大阪にあるBOOKLOREから、「耳の人」(1620円)、「言の森」(1575円)など数冊の詩集を出している詩人、西尾勝彦が編集「旅人と詩人の雑誌 八月の水」の最新5号(BOOKLORE/1296円)が入荷しました。

この雑誌が作られたのは、東北大震災と、その後の世間の混乱が切っ掛けでした。これからどんな時代になってゆくのかという不安を越えて、こんな時代になってほしいという思いを雑誌という形にしたものです。

創刊の言葉にこうあります。「『旅人』と『詩人』が見直される時代になってほしい、と思ったのです。目先の利益ではなく、はるか遠くをみつめる『旅人』と『詩人』の存在が、今後、重みを持つはずだと思ったのです。彼らのまなざしの強さ、そして優しさによって、少しでも時代がおだやかになればと希望しています。」

その思いで5号まで発行されてきました。詩を中心にしたミニプレスはあまり動きが良くないのですが、例外的にこの雑誌はほぼ完売します。飾らない文章とシンプルな本作りがいいのだと思います。「ホホホ座」の山下店長が、毎回素敵な詩を発表されていて、今回も三作掲載されています。「おおみそか」という短い詩の後半が、いい雰囲気です。

「師走気分の人も、関係ないという人も 子どもだったおおみそかをよぎらせ 寒さを顔にたくさん受けて 冷たいほほの街

よいお年を ノーサイドの言葉で 皆 家路を歩く」

今年5月レティシア書房で紅型染めの個展をしてくださった、絵本作家ほんまわかさんも、毎号寄稿されています。絵本の仕事のこと、そして沖縄の市場のことを書いています。住まなくてはわからない沖縄の面白さが伝わって来ます。

紀行エッセイでは、大西正人の「ターナー島」が本好きにはお薦め。伊予鉄高浜線の最終駅、高浜に降り立った著者と妻は、そこでターナー島を見つけます。ターナー島とは漱石の「坊ちゃん」に登場する島です。そこから小説「坊ちゃん」の世界に入るのですが、松山を舞台にしたこの小説、「実際作中に出て来る地名などは、そのほとんどが実在しない。」と著者は指摘します。松山が舞台とは言っても、これは漱石が作った架空の松山なのです。それは、知りませんでした。

さらに、著者が再読して驚いたのが「『マドンナ』が実はほとんど登場しないという点である。登場する場面も少なければ。一言の声すら発しない。まちがいなくキーパーソンの一人でありながら、当人はほとんど現れないのだ」という事なのです。

そうだったか?とお思いの方、「坊ちゃん」を再読しては如何でしょうか。

なお、「八月の水」は2号〜4号まで各1冊づつ在庫がございます。

毎年人気の「ARKカレンダー2019」 入荷しました!! 

大/1080円 小/864円

売上げはARKに寄付いたします。よろしくお願いします。

カレンダーの犬や猫たちついては、撮影者の児玉さんのブログに上がっています。

 

 

 

ほんまわか作品展が本日より始まりました。

ほんまさんが、沖縄の伝統工芸「琉球紅型」で絵本を作り始めたのは、京都から沖縄に移り住んだ2015年からのこと。琉球紅型は、型紙を彫って、糊を置き、糊を置いたところ以外に、直接色を注します。糊の部分が白く仕上がるというわけです。さらに、使用する色に制限があり、必ずボカシをいれなければならないのだそうです。紅型の作品をみるとそこはかとなく「沖縄」を感じるのは、そういった決まりがあるからですね。

琉球紅型は、戦争で道具などが消失したのですが、戦後作家達の努力で復興されたのだそうです。民芸運動の芹澤銈介にも多大な影響を与えたとされています。伝統を重んじる琉球紅型を教えるところでは、デザインも伝統的なものしか認められないところもあるとのですが、ほんまさんは、基本を忠実に習いながら、独自の世界を創りあげています。もともと絵本作家さんとして、絵本を何冊もだしておられたので、優れたデザイン力と絵を作る力がしっかり蓄えられた上に、紅型染めの技術がさらに積み上げられています。

今回は、動物の可愛いキャラクターが、伸びやかに生き生きと楽しそうに遊んでいる新作「みんなのおうち」(税込み1800円)の原画が並びました。爽やかな白地の布の上に、型染め独特のきっぱりとした輪郭と鮮やかな色合い。この季節にぴったりの素敵な展覧会になりました。

京都の大学院で研究者を目指しながら、絵本を作りはじめたころ、10年間フィールドワークで訪れた沖縄を舞台にした「あだんのぼうけん」(1080円)は、生き物の様子が正確にしかも楽しく描かれていて、この作家の仕事の根っこの深さを知る事ができます。コツコツ好きで作ってこられた「ポケット絵本」(各300円)も10冊になり、箱入り10冊セット(3000円)などというものも出来上がりました。ここにも作家の遊び心がにじんでいます。

ポストカード(162円)、バッグ(1852円)、コースター(3枚セット1620円)など、可愛いグッズも揃いました。一緒に住んでいる、10匹以上の猫たちをモデルに描いた「ねこだらけハンカチ」(1296円・写真左)も、猫愛にあふれています。(女房)

ほんまわか作品展「紅型染めと小さな絵本」は5月27日(日)まで。12時〜20時(月曜日定休)

 

 

 

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