アニタ・ローベルは、1934年ポーランド、クラクフに生まれ。ユダヤ人の絵本作家です。ナチスのポーランド侵攻で10歳の時に拘束され、強制収用所に送られます。なんとか生き延びて、戦後、スウェーデンの診療所で心身に受けた傷の回復に努めます。そして両親と再会。1952年にアメリカへ移住し、ブルックリンでデザインを学び、テキスタイルデザイナーとして活動を開始します。その後、「ふくろうくん」や「ふたりはともだち」でお馴染みの絵本作家アーノルド・ローベルと結婚し、絵本の仕事を始めました。

彼女の絵本「ニニのゆめのたび」(評論社/古書1150円)を入荷しました。都会に住むご主人の家で気楽に暮らしていた猫のニニが、ある日、無理やりカバンに入れられ、どこかへ連れて行かれます。その道中、カバンの中で眠りに落ちたニニは、夢を見ました。気球に乗ったり、ヨットで大海原に出かけたり、インドで象にまたがったり。そうして、やがて着いた新しい場所は、今までの都会と違い、自然の中に建っている家でした。草の香り、虫の鳴き声。新しいともだちの白い犬とも仲良くなりました。

絵が上手い。都会の様子、田舎の風景、特に家の前に広がる森林のシーンの描写、猫の表情など素晴らしい。(猫好きはたまらん!)風のそよぎ、花が咲き虫たちが飛び跳ねている風景。それは、戦争で極めて辛い体験をしたアニタが、最も希望していた平和の風景なのかもしれません。思春期をナチスの暴力でズタズタにされた彼女の、求めていた世界がここにはあるのかもしれません。裏表紙の、白い犬とニニが寄り添って夕日を眺めている絵を見ていると幸せな気分になってきます。いい絵本です。

★発売決定!町田尚子さんのおなじみ猫のチャリティーカレンダーを、10月中旬より販売いたします。価格は550円(税込)です。今年のテーマは日本映画です。

ARK(アニマルレフュージ関西)の2021年度カレンダーを入荷しました。

・大きいサイズは1000円(撮影は児玉小枝さん)・卓上サイズは800円(ARKスタッフ撮影)

売り上げは全てARKに寄付します。ぜひ店頭で手に取ってください。