京都に本拠地を置くアート系出版社、青幻舎の傑作を集めてみました。

人の踊る姿って、なんでこんなに楽しいの!と思わせてくれるのが奥山由の写真集「ポカリスエット」(2484円)です。

2017年に話題となったポカリスエットの春・夏キャンペーン広告に参加した300人の高校生。その彼らの踊る姿をさまざまな角度から捉えた写真集です。ダンスレッスンに打ち込む姿に肉迫し、シャッターを押します。そこに現れる踊ることへの無条件な喜びが満ち溢れています。登場する高校生たちの数人が、側にでもいたら、ちょっとうっとおしいな!などと、もしかしたらおじさんは思ってしまうかもしれませんが、髪をなびかせ、手を大空に突き上げ、足を振り上げる姿は素敵です。踊ることに命を燃やしている無垢の魂がここにはあります。波打ち際で踊っている姿は、羨ましいほどかっこいい!

彼らも、最初は戸惑い不安に思い、踊れるかなぁ〜と思っていたかもしれません。でも、レッスンを重ねるうちに、俺ってできるじゃん、私っていいかも……..と感じだしたのでしょう。その胸の高まりや、興奮が伝わってくるのです。本の帯に「自分は、きっと想像以上だ」と書かれていますが、その実感100%の写真集です。今の所、今年観た写真集で、最も気に入りました。

さて、もう一点、写真集をご紹介します。

マーリア・シュヴァルボヴァーの「Swimming Pool」(4104円)です。スロヴァキアで活躍するマーリアは、自国の公共の水泳施設の空間に惹きつけられていきます。撮影された水泳施設の殆どが、スロヴァキアの社会主義の時代に建造されています。その無機質で、幾何学的な構造が放つ美しさと、人形のように配置された水着姿の人間が作り出すクールな作品が、ズラリと並んでいます。泳ぐことを楽しんでいるという雰囲気は全くなく、シーンとしていて冷たく、体温が全く感じられません。独特の色使いの建造物に佇む人間の姿は、まるで夢の中のような不思議さです。眩しいはずの青空さえ、クールです。だからと言って、観る者が寒々しくなることはなく、どこかでこんな風景見たよなぁ〜という懐かしさに誘い込みます。水の中に入りたいと思わせる不思議な写真集です。誰もいない、プールの魅惑。

今回10点程アートブックを入荷しました。追加でさらに揃えていきます。その中には、ぜひブログで紹介したいものも沢山あります。乞うご期待!!

トーク&ライブのお知らせ  

7月13日(土)18時30分より 『澤口たまみ(語り)石澤由男(ベース)ライブ』

今年1月、当店で行われた「宮沢賢治愛のうた」(澤口たまみ著)出版記念イベントのお二人のトーク&ライブが再びやってきます。澤口たまみがさんが岩手のイントネーションで賢治作品を朗読。ベーシスト石澤由男が伴奏を添えます。 朗読作品は、岩手の自然を見つめ、野原や林からおはなしを貰ってきたという「鹿おどりのはじまり」他を予定。

●18時受付開始  18時30分より (2000円)ご予約ください。

 

1日から5日で、夏のお休みを頂きました。旅行に行くでもなく、いつもと同じように早起き、犬の散歩の毎日でしたが、なかなか伺う事ができなかった個性的な書店にお邪魔してきました。そのお店については、また後日紹介いたします。

さて本日より、青幻舎、パイ・インターナショナル、LIXILの三社のご協力を得て、古書店で開催する新刊アート・ブックフェアを開催します。それぞれの個性がよく出た書籍を送っていただきました。

青幻舎からは、「井浦新の日曜美術館」(1728円)。これは、毎週日曜の午前10時から、NHKで放送されている「日曜美術館」で紹介された作家について、また自分自身の美意識について書いたものです。私もこの番組は毎週欠かさず観ていましたので、早く読みたかった一冊でした。

“SEIGENSYAFOCUS”(各3024円)という新シリーズもいい企画です。一人の作家を1冊まるごと特集するもので、アンディ・ウォホール、フランシス・ベーコン、ジョージア・オキーフの三人が出そろいました。個人的にはジョージア・オキーフが良かったですね。また、NASA全面協力の、殆どアブストラクト写真みたいな「MARS火星」(12960円)は、大きな本ですが、サンプルがありますので中身をじっくりご覧頂けます。

 

 

パイ・インターナショナルからは、「ピカソの陶芸」(2484円)が、最新刊の注目品です。画集は多数でていますが、陶芸作品200点余りを収録した本は、これが初めてでしょう。楽しくなってくる作品ばかりで、ウキウキ気分にさせてくれます。この出版社からは、「はじめて」シリーズの絵本、「宇宙旅行へでかけるえほん」、「ほしぞらえほん」、「からだえほん」、「てんきえほん」(各1944円)を。是非ご覧下さい。子ども向け絵本ですが、ほぉ〜、そうかと納得する事多しです。絵柄も美しく、年代を問わず楽しめます。もう一点、3888円という値段が、えっ、この価格でいいのと思わせる絶景天体写真集、「グリニッジ天文台が選んだ絶景天体写真」は素敵な写真集です。阿呆なハリウッドSF映画観るぐらいなら、こちらをおススメです。

建築関係の専門出版社、LIXILからは、同社の「INAXギャラリー」シリーズから、10点ベストセラー出していただきました。新刊書店勤務時代に、正方形の判型の同シリーズの特集は何度かしました。ユニークな視点が絶妙で、「クモの網」「考えるキノコ」「小さな骨動物園」「種子のデザイン」等。なんだかタイトルだけで中身を見たくなりますね。各1620円。全く新しい視点で世界を見ることができます。「『子どもの科学』で大人になった」お父さん必読の一冊です。

Art Book Fairは9月6日(土)〜14日(日)まで。レティシア書房にて 

 

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