マグナム/ MAGUNUMは、ロバート・キャパ、エリオット・アーウィットらトップカメラマンが所属した写真家集団です。 そのMAGUNUMの写真家たちが撮影した犬の写真集「MAGUNUM DOGS」(日経ナショナル・ジオグラフィック社/新刊2310円)が出ました。

表紙を飾るのは、イブ・アーノルドが1958年に撮影した一枚。おそらく、スクールバスの中で、生徒と同乗した誰かの飼い犬でしょう。なんか、歌声が聞こえてきそうな楽しい作品ではありませんか。ベトナム戦争も泥沼にならず、豊かで平和なアメリカの幸福な日。

本書は「都会の犬たち」「一等賞」「海辺にて」「素顔拝見」「犬の生活」と5章に分かれています。それぞれの時代、それぞれの場所で、人々と共に暮らす犬たちの素敵な表情が、一流のカメラマンによって捉えられています。犬への愛情に、美的センス、カメラ技術が巧みに重なり、優れた表現になっています。単に犬のかわいいポートレイト集になっていないところがMAGUNUMですね。

日本の久保田博二の作品もありました。都会の四つ角を曲がる軽自動車の後部座席から身を乗り出して、咆哮している大型犬。おぉ〜、気持ちいい〜と言っているみたい。

「素顔拝見」では、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンロー、ジェイムズ・ディーンら往年のハリウッド俳優と愛犬の素敵なショットも収録されています。グレゴリー・ペックに撫でられている白い犬の信頼しきった気持ち良さそうな表情、オードリーと愛犬の無邪気なふれあい。表の世界ではあまり見せない俳優たちの、何気ない一瞬です。あるいは、ジャズシンガービリーホリディの足元に佇む小さな犬。真っ黒のパンツスーツ、片手にタバコ。孤高のジャズシンガーらしい姿を捉えた作品です。

「『ありふれた場所におもしろさを発見するのが写真だ….何を見るかではなく、どう見るかがとても重要になる』エリオット・アーウィット」

店内には、 MAGUNUMの全貌を捉えた「MAGUNUM/ MAGUNUM」(洋書/3000円)、ここに所属する写真家がハリウッドを撮した「MAGUNUM CINEMA」(キネマ旬報社/5000円)も置いています。この写真家集団を知るには最適の一冊です。