アフリカのポップスって、お聴ききになったことありますか?

余程、ワールドミュージックに興味のある方以外、ご存知ないかもしれません。しかし、家事のお供に、寒い日の外出などにも最適な音楽です。ヒョイ、ヒョイとカラダが動きだすサウンドは、やはりアフリカ大陸ならではのもの。もちろん、深く歌詞を読み込んでいけば、大陸に充満する貧困、差別、社会不安のリアルさを読み取ることもできるのですが、それは少し置いておいて、今日は怠いなぁ〜、とか腰が重いなぁ〜という気分の時に、ちょっくら踊りながらでかけませんか、という音楽をご紹介します。

先ずはセネガルのトップスター、ユッスー・ンドゥール。アルバム「ガイド」(700円)はのジャケは、踊っているンドゥールの後ろ姿。「踊るアホウに見るアホウ」の阿波踊りみたいなもんですね。一曲目から快調です。ほら、腕が上がり、足も上がってきますヨ。料理の最中なら、フライパン叩きながら、フンフンと夕食準備です。しかし、踊れそうな曲ばかりではありません。「7セコンズ」、これ、哀愁の演歌です。ネネ・チエリーという女性シンガーとデュエットしてますが、五木ひろしと石川さゆりにタップリと歌っていただきたいみたいな曲です。

もう一人、ザイールから世界へ、そのサウンドを広げたパパ・ウェンバ「エモーション」(700円)。哀愁を帯びたパパ・ウェンバの声とダンスビートが相まって、独特の世界を作り出していきます。アメリカのダンス音楽とは一線を画す音楽は、誰もが気楽に聴けます。アフリカの大地が叩き出すビートって、こういう音楽ですね。ご近所迷惑にならないボリュームで、寒い朝、洗濯物を干す時に鳴らしてください。洗濯物の彼方に、キリンやアフリカゾウが見えるかもしれません。どちらのCDも、日本語訳歌詞カードが付いています。

音楽に興味を持たれたら、雑誌Coyoteの「アフリカの南」(Switch/古書700円)、或は写真集”SAHARA”(洋書/中古1500円)を。CDは試聴できますので、聴きながらこれらの本を眺めれば、さらにアフリカが近づくかもしれません。(店内でのダンスはご遠慮くださいませ)全く知らない国の音楽を聴く楽しみをぜひ味わって下さい。

 

 ★お知らせ★

  レティシア書房 第5回「女子の古本市」2/21(水)〜3/4(日)

京都・大阪・兵庫・滋賀・岐阜・東京などから、出展者が女性という古本市です。お買い得の面白い本を見つけにお越しくださいませ。


 

私がアフリカに興味を持ったのは大学時代に観た、羽仁進監督、渥美清主演の「ブワナトシの歌」でした。ドキュメンタリーのような、ドラマのような映画でしたが、アフリカ的時間の流れが居心地よく過ごせました。

それから、多くのアフリカの音楽を聴いてきました。TVなどで紹介されるアフリカの音楽は楽しそうですが、いざ、CDを買うと、素人さんは大失敗します。もう、退屈で、単調なサウンド(実際は複雑に変化しているのですが)に散々、高い授業料を払ってきたので、断言します。

でも、Jenaguruの”Zimbabwe”(2000円)は、ぜひ聴いていただきたい音楽です。これ、ジンバブエ在住の高橋朋子さんからのご紹介です。彼女はレゲエミュージックを代表するボブ・マーリーが「ジンバブエ」というこの国の独立闘争を歌った歌に感銘を受け、なんとジンバブエに移住。92年に文化伝承の拠点「シャグナルアートセンター」を設立、コンサートに音楽教室、そして日本でのライブツアーと活躍中の女性です。ご縁があって、店に商品を設置させていただくことになりました。CDの売上げは、このセンターの活動資金として運営されます。(写真はCDを持つ高橋さん)

バンド名Jenaguruは日本語に直すと、「明るい月」です。その名のとおり明るい満月の星の下、穏やかな風の吹き抜ける草原で踊っているイメージです。彼等の音楽の優れているのは、土着の音楽の深い精神性に支えられながらも、全く違う文化圏の、例えば盆踊りや、演歌のリズムで育ってきた私たちが聴いても、いいと思うインターナショナルな感覚でしょう。真っ黒な身体に、鮮やかな色合いの民族衣裳を付けたこの国の人達のダイナミックな踊りの美しさが見えてくる様な曲もあれば、ふと、遠くから心地よい風が吹いてくる予感に捕われそうな曲も入っています。

私たちはアフリカについて全くと言っていい程無知です。でも、本を閉じて、ちょっと暗くした部屋でこのサウンドに身を委ねると、向うから、やぁ〜やぁ〜と人懐こい笑顔が現れそうに感じるから不思議です。

高橋さんは彼等の音楽をこう表現しています。「すべすべになった川底の石のよう」と。この言葉を聞いて、私は宮沢賢治の短篇「やまなし」を思いだしました。川底に住む二匹の蟹のお話ですが、透明感あふれ、太陽の光がキラキラ差し込む川底の美しさ。

朝、このCDを聴きながら、カーテンを開けて太陽の光を浴びたら、おっ、幸せ!と感じる音楽の持つ最大の魅力を味わえます。