ブレディみかこの大ベストセラー「「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の続編「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」が出ました。(新潮社/新刊1300円)

著者の息子も13歳。様々なことが起こって、悲しんだり、怒ったり、笑ったりと騒がしい日々が続いています。その姿を母親である著者は、ある時は突き放し、ある時は共感を持って見つめていきます。

そして、英国の教育現場の面白さ、日本では考えられないような教育プログラムを、知りました。例えば、「ノンバイナリー教師」。

「息子の学校にはノンバイナリーの教員が2人いる。英国では人気シンガーのサム・スミスがノンバイナリーであることを発表したりして大きな話題になったが、『第三の性』とも表現されるこの言葉は、男性でも女性でもない、性別に規定されない人々のことを表す。」

息子の学校は LGBTQの教育に力を入れていて、校長も含めてレインボーカラーのストラップを下げている教員に生徒が相談できることになっているのです。その中にはノンバイナリーの教員もいて、通常の教科を教えているが、担当するクラスの子どもたちに自分は男性でも女性でもないということや、生徒たちにどう呼んで欲しいかを最初の授業で説明すると言うのです。

で、面白いのは彼らをどう呼ぶんだということについて、著者と息子と、労働者階級出身を誇りにしている夫の3人が、ああだ、こうだと語りあうのです。息子も自分の意見をきちんと言うところがいいですね。

そしてまた、日本で台風19号が上陸した時、避難所からホームレスの人が締め出されたニュースから息子はこんなことを言います。

「けど、英国も一緒だよ。この近辺の人たちだって、図書館の建物にホームレスの人たちを受け入れるの、拒否しているから」

そして、こう続けます。「実は、国語のスピーチのテストで、そのことをテーマにしたんだ」

息子のクラスでは、人種差別、気候変動などのアップトゥデイトな話題を選んで500ワードでスピーチの文章を書いて、クラスで発表することになっているのです。イギリスのGCSE(中等教育終了時の全国統一試験)の国語の試験にスピーチがあるらしい。著者は日々成長を続ける息子の姿を見て、多難な時代を生きる彼の心の中では葛藤や、悩みが日々生じていることを痛感しています。

「そして息子はもうそのことをわたしには話してくれない。だけど、それでいい。彼もいよいよ本物の思春期に突入したのだ。」これが本書の締めくくりにある文章です。著者の息子に対する距離感がいい。

●前作「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」も古書(500円)で在庫しています。