目下、レティシア書房では妖しい世界が広がっております。

 

「Kyo Nakamura Print Works 2009〜2012」

 

舞踏家TAIZOさんをモデルにした作品は、時間が止まり音が消えて、赤い血が流れているこの世の者とは思えない。あるいは、マネキンの透明感のある顔を捉えた作品。今にもふと動き出しそうです。そしてまた、琵琶湖の畔の風景写真は、ヨーロッパ映画の1シーンのよう。

 

中村さんの世界は、今生活しているところから微妙にずれた異界を思わせる独特のものです。なんといっても写真自体がとても美しい。

 

ご本人は元ロッカーの面影を残した(?)穏やかなオジサンです。

かれこれ30年の長いおつきあいになります。

昔、撮影現場のお手伝いをしたこともありました。そうそう人手不足で急遽モデルになったこともありました!私、血色いいし、異界の人にはみえないですし、もちろん顔は隠しておりましたが。

 

中村さんは作品を並べながら「前から一度本屋で個展したかったんだ。」って言ってくれました。

一緒にお手伝いしながら、すっごく嬉しかったです。

 

暑い夏、本屋の壁に並んだ非日常の世界を覗きにおこしください。(女房)

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30年近く前、知り合った吹きガラスの作家さんが

「毎日の暮らしの中で麦茶かなんか飲む時、ちょっと贅沢かもしれないけれど自分の気に入ったコップで、っていうようなそんな器を作っていきたい。」

と言いました。

 

今もそうかもしれませんが、昔は結婚式の引き出物や、香典返しにガラスや陶器の食器類が多かったので、どこの家庭にも、箱入りの器などがたくさん眠っていたのではないかと思います。

 

当時私は親と暮らしていたし、家にはもらいもののガラスのコップがあったし、自分用のものを買うなんていう発想はありませんでした。

すっごく贅沢な感じがして、あこがれました。

 

働いて得たお金の中から、自分用の器を買い求める様になったのは30歳を過ぎてから。

7月3日、翁再生硝子工房の二人が、ギャラリーで優しい色のガラスの器をひとつずつ並べているのを見ていて、個展会場ではじめて自分用に買った器を思い出しました。飾ってある時より、水を入れた時に生き生きとした表情に変わる透明の小さなコップ。

 

懐かしい雰囲気の、素朴なガラスコップたちが涼しそうに並んでいる翁再生硝子工房の「氷コップ展」。

若い作家の器をぜひ手に取ってみてください。

 

尚、今回の「氷コップ展」の期間内、7月15日から17日まで「はちはち」のパンの販売をします。

「はちはち」は前にも紹介しましたが、とっても説明しにくい場所に店を構えています。

ところが、不思議な事に、レティシア書房に本を買いに来て下さる女性が何人も店内の案内を見て

「あ、はちはちのパンですね。私好きです。」とおっしゃいます。

なんか共通の匂いがあるのかな?

それともやっぱり「はちはち」が有名なのか?(女房)

 

 

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翁再生硝子工房の「氷コップ展」、本日から始まりました。

朝から京都地方には大雨警報の出る中、搬入開始。今まで、絵画や、写真といった平面の企画展が中心でしたが、初めて立体作品ばかりの展示です。涼しげな風鈴、冷えたワインに、ストレートで飲むスコッチウィスキーに最適なグラス、アイスクリームなんか載せれば、ひんやり感が倍増しそうなものまで、見ているだけで涼しさを誘う硝子作品です。

ちょっと、懐かしいような雰囲気にさせるシェードが、いつもと違う明かりを演出しています。

以前、この工房のストレートグラスを買いました。注がれるウイスキーの黄金の色合いと、さらに、美味しそうに演出するグラスのおかげで、お酒が進みました。ウイスキー好きにとって、ロックグラスのいいものは、割と容易く見つかりますが、ストレートグラスは見つけにくいものです。私が使っているグラスは、その手で持つ所の感触が素敵です。

蛇足ながら、ウイスキーを水割りで飲む輩がおりますが、邪道です。ウイスキーの語源は、「命の水」とか。それを薄めて飲むなんて!昨今流行のソーダで割る飲み方も感心しませんね。北山で書店勤務していた頃、深夜に営業が終わるため、冬、自転車で帰宅する前に机に隠しておいたバーボンウイスキーを、ショットグラスで一杯飲む、その一杯が一番美味しい酒でした。ウイスキーを飲みだしたのは33才。サントリーオールドから始まり、スコッチ、アイリッシュ、そしてバーボンとグレードを上げて飲み続けてきました。飲み方を教えてくれたジャズバーは無くなりましたが、数年前に店のすぐ近くに素敵なバーができて、今まで飲んだ事のないウィスキーを出してもらって楽しんでいます。

「氷コップ展」は17日(火)の鉾巡行日まで開催です。16日(月)の宵山は営業します。そして、15日(日)の宵々山から三日間限定で、「はちはち」の美味しいパンの出張販売もあります。祇園祭に行かれる前にお寄り下さい。

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「斎藤博素描展1972年乾期アフリカ・サバンナの旅にて」は盛況のうち第1週を終え、2週目に入りました。

そして、今なお作品の並べ替えは続いています。

 

本屋の壁にすっかりとけ込み、けれどもさすがに存在感があり、とても素敵な個展になっています。

 

私自身毎日ワクワクしながら、とてもいい勉強をさせて頂いております。

 

このスケッチは、今から40年前、京大霊長類調査隊に同行して、乾期の東アフリカを旅し、初めて目の前にひろがる原色の世界に感動した若き画家の感動そのものです。

 

さらに現在制作されているコラージュが加わり、それが若い頃のスケッチと一緒に並ぶとそこに、ある流れが見えて、大げさに聞こえるかもしれませんが、一人の作家の足跡をたどるような気がしてきます。

 

展示スペースを作っておいてホントによかった、と思う今日この頃です。(女房)

 

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「「1972年乾期東アフリカ・サバンナの旅にて」と題した素描展開幕です。

日本のアルトサックス奏者、渡辺貞夫が数十年前にアフリカに渡りました。ジャズマンがアフリカに渡った先駆的存在でした。彼は、かの地で土着の音楽に魅入られて、帰国後「ケニヤ・ア・アフリカ」などの多くのアルバムを発表しました。おそらく、彼が内包していた強烈なリズム感と、土着音楽の力強さがマッチングして、ジャズのようで、エスニックのようで、ポップスのようでという具合の見事にブレンドされたサウンドを作りました。

異国の地を訪れた作家なり、ミュージシャンがその土地の醸し出す匂いを思い切り吸い込んで、自分の感性を刺激されて出て来た作品を見るのは、いつでも新鮮きわまりないことです。今日から始まったこの個展も、そんな刺激に満ちています。大砂塵と、灼熱の太陽、が体を吹き抜ける! かっこいい!という言葉だけで表現するのは、作家に対して失礼かもしれませんが、最大限の賛辞を込めて言います。

                           「かっこいい」

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この夏、お店でちょっと面白いというか、へんな企画やります。

その1:7月3日(火)〜7月17(火)鉾巡行日「翁再生硝子工房展ー氷コップ展」

この工房のコンセプトは「翁再生硝子工房では主にお酒や調味料などに使われているガラス瓶を熔解して、 吹きガラス等の技術を使い、普段家庭で使える器やアクセサリーを制作しています。」です。そして、今回「夏の京都で初めての個展は、『氷コップの世界』に挑戦してみます。」との意気込みで開催です。

そして、この企画中の15日(日)〜17日(火)の三日間、西陣のドイツパン屋「はちはちinfinityCafe」が、店の一隅でパンの販売を行います。ドイツの伝統食である「ライ麦パン」の深い香りと味を提供して、多くのファンを持つ「はちはち」のパンの出張販売です。販売時間、販売商品等の詳しい事決まりましたら、またお知らせいたします。なお、16日(月)は本来定休日ですが、営業いたします。宵山に行こうかなと思っていらっしゃる方、おついでに、お立ち寄りください。

 

その2:8月14日(火)〜17(金)「善行堂がやってくる」

銀閣寺近くの古書店、ご存知「善行堂」の出張販売展を開催いたします。さて、どんな本を出品してもらえるか、今から楽しみですね。折しも、下鴨で古本市(11日〜16日まで)が開催中です。その帰りにでもご来店頂ければ幸いです。

その3:8月21日(火)〜9月2(日)「写真展Bred」(仮題)+「一箱古本市」

7月にパンの販売をされる「はちはち」スタッフによる「パンの写真展」と、同時に、ギャラリースペースを解放して、一箱古本市を開催します。(参加者募集中です。メールでお問い合わせください。)

 

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ただいまレティシア書房のギャラリーコーナーでは「蛭多量令展」が開催中です。

エビスタカズヨシと読みます。ちょっと読めないくらい難しいお名前です。

エビスタさんとのお付き合いは30年以上になります。

 

何を隠そう、朝日カルチャーセンターのデッサン教室で週に一度、一緒にモデルさんを描いている仲間です。よく続くな〜と言う人もいるのですが、これが楽しい。余計なことを考えず、2時間ひたすら対象と向き合って描くのは、子どもに戻れるような嬉しいひと時です。

 

 

お医者さんで、御歳84才になられるエビスタさんの、初の個展がレティシア書房で実現しました。

たくさんたくさん風景画を描いて来られたので、一堂に並べて下さいよ、とお願いしたら、照れ屋のオトーサンは、最初ちょっと尻込みされていたのですが、結局は快く引き受けてくれました。

 

1997年から2011年にかけての、旅のスケッチです。旅先で(京都市内の風景も多くありますが)描いて、持ち帰ってからは一切手を入れないそうです。

こんなことを言うのは生意気ですが、素直な美しい風景画です。

旅先から奥様宛に送られた絵手紙もあります。これがまた素敵で、その時々の印象がぱっと画面に吸い取られたようで、生き生きとした絵が並んでいます。

 

こうして今まで描いて来た絵をまとめて並べるといいもんだな、とご本人もしみじみ。

これからも町並みを、どんどん描いてください。来年も待っています。(女房)

 

☆蛭多量令展は6月3日まで。

 

 

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前にもご紹介したカフェ「ムーレック」に連休最中、4日に行ってきました。
もちろん幻のコーヒー「カペ・アラミド」を飲むためですが、写真展をされていた上村さん夫妻と、展示中ずっと手伝ってくださっていたY子さんをぜひお連れしたかったのです。


ムーレック」は築100年くらい(?)のお家で、姉妹でカフェを営業しながらアジアとつながっている素敵な場所です。

「ムーレック」というのはタイ語で「小さな(レック)手(ムー)」という意味だそうです。(妹さんがタイに長く住んでおられました。)
子供達の手、そして、一人一人は小さいことしかできないけれど、つながれば大きく実を結ぶ意味もこめられているとか。

「カペ・アラミド」も売り上げの一部がフィリピンの「ハウスオブジョイ」という孤児院の支援に充てられます。
ここは、親のいない子供、虐待を受けている子供などを政府の福祉局の連絡を受けて保護し、ご飯を一緒に食べ、そして学校に通わせるところです。

「ムーレック」のお姉さんの方が、ドキュメンタリー映画の製作者で「ハウスオブジョイ」の依頼で作られた映画も見せていただきました。

上村さんたちは、ゆったりした古い家の佇まいや、展示してあるタイの子供達の写真をすごく気に入ってくれました。

コーヒーの方は、後味がすっきりとしていて、美味しかったです。
幻のコーヒーと言われる珍しいものを頂いた割には、もひとつ味音痴で感想がなんですが。

さて、楽しかった上村さんの「Northean Life」写真展も5月6日に終わりました。
たくさんの方々が見に来てくださいました。再会の和やかな雰囲気、楽しそうな笑い声が小さな本屋に満ちて、我々もいっぱい幸せを頂きました。
レティシア書房の小さな手が、また一つつながりました。
本当にありがとうございました。(女房)

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