創刊号で「消しゴム」の特集号を出して、文具マニアに好評だったHB MAGAZINE第二号「PENCIL」が到着しました。
今回の特集は鉛筆です。「ハイテクを駆使する現代人よ。思い切ってスマートフォンを鉛筆に持ち替えてみない?」という大胆な提言で始まる本誌は、エンピツのあらゆる面を追いかけます。
日本で最初の鉛筆を使ったのが徳川家康とか、[ロシアの宇宙船は鉛筆を持って宇宙に行く]とかいう小話、「北星鉛筆(株)」の鉛筆工場見学ルポ、第三の鉛筆と言われている新しいタイプの紹介、各国の鉛筆でその国の言葉で「こんにちわ」を描いてみる、とか。微妙に線の味わいが違って面白い発見です。重箱の隅を穿り返しながら、鉛筆への愛着が増してきます。
そういえば、ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドファオード主演の「大統領の陰謀」とか、フェイ・ダナウェイ主演の映画「ネットワーク」でも、消しゴム付きの鉛筆が小道具として印象的でした。ボールペンを持った姿より、長い鉛筆を持った時の方が、様になるのかもしれません。第一号同様に、この号にもオマケとして封入されています。消しゴム付きの「SPACE PENCIL」はメタリックな感じが素敵です。
もう一冊ミニプレスのご紹介です。高松から届いた「IKUNAS」(756円)。
「好きなものと暮らす」というのが見出しにあります。まぁ、こんなタイトルの特集って、よく女性雑誌で見かけますが、この本で取り上げらているのは、高松を中心にした四国で作られたものだけを紹介しています。編集部セレクトの「四国クラフト2015」にチョイスされている品々は、どれもクラフトマンシップ溢れる商品ばかりです。「土佐和紙の領収書」や、カラフルな色展開で見せる「カメラストラップ」、あるいは、藍染めで染め上げた「けん玉」とか、個性的で洗練されていて、思わず買ってしまいそうです。
特集されている徳島県鳴門の「宮崎椅子製作所」の椅子なんて、惚れ惚れするくらい美しい工芸品です。音楽好きには、白亜紀(6500万年〜1億年前)からある庵治石を使ったスピーカーというのもあります。水晶と同じぐらい割れにくい性質を持つこの石を使ったスピーカーで、恐ろしく深みのある音を出すそうです(お値段は16万円)。一点豪華主義の贅沢なら、こういう職人さんが精魂込めて作った製品に投じたいものです。
前述のミニプレス「PENCIL」で、ipadを使いながらインタビューする相手に対して、こう言い放った人物の話が紹介されています
「あなたが手にしているそのゲーム機のようなものと、妙な手つきでさすっている仕草は気色悪いだけです」
その人物とは宮崎駿氏。職人の気持ちの入っていない道具は使わないという彼らしい矜持です。
羊毛から作るフェルトがシャープってどういうこと?と思われるかもしれませんが、見ていただくと解ります。形も色もきりっとしていて、固く作られたフェルトは立体的。柔らかい羊毛のイメージが変わります。
しかし手に取ってみるとこれが、また軽くて暖かく優しいのです。
加藤さんのワークショップに行った友人は、大きな型紙から縮毛する技術と、根気に驚いていました。かたくてしっかりした「ルームシューズ」や「かばん」は、型紙のおよそ4分の1の大きさまで縮毛して行くのです。そして、今回出展していただいた「ショルダーバック」は、なんとコンパネ大の型紙から8分の1の大きさまで縮毛したもので、軽くて丈夫、その上美しい、という3拍子揃った逸品です。是非手に取ってみて下さい。
そして、加藤さんと言えば、動物のステキな小物達が揃いました。やぎのティッシュペーパーカバーは、まるで紙を食べているかのようで、ユーモラス且つ洗練された形で部屋のアクセサリーにぴったり。もちろん定番の動物の顔のキーホルダーも沢山揃っています。
店の入り口付近で、ゆらゆら舞いながらお出迎えする「ツバメ」のモビール」は、なんと、ボールペンというステキな演出です。これは、いつも「ボールペンはどこ?」と捜してしまうので、ツバメのフェルトをボールペンにかぶせて、羽の部分にマグネットを仕込み、例えば冷蔵庫の扉などにくっつけられるように工夫されたのだそうです。ただ意表をついたデザインというより、作家自身が、日々生活の中から思いついたアイデアが満載の、あたたかなフェルト作品なのです。そして、2014年最後のギャラリ−を羊で作ったヒツジを並べてほしいという希望を叶えていただき、来年の干支のヒツジが、出そろいました。21日(日曜日)には、ZUSさんのアトリエでヒツジを作るワークショップも開かれます。こちらの方はアトリエに直接お申し込みください。(店にはチラシをおいています)じぶんの手で作るヒツジはきっと愛着一入でしょう。いいお正月が迎えられそうですね。(女房)
(22日は休ませていただきますが、29日月曜日は営業します)
ヒツジ年といえば、吉田逸平さんの陶器の「おきあがりこぼし羊」も人気です。こちらも手に取ってください。