です。月曜日定休。12:00〜20:00

最終日は18:00まで。神戸・大阪・岐阜・東京・御殿場・神奈川・京都などの女性店主の選書です。ぜひお立ち寄りください

勝手ながら2/17(月)〜2/20(木)まで連休させていただきます。