1月から12月まで、京都の各地で撮影された写真を見ていると、つくづく京都って美しい都市なんだなと再認識します。

本日より越智信喜さんの写真展が始まりました。越智さんは、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、祇園祭などの伝統行事や茶道具の写真を撮り続けて来られた写真家です。今回の個展は、京都の神社仏閣の四季を、依頼を受けて撮り下ろした中から12点、選びぬかれた美しい写真を展示しました。

1月高山寺の広間から捉えた冬景色。雪を冠った庭園と広間に射し込む冬の光、静寂な冬の一場面。そして2月は有名な城南宮の枝垂れ梅、3月は出町柳の長徳寺の桜。4月松尾大社の山吹の鮮やかな黄色、5月は神泉苑のつつじ、6月両足院のこれまた有名な半夏生、とそれぞれの季節の花々の美しいこと美しいこと。こうしていると京都の観光地としての魅力が、侮れないことに改めて気づかされます。近くにあるからといって甘えてないで、季節を楽しむ余裕を持ちたいものです。

7月真如堂の青楓は爽やかな早朝の風を感じます。8月西陣の本隆寺の百日紅は、今は屋根の改修工事のため切られてしまったらしい。9月大沢池の蓮の深い色合い、10月は西本願寺の屋根(写真上)の、背後に広がる澄み切った空が主人公。屋根の輝く銀色と、青い空の微妙なコントラストを見せるのは、プロの写真家ならでと惚れ惚れします。(ちなみに西本願寺のイチョウは今年の台風で枝が折れて、写真に撮られた形では残っていないそうです。)

そして11月、護法堂弁財天の鳥居(写真右)をローアングルから捉え、奥に広がる紅葉は輝いています。12月は妙満寺の広間から撮影された「雪の庭」(写真下)。ここは、もともと「雪の庭」という名で作られたということで、1月1日に雪が降るやいなや、カメラを担いで走ったのだそうです。結果、赤い毛氈と白い雪、逆光で沈む障子の黒、絵のような一枚となりました。

年末の慌ただしい時期に、京都観光の代わりと言っては何ですが、ちょっとほっこりして頂ければ幸いです。(女房)

★尚、展覧会の写真を収めた写真集「京・四季彩」(1000円・税込み)を販売しています。

 

秋の深まってきたこの季節にぴったりの作品展「風展2017・いつもひつじと」が始まりました。

澤口弘子さんは北海道で活躍中の羊毛作家。2012年、京都文化博物館で行われた「羊パレット」という全国規模の展覧会に出品されていたご縁で、開店間もない小さな本屋で個展をして下さいました。2014年に続き、レティシア書房では今回で3回目になります。シルクの薄い生地と羊毛を組み合わせた独特のストールは、軽くて暖かで、とてもゴージャス。羽織ってみると、それだけで、特別な時間が流れるような気がします。色鮮やかな赤のストールとベレーを、店の入り口に飾って思わずため息をもらしました。ス・テ・キ!!

見ているだけで楽しいベレー帽もマフラーも、無地のセーターと組み合わせるだけでおしゃれ。今回は、いつものベレー帽に加えて、カジュアルな手編みの毛糸の帽子もたくさんあります。「寒い北海道でも、この軽いウールのベストをコートの下に着たらあったかいよ。」と、江別市在住の澤口さんお墨付きのベストも、4点出来上がりました。鏡を用意していますので、ゆっくりお試し下さい。

澤口さんの羊毛作品は、とても美しいので身につけると負けてしまうのではないかしら、と一見思うのですが、まとった人によって、表情が面白く変化して、その人らしくなるから不思議です。長年培ってきたセンスと技術は、さすがベテラン作家さんだと思います。

前回同様、手紡ぎの糸と原毛も届きました。どれも一点ものですので、手づくり作品の材料にぜひ活用して下さい。(女房)

 

 

澤口弘子「風2017・いつもひつじと」展は11月21日(火)〜12月3日(日)まで

12時〜20時 月曜定休日

 

 

 

 

 

 

11月に入り、京都も秋らしくなってきました。今年もあと2ヶ月・・・。

さて、本日より紙工芸kotohana「クイリング展」が始まりました。kotohanaさんはレティシア書房ギャラリー最多出場、今年で6回目の個展となります。毎回、ペーパークイリングについて簡単な説明をさせていただいていますが、今年はkotohanaさん作の美しい額に入った「ペーパークイリングとは」の解説が掲げられていますので引用いたします。

「ペーパークイリングは英国発祥と言われる紙工芸です。中世の昔、聖書を製本した際にできた細長い紙の切れ端を、鳥の羽(クイール)で巻いてパーツを作り、修道院で宗教画や宗教道具に装飾したのが始まりとのこと。時代を経た今では、欧米を中心に世界中でアート、ホビーとして楽しまれており、日本人作家の作品は技巧の精緻さが高く評価されています。」

6年前の初めての個展から、kotohanaさんは幅2〜3㎜の紙を巻き続けてきました。もともとの几帳面さに磨きがかかり、美しさ、正確さ、速さと、技術力は確実にアップ。努力の賜物である紙の花々が咲き誇っています。

新作のひまわりの額(写真上)は鮮やかな色違いで3つ並んでいます。また、メッセージを組み込めるような新しいデザイン(写真右上)もできて、ますます楽しい作品が増えています。白一色で作られた葡萄(写真左下)も素敵です。白色は構造がよくわかり、形としての面白さが際立つ様に思いました。

単純なようで意外と難しいのが、虹の作品(写真右下)。これは、まず中心の色(ここでは薄紫)を芯に巻付け、その続きに次の色を、というふうに一番外のいろ(赤)まで切れ目無しに巻いていくのです。きっちり巻かないと、最後に芯を抜いた時、正円にならないというのです。とてもじゃないけど、がさつで根気の無い私には無理!です。

kotohanaさんは、クイリングの教室も開催されています。作品を見て、チャレンジしたいと思われた方は教室のご案内もありますのでお問い合わせください。会場では中級者向きのクイリングキットを販売しております。1セット1200円〜1500円ですが、2セット購入の場合は二つで2000円となっています。この機会にぜひ。

なお現在、東京の作品展に出している新作が帰ってくるので、来週には展示の一部が変わります。後半もお楽しみに。(女房)

 

 

紙工芸kotohana「クイリング展」は、11月8日(水)〜19日(日) 12時〜20時(最終日は18時)月曜定休日

 

 

「はなとメルヘン」の梶間千草さんが、ギャラリーで作品展を申し込んで下さったのは、5年前。最初は6人のグループ展、次は布のアートフラワーと二人展、そして一昨年は初個展、今回2回目の個展です。

紙で作った花のリースやウェルカムボード、箱に詰まったバラなどが並びました。前回は、一人でギャラリーのスペースを飾る量が掴め切れなくて、沢山作ったつもりでも白い壁が目立っていた、と反省されていましたが、今年は華やかです。1年間、時間を作っては様々な展覧会に出かけ、レイアウトや表現方法を見て回ったとお話してくださいました。

生花の花の部分だけを箱詰めにして贈り物されるのを最近よく見かけます。生花を紙に替えて、微妙な色合いで出来上がったバラの箱など、時間をかけて取り組まれた作品は実に美しい。自分と相性のいい好きな材料に出会って、こうやって見よう、次はこんな工夫を、という風に、毎日作り続けることができるなんて本当に幸せなことだと思います。本屋に坐っているだけで、積み重ねられた時間の結晶を少しわけてもらえてありがたいことです。

梶間さんは、夏休みや、七夕飾り、ハロウィン、クリスマスなど、子供たちや地域の女性会などで、紙を使ったリースなどを教えておられるそうです。紙で作られたものとはいえ、脆いものではありませんので、プレゼントやお土産にも。(300円〜3000円くらい。バラの箱詰めは5000円・7000円)

軽くてきれいなので、ウェディングのフラワーシャワーとして、1000個ほどの花を作られたこともあるそうです。きっと素敵な思い出になったことでしょう。まだまだいろいろな可能性が広がりそうなペーパーフラワーの世界です。(女房)

★「はなとメルヘン」展は10月24日(火)〜11月5日(日)まで

12時〜20時 月曜定休日

 

お知らせ 明日10月25日(水)は『安藤塾』イベントのため7時までの営業になります。ご了承ください。

 

 

 

 

沢朱女さんの絵は、妖艶で、可愛らしく、孤独だけれどそれが哀しくなく、夢の中に漂っているような幸せな気分になります。

待望の沢朱女作品展は、2014年に続き2回目となりましたが、今回は銅版画とアクリル画で、どの作品も何かしら物語性があり奥行きを感じます。

入口の壁には、秋に相応しく「竜田姫」が飛翔している作品が掛かりました。梨木香歩著「家守綺譚」の、紅葉の項にあるお姫様が竹生島へ渡っていかれる姿のようです。他にも、宮沢賢治から「グスコーブドリの伝記」「オツベルと象」(写真左)をもとに沢さん独自の解釈で銅版画が出来上がりました。本屋のギャラリーでの展覧会ということで、特に考えて頂いたのかもしれません。とても嬉しい!

DMになった「月と少女」(写真上)の夜空を見上げる少女は、きっと作家自身だと思うのです。さえぎるもののない雪の荒野に、小さな女の子のくっきりとした影を作る月は、子ども時代に見上げた月にちがいないと。そう思うのは、沢さんが初めてのエッセイ「飯場と月」に書かれていたからです。「その夜、さえぎるもののない荒地に建つ小屋の上に月光は煌々と降りそそぎ、屋根の下ではさえざえとした明るさのなかで、息をのむ子供がいた。」

「飯場と月」(ヒャクジツコウ舎1350円)は、父である日本画家、沢宏靱(さわ こうじん)との山での暮らし、貧しいけれど愛にあふれた、うらやましいほど心豊かな家族との日々が描かれています。以前店長日誌でも紹介していますが、作品展でも販売していますので、ぜひ手に取って見て下さい。

そして、たくさんの美しいポストカードは、ずらーっとギャラリーの台の上に並んで壮観です。心ゆくまで沢朱女ワールドをお楽しみ下さい。 初秋にピッタリの作品展にお運び頂けたら幸いです。(女房)

 

沢朱女作品展 10月10日(火)〜22日(日) 月曜定休日 12時〜20時(最終日は18時まで)

 

 

 

★安藤誠ネイチャートークショー「安藤塾」今年も開催決定しました。

北海道のネイチャーガイドで、釧路ヒッコリー・ウインドオーナー安藤誠さん(写真右・愛犬キャンディと)のトークショーを10月25日(水)19時30分より開催します。(要・予約 レティシア書房までお願いします) 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きさはハガキ大くらいの小さな絵なのですが(写真上)新鮮なタケノコの、土の薫りが漂う絵にどっしりした額がよく似合っています。

白崎和雄さんの、ネイルカラーで描くミニガラス絵展は、昨年に続き2回目の開催となりました。

学生時代は油絵を専攻されていたのですが、小さなガラス絵の魅力にはまって3年。キラキラとみずみずしい小さな宝石のような作品が並びました。ガラス絵は裏から描いていくので、出来上がった時に一番上にある色を最初に置くのです。しかも、ネイルカラー(マニュキア)は、速乾性なのでスピーディーに描かなければなりません。慣れるまでは難しそうですが、きっとこの速さが魅力なのでしょう。約30年のサラリーマン生活を経て、再び絵に取り組まれ、花、果物、野菜、瓶、置物など、ご自身の身の回りの愛着のあるものたちを、眺めて絵を描く豊かな時間を感じます。

絵を入れた額が、またとても個性的です。インターネットで探して、手に入れた額に触発されて描くことが多いとか。だから、まず気に入った額と出会う事が、ガラス絵の出来映えを左右するというくらい大切なのだそうです。そして、絵と額がピッタリ合ったときの喜びが、次のエネルギーになるのでしょう。

半分に切ったトマト、ガラス絵の透明感と合って美味しそうですね。(写真左上)割れたランプシェードのガラスの形が面白くて描いたという「割れたシェード」も、額のデザインとピッタリです。小さな額絵は場所を選ばないので、部屋や、廊下、洗面所のちょっとしたスペースにも掛けられて、プレゼントにもお薦めです。作品は全て販売しております。(税込み9800円)

絶対的に好きなものをみつけて、好きな絵を作っていく幸せが、観ている者をまた幸せな気持ちにしてもらえるのだと思います。(女房)

ネイルカラーで描いたミニガラス絵展 9月26日(火)〜10月8日(日)まで

 なお、愛知県立芸術大学卒4人による「第6回湫画会展 西野理・曽根孝子・田中孝・白崎和雄 洋画展」がギャラリーヒルゲートで開催中です。(10月1日まで)

 

 

 

暑い毎日が続いています。京都五条通りで毎年行われる「陶器まつり」も、暑いのと突然の大雨などの影響でしょうか、今年は「さっぱりでしたわ」と、関係者の方から聞きました。

本日から始まった「器(うつわ)展」の長元宏さんも、五条陶器まつりにいつも出店しておられます。1959年京都生まれ。現在は、日吉町胡麻で作陶されています。

陶器まつりや、以前グループ展などで購入した長元さんの器は、使いやすくて我が家のごはんにはよく登場します。グレーがかった青の表情が素敵な器は(写真左上)、ガラスのようなつるっとした手触りで汚れも付きにくい(うちでも一回り小さな器を使っています)。貫入の美しいお皿(写真右)は、また違った趣で、むっくりした温かさがあり、夏野菜の素揚げでもフルーツなど、なにを盛っても美味しそうですね。今回の新作でスッキリした意匠のお皿(写真左下)も、ちょっと心魅かれています。大きな声で自己主張しないけど、はっきりした輪郭をもった器たちには、作家の人柄が出ているような気がします。

量販店などでそこそこの食器が手に入ると言われていますが、一つ一つ微妙な表情をみせる器を手に取ってみれば、ちょっと豊かな気持ちになります。終活に向けて食器の整理は課題のひとつなのですが、綺麗な片口をお酒の好きな友人のプレゼントにしようかな、と思ったりしています。

壁にかかった花器は、今回の個展で初めて見ることが出来ました。金属を思わせる質感とシャープなフォルムは、和洋を選ばず、また、花を活ける口が、正面と上方にありどちらでも使えます。小さな花でもOK。挿すだけで様になるのが私などには助かります。

さりげなくモダンな長元宏さんの器をぜひ一度ご覧いただければ、と思います。(女房)

長元宏 器(うつわ)展は8月29日(火)〜9月10日(日)まで

  月曜定休日

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たがわゆきおさんのスケッチ展は、2015年6月、ご自身も大好きなイタリアの風景に続き、2回目。「旅する。たがわゆきお展・ふたたび」と題して、今回は、南フランスの旅です。

たがわさんは、学生時代に油絵を描いていましたが、退職後は日課のように水彩画を楽しんでいます。3年で1000枚、これってすごいことです。日々精進というような硬い感じは微塵もなく、軽やかで、何より自分が楽しい時間を過ごしていることが伝わってきて、見る方もなんだかゆったりした気分になります。その時々の想いを、自分の中に留めておく為だけに描くという、無欲で素直な印象が、気持ちをほぐしてくれるのかもしれません。

楽しい時間を持って、機嫌良く歳をとっていきたい、と近頃しみじみ思います。できるなら、何か作る喜びがあればなおいい、と思います。絵を描いてみようかな、とふとそんな気にさせるやさしいスケッチの数々。とは言え、ここに掲げられた絵のうしろには、1000枚のスケッチがあるのです。初めて外で描いた時、枠をきめるのが難しく、どこまでも広がる景色を前にすくんだことを思い出します。きっと何枚も描いていくうち習得した技術が、さらに絵を描く喜びを大きくしていくのですね。

旅の空気をまといながら、その場でだいたい20〜30分かけて、描き綴ったスケッチ18枚を選んで並べて頂きました。京都の蒸し暑い夏をひととき忘れてしまうような、爽やかな風が本屋に流れてきたようです。(女房)

『旅する。たがわゆきお展・ふたたび』は8月6日まで 

12時〜20時(最終日は18時まで)月曜定休 

 

 

 

祇園祭の鉾立てが始まりました。京都の夏はこれからが本番…..とはいうものの30年前とは真夏日の多さが違い老体にはこたえます。

今年は、17日(月)が鉾の巡行日に当たりますが、レティシア書房は定休日です。京都のこの辺り、つまり中京区の烏丸通り近辺で、御池通より御所までの北の方は、巡行日は、車の交通規制があり、お商売をしているところは、昔はよくお休みになったものでした。

さて、そんな夏本番の時期に、藍染めの涼しげなのれんが、ギャラリーを飾りました。土本照代藍染め作品展『あいぞめのゆめ』が、今日から始まりました。レティシア書房での土本さんの個展は、2015年7月に続き2回目。一昨年もちょうど祇園祭の時期でした。

彼女の染め方は、「おりがみ絞り」と呼ばれているもので、生地を折り紙を折るようにたたんで縛り、藍液に浸けて染めます。布のたたみ方、防染する箇所によって様々な模様ができます。と言っても、染織などの経験がなければ、ピンとこないかもしれませんが(我が店長もその一人)、幾何学の模様が広がるステキな作品です。ぜひ実物をご覧下さい。

夏、京都の街中にまだまだ残っている町家で、軒先のかすかな風に揺らぐのれんは涼感を呼びます。玄関に水など打ってあるとなおさらほっこりしますが、一方マンションの白い壁に、藍染めのれんもまた合うようです。幾何学模様のこの染め物は、どこか懐かしく、そして柔らかく、丁寧に作られたやさしさを感じます。

木綿の手ぬぐい(2500円)もたくさん揃いました。藍染めは使いこむうちに、いい感じに色が落ち着いて来ますが、最近はインテリアとして、専用の額などに入れて飾っているのもよく見ます(写真・左上)。藍色は、お部屋に落ち着きと涼しさをもたらすかもしれません。

オススメは、絹のストール(12000円〜20000円)。冷房で身体が冷える時など、幅広で、軽くて、上品な藍色のストールは重宝します。他に、日傘・ブローチ・髪ゴム・手帳・ポチ袋など販売しています。

京都の夏、ここ最近は特に過酷な暑さです。外出も控える方が多いところでしょうが、祇園祭の鉾町から、もう少し北へ上がるおついでがあれば、ぜひお運び下さい。目にも涼しい藍染めをお楽しみ頂けたらと思っています。(女房)

 

土本照代藍染め作品展「あいぞめのゆめ 5」は7月11日(火)〜23日(日)

 12時〜20時(最終日は18時まで)  17日(月)は定休日

 

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「震災で消えた小さな命展」では、東日本大震災で犠牲になった動物達の絵(複製)を展示しています。

かけがえのない命を失くした飼主に、天国へ旅立った動物たちの話を聞き取り、100名近くのイラストレーター、絵本作家が協力して、動物たちの絵を描きました。今も次々と描かれた原画の展示は各地を回っているのですが、最終的に飼主さんの元へ贈られます。それで、その後原画の中からいくつか複製画が作られ、各地のボランティアの働きで巡回しているのです。

京都での巡回ボランティアをしていらっしゃる松永さんは、2013年「ひとまち交流館」で開催された原画展を観に行って、お手伝いされるようになったとのこと。今回、松永さんとのご縁で、本日より5日間だけですが(今週日曜まで)レティシア書房で開催出来る事になりました。

主宰者の絵本作家うささんは、震災後、東北へボランティアに行き、そこで多くの人の命とともに、想像を絶する数の動物が命を落としたことを知ります。飼主さんたちの心の傷は癒えることがありません。何故、彼らは命を落とすことになったのか、動物の命は尊重されているのか。「見過ごされる命、声なき声を、展覧会を通して伝えたいと思います。」という主宰者の声を聞いて頂ければと思います。そして、震災から6年経った今も、動物の命の救われ方が変わっていないことを、この展示を機会に知って頂ければと思います。うささんが描かれた「ぼくは海になった」という絵本は、流されて亡くなったお母さんと犬のチョビのお話ですが、犬を飼っている身には涙なくしては読めませんでした。(絵本「ぼくは海になった」展示中販売しております。1400円)

池田あきこはじめ、絵本作家・イラストレーターの方々が、震災で亡くなった犬、ネコ、鳥、牛などの在りし日の姿を描き、絵には、それぞれのエピソードも書かれています。中には、飼主からの手紙も展示してあります。

「避難所ではペット受け入れ不可だからと、避難できるのに避難せず、自宅に残った人、ペットを連れて避難所に向かったが、一緒に入室を断られたために、自宅に戻った人・・・・その人たちは、ペットと共に亡くなっています。姿かたちが違ってもその命を思う人にとっては、大切な家族です。ペットの命を助けることは、人の命を助けることにつながるのです。」

ペットだけでなく、畜産業者の牛の話もあります。生き残った牛が、子牛を産みますが、警戒区内で交通事故に遭い、亡くなってしまうという辛い体験談です。

「避難時に一緒に連れてくるものは、その人にとっては大切な存在であり、共に助かりたいから連れてくるのです。初めから救える命、救えない命と、命の線引きから決めるのではなく、命は全て救うもの、そこから考えていただきたいと切に願います。」

ペットを飼っている方も、そうでない方も、ぜひご覧ください。(女房)

◉7月9日(日)まで開催です。(会期中無休。最終日18時まで)

うささんの絵本・ポストカード・クリアファイルなど販売しております。

●展示した直後、京都新聞の取材を受けました。(写真左)