本日より、結城幸司さんの木版画展「纏うべき風」展が始まりました。

朝、荷物が到着して開封した瞬間、アイヌの森深くに棲むクマの神がやってきました。

北海道のネイチャーガイド安藤誠さんは、昨秋当書房でのトークショーの際、「クマが恐ろしいものだという誤った情報を垂れ流すメディアの姿勢を是正していかねばならない」と語っておられました。結城さんの作品を見ていると、人とクマの正しい有り様が見えてきます。大作「くまの神様と話したよ」は、人の心とクマの心が交わり、新しい世界が立ち昇ってきます。

本を読んだり、音楽を聴いたり、映画や美術を鑑賞したりする目的は様々でしょう。新しい刺激を受けたい、美しいものに触れたいなど。でも、圧倒的に大きな存在の前で、俺ってこれぽっちなんだなぁ〜、と知り、それもひっくるめて受け入れてくれる強さを持った作品に出会うことは、なかなかありません。星野道夫や、宮沢賢治を読んだ時に似た感情とでも言えばいいのでしょうか、多分それに近いものを結城さんの作品は持っています。作品と対峙すると、踞る自分を解放してくれる大きさと強さを秘めています。

この展覧会は、今週末までの1週間です。GW前、お忙しいとは思いますが、観て頂く価値のある個展だと確信しています。

なお、店内にて、25日金曜日午後7時30分より、結城さんのアイヌモシリの神話と心話の世界」と題したトークショー(1500円)を開催します。作品を観ながら、アイヌ民族の持つ世界観に触れてみるのも素敵です。(狭い書房ですので先着15名様で締め切らせていただきます)

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銅版画、木版画、ポストカード、クレパス画等、朱女さんワールド満開の個展が本日より開催です。

早速、お気に入りの作品を見つけました。

先ずは、この灯台を描いたクレパス画。寂寥感溢れる闇の中、霧の向うにかすかに見える灯台のシルエット。灯台守は、古い机の前に座って、長年使い慣れたコップで、温かいココアでも飲みながら、世界の涯に連れて行ってくれる小説でも読んでいるか、或は、静かに暗い海をじっと眺めているのかと、思いを巡らせてしまいます。

入り口付近に飾ってある水彩画も、文句なく気持ちよくさせる作品です。沙漠の中の道を、お城みたいな建物に向かって歩く、三匹の象さん家族。「幸せは歩いて来ない、だから歩いて行くんだね」なんて歌いながら、えっちらおっちら行進しています。その楽しそうなこと。

それに、クレパス画で、木馬を描いた作品。これ、馬の後ろをすぅ〜と流れる風が素敵です。この木馬はどんな子どもを遊ばせていたんだろうなぁ〜。その人が大きくなって、木馬と対面して、いやぁ〜お久しぶりと語っているようなお話ができそうな世界です。ちょっとセンチメンタルな風が吹き抜けるような気分です。小さなサイズの作品が多いのですが、どれもお話が紡げる様な絵や版画で、本屋のギャラリーにぴったり。

そして、圧倒的にポストカードの種類が多い。どれも楽しくてカードを選ぶだけでウキウキしてきます。春爛漫、可愛くて、ちょっと妖艶で、楽しいアートを探してみてください。

 

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高山さんには、店がオープンした1昨年の秋、名残の草花など活けた花器や土鍋などを中心に個展をしていただきました。

今回は、高山さんにとっても初めての、春の作陶展。ちょうど桜も開きはじめましたが、ほんのり桜の香りが感じられるような薄いピンクが施された器などの新作です。桜の花びらの形の片口、花弁のような杯でお酒を頂くのもいいですねぇ。また、菜の花や椿を活けて飾ったモダンな花器は、和洋どちらの部屋にも合いそうです。蓋物の磁器の蓋にも桜が咲いたりしていて、優しい表情になっています。作者にも初めての春の個展ですが、小さな書房にも春風が吹いてきました。

今回は、高山さんの作品と一緒に、WAKAKO AKETAさんのイラスト作品も並んでいます。やはりこちらも春の心地よさが感じられる作品が並んでいます。作品と一緒にポストカードもいっぱい。1枚150円で、どれも愛らしい素敵なカードばかりです。ジャズトランぺッター、チェット・ベイカーの写真をコラージュした作品など、軽やかでスウィングするようなイラストをぜひ楽しんで下さい。(女房)

 

高山正道作陶展+WAKAKO  AKETA 「春の訪れ」展は4月6日(日)まで

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お正月以外で、初めて連休をいただきました。

当書房は月曜定休なので、美術館になかなか行けません。で、18日(火)兵庫県立美術館の「フルーツ・オブ・パッション/ポンピドゥー・センター・コレクション」展へ。ポンピドゥー・センターの現代美術がズラリ並ぶ、面白い企画展でした。現代美術って、面白いか、どうかは、おぉ〜この発想か!とニンマリできるかどうかですね。その点、この展示会は楽しかったです。

写真はエルネスト・ネトの「私たちはあの時ちょうどここで立ち止まった」。とても、複雑な香り?を出す作品です。

真っ暗な部屋に入ると窓があり、そこから向うを見ると、これぞ日常生活というべき映像が、12台のモニターから絶え間なく映し出されるレアンドロ・エルリッヒのインスタレーション「眺め」。これは、覗きのスリルです。思わす、ヒッチコックの「裏窓」を思いだしました。

また、4台の大型スクリーンによるジャナイナ・チェッペの映像インスタレーション「血液、海」はどれだけ観ていても飽きてきません。水中をフワリフワリと浮遊する女性。長いドレスが水中では、まるで海藻のように揺れています。カメラは水中のかなり下の方から、女性と気泡を捉えます。海上の青い空まで見えています。この映像の気持ちよさは、おそらく人は最初は、母親の胎内という水の中でゆらりゆらりと幸せな時を過ごしていた郷愁からきているのかもしれません。(展覧会は23日まで)

おかげさまで、いいお休みでした。

 

 

レティシア書房では、本日から23日の日曜日まで、上村知弘さんの作品を展示しています。上村さんには一昨年、カナダユーコンのドールシープを中心にした写真展をしていただきました。(左の写真は一昨年の店内での奥様とのツーショットです)美しく、雄大で、厳しく、そして計り知れない孤独まで感じさせる作品をお楽しみ下さい。4月中旬には、京都の青菁社から「Dall Sheep」という題で待望の写真集が出版されます。もちろん、当店でも取り扱いいたします。ご予約も受け付けますのでよろしくお願いします。 

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今日のこの日のことは、多くの人が語っていますので、今言う事はありませんが、ギャラリーでは岩手県三陸の大槌町の女性達が、震災の後の苦しい状況で作った刺し子展「テドガイイ」を開催しています(16日まで)。結構人気があるのは、「ひょうたん島」の刺し子の布巾(600円)で、そういうギリギリの状況で縫われたものとは思えない程、海の町の白い雲と平和な風景が見えてきそうな1枚です。

また、見に来て頂いお客様から、刺し子の材料等のご援助の申し出もありました。ありがとうございました。展示がきっかけで、新たな糸が繋がっていくことができれば嬉しい限りです。期間中販売している刺し子の代金はすべて主催者へ渡します。お時間があれば、覗いてくださいませ。

ところで、震災後、やっぱ、信用できねぇな〜と思ったのはマスコミの報道と姿勢でしたね。俳優の山本太郎さんが「反原発」と言った途端、仕事が回ってこなくなったなんて、その最たるもんでしょう。彼の著書「ひとり舞台」(集英社600円)では、「山本太郎取り扱い自粛」がメディアで広がっていると自嘲気味に語っています。

ところで私が核の恐怖を初めて感じたのは、昭和29年発表の白黒映画「ゴジラ」(DVD1200円)でした。戦後すぐの首都がゴジラの放射能で破壊されてゆく、その光景は、震災後の無惨な町の姿に重なりました。映画の中で、生物学の博士がこんなことを言います。

「ゴジラは度重なる水爆実験で、放射能を浴び、永住の地を追われてしまった」

 

あるいは、RCサクセションの反核アルバム「カバーズ」(1500円)。「シークレット・エージェント・マン」でゲスト参加した演歌歌手の坂本冬美が

「オリンピックの影でおまえが知らない事実を動かす」と歌います。

美談大好きメディアが、東京オリンピックで、また感動秘話の垂れ流しをすることでしょう。そして、貴方も私も、アスリートの美技に酔いしれるはずです。その影で、権力者はコソコソと原発を作ったりするかもしれません。危ない、危ないですぞ。ご用心を!

 

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岩手県沿岸部真ん中にある大槌町は、震災で住民15000人の約1割を失い、市街地が壊滅しました。

そんな大槌町の女性たちが集まり、手を動かす事で自らの心を癒しす試みの一つが「刺し子」の布巾の制作です。きっと被災地各地で、たくさんのグループが、それぞれに制作されているものがあると思います。この度、ご縁があって「We Loveさんりく」主催の『三陸・海の町大槌町「テドガイイ」女性たちの刺し子』展をレティシア書房で開いて頂けることになりました。テドガイイとは、器用な、という意味だそうです。

このグループは、刺し子初心者の人が多く、決してアート作品というものではありません。けれど、それらは見ている者をほっこりと温かな気持ちにさせてくれるのです。どこかしら懐かしく素朴な味わいがあり、針仕事をしながら、おばちゃんたちが地元のことばでおしゃべりする声が聞こえてきそうです。大槌町は井上ひさしの「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった蓬萊島があります。刺し子の布巾も、その波をチャプチャプ乗り越えるひょうたん島や、大槌川を遡上する鮭をデザインしたものが見られます。故郷の自然を思い起こしながら、一針一針作った布巾。遠く離れた京都で、たくさんの方々に見て頂ければ、きっと作り手を元気づける力になると思います。ぜひお運び下さい。

また、一緒に展示している大槌町の写真は、震災前の桜の季節に撮った同じ場所からの写真が、津波の惨い爪痕を伝えます。と、同時にまだ荒れたままの風景の中、祭りの行列が行く写真は、人間の底力を感じます。(女房)

★「テドガイイ 女性たちの刺し子作品展」は3月16日(日)まで

★刺し子の布巾は1枚600円で販売しています。

 

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本日より、三重県上野市で創作活動をされておられる陶芸家、星一平さんの「ねこ絵展」が始りました。

猫を、毎日(きっと)描いて、描いて、いっぱい描いた中から、40点余り飾って頂きました。ギャラリーの壁一面、星さんの猫たちが誠に楽しそうに動き回っております。

踊っている猫、車を運転している猫、じゃれあっている猫、ペンや水彩、パステルなどを使って、迷いのない線で描かれた絵はどれも生き生きしています。

作品はすべて販売しています。作家が作られたダンボールの額縁にはいったものや、机の前にちょっと置いておける小さな額などプレゼントにもぴったり。お気に入りの猫を探してみて下さい。

なお、お買い上げの作品を入れる袋にも、サインペンで猫が(全部違います)描かれています。ともかく猫だらけ。ふわっと肩の力が抜けること請け合いです。

 

 

 

 

 

 

さて、絵本新刊の販売をぼちぼちと始めました。今回入荷してきたのは、「ねこ絵展」にまるで合わせたようにタイミングよく、ミロコマチコの愛猫・てつぞうを綴った「てつぞうはね」と、圧倒的エネルギー爆発の「オオカミがとぶ」。さらにジョン・クラッセン作の絵本に、絵本作家長谷川義史が大阪弁で翻訳した「ちがうねん」、「どこいったん」。そしてジョン・クラッセンの絵に、レモニー・スニケットがお話をつけた「くらやみこわいよ」です。

少しづつですが、国内外の絵本を増やしていくつもりでいます。

 

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先日16日夜、鳥崎典子さんによる朗読会「藤沢周平『雪あかり』を読む」を、当書房で開きました。

午後7時30分、鳥崎さんの息子さんのギターが静かに奏でられ、下級武士の生き様を描く藤沢らしい小品の世界が、ゆっくりとしたリズムで始まりました。眼をつぶって聴いていると、雪道を照らす大きな月と寒い冬の夜の情景が浮かんできます。藤沢の文章は美しく、凛としたスタイルがありますが、まるで静謐な音楽を聴いているような一時間でした。

小さな店に満員のお客様で、席が窮屈だったことを申し訳なく思います。けれども、鳥崎さんの美しい朗読には、ご満足いただけたのではないかと思っています。残念ながら当夜は満月ではありませんでしたが、その余韻に浸りながらお帰りいただけたことでしょう。古本屋での朗読会は、いつかしてみたい事の一つでした。お寒い中、皆様本当にありがとうございました。こういう静かな時間をまた持てたらいいな、と思います。

さて、朗読に合う本というのは、なかなか探すのが難しいと、鳥崎さんもおっしゃっていました。こんな朗読会に合う作家って誰がいいのだろう、と考えました。女性に朗読していただけるなら梨木香歩の「家守奇譚」(700円)などどうでしょう

「遠くから微かに夜行列車の汽笛が聞こえる。ぼんやりした輪郭の向こう側で、意識がこれは夢だと再び告げる。外は雨が降っているようだ。雨の日は汽笛が良く聞こえるのだ。意識は幽明の境にあって今ならまだ夢に戻れそうだ」

こちらの世界とあちらの世界を繋ぐ物語を読んでいただきたいですね。男性の声なら、沢木耕太郎「一号線を北上せよ」(2000円/沢木さんサイン入り)あたりですね。

「もしかしたら、誰にも『北上』したいと思う『一号線』はあるのかもしれない。」

「たぶん『北上』すべき『一号線』はどこにもある。ここにもあるし、あそこにもある。この国にもあれば、あそこの国にもある。私にもあれば、そうあなたにもある」

なんて滑り出しから、未だ見ぬ国へ連れ出してもらいたいものです。

ところで、朗読の伴奏曲は、エリック・クラプトンの「いとしのレイラ」のイントロでした。よく似合っていました。

 

21日(金)午後4時ぐらいから「はちはち」のパン販売です。

 

2月25日(火)から星いっぺいさんの「ねこ絵展」開催。この展覧会は3月2日までの1週間です。 

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ハイクォリティーの内容のミニプレス「日々」の創刊から、最新号まで揃えました。(欠本もあるのですべてが揃っていません)2006年発行の3号から、つい先日発売された伊藤まさこさんの「台湾『旅日記』」特集の33号まで、常に日々の暮らしを見つめ続けたこの雑誌のすべてがご覧になれます。華美でも、豪華でもない日常の暮らしを、ここまで一貫して発信している雑誌なんて、なかなか見当たりません。どの号も部屋に置いておいても古く感じないのが素敵です。

「日々バックナンバー」展と一緒に、三人の京都在住の作家さんの作品を展示即売しております。

昨年「リース&苔玉」展で大人気だった今川たまみさんは、春めいたリースと可愛い植物の小作品を。前回はクリスマスとお正月にピッタリのものでしたが、今回は春を待つ優しい色合いと、アクティブな力のある作品が揃いました。リーズナブルな価格なので、ファンの方はお早めにお越し下さい。

そして、川上宏志さんの「木工」作品。それぞれの木の味わいを十分に引き出したあたたかな感じが素敵です。使いやすい大きなスプーンは、手に馴染んで、実は我が家の鍋には欠かせない道具です。川上さんご自身が料理人なので、使い勝手が程好いのだと思います。手鏡、トレー、ペン立てなどどれも側に長く置いておきたくなるものばかり。

 

ギャラリー奥には「日々」バックナンバーと共に、なかむらけいこさんの「アンティーク帯bag」が4点並びました(写真・上)。アンティークな布地というのは、それだけで存在感があり魅力的です。華やかだけれど使われなくなった帯に、再び命を吹き込み、着物を着ない人にも身につけてもらえるようバッグに仕立てられました。

リースも、木の雑貨も、帯地バッグも、それぞれ光を放って、2週間古本屋を照らしてくれます。幸せなことです。

さて、会期中にあと二つ欲張ります。

★2月21日3時半頃から西陣の「はちはち」のパンを出張販売します。

★2月16日7時半から朗読会「藤沢周平/雪明かり」こちらは狭い店内ですので、ご希望の方は予約お願いします。

お正月が終わり、京都の底冷えも厳しい今日この頃。

そんな中、ギャラリーはホワッとした雰囲気に包まれました。本日から「三宅洋々展」始りました。三宅さんは、1995年「詩とメルヘン」イラストコンクールでグランプリを受賞され、2003年まで「詩とメルヘン」に作品を掲載されていました。

日々みのまわりにあるモノ、カップや石鹸、ペットボトルや飲料水のビンなどが描かれています。ゆっくりと見ていると、心が落ち着くような温もりのある作品ばかりです。モノ達が主張しているわけではありません。ただ、そこにあるだけなのですが、なんだかほっとさせてくれるのです。そして淡い色使いが、春の気分を運んでくれそうです。

何点か可愛らしい犬の作品がありますが、これは作家さんの愛犬はるちゃん(雄)です。「はるとかぶとむし」という作品が愛犬とかぶと虫が向かい合って、何やら挨拶をしている様な感じです。はるのしゃがみ方が可愛くて、見飽きません。犬好きの方には、ぜひ。

作品展は1月26日まで

 

★1月28日(火)〜2月9日(日)までレティシア書房にて、冬の一箱古本市開催です。店内にズラリと面白そうな本が並びますよ。

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