恒例になった、ペンション「ヒッコリーウインド」オーナーで、ネイチャーガイドの安藤誠さんの「安藤塾」を昨夜開催しました。安藤さんは、毎年10月の下旬に北海道鶴居村を出発して、依頼のあるところで、北海道のこと、自然とともに生きていくこと、などについて、講演をして回られます。レティシア書房では数えて5回目になりました。

彼が撮影した写真を観ながら、北海道の自然の魅力と、動物たちの生き方に驚かされました。

左の写真のこの虫、ご存知でしょうか。「トビケラ」という虫です。幼虫時代を水中で過ごし、水上で羽化します。とても小さな昆虫なのですが、トビケラにレンズを向けたのは、「彼のあまりにもかぼそく優美なさま、とくにオーロラのような羽のグラデーションと輝きを見つけることができたから。自然ガイドをしていて、自分自身が毎日いただいている発見と感動に、ただただ感謝」と言う理由です。この写真ではよくわかりませんが、画面を拡大した時に、羽の中にまさにオーロラを見出しました。

右の疾駆するウサギは、夏毛の「エゾユキウサギ」です。飼われているウサギとは全く違う逞しい足。疾走している姿はまるでカンガルーのようです。このウサギ、安藤さんがタンチョウの子育てを撮影していたときに遭遇した雄ウサギで、恋に夢中。撮影者の向こうにいる雌ウサギ目ざして、すぐそこに居る人間などお構いなしに、一直線に走って来たというわけです。安藤さんは、このウサギを前に、こう呟きました。

「北海道の自然界において弱者に位置する彼らが、毎日を必死で生きている様に、強い愛おしさを感じた。願わくは、この冬に真っ白になったエゾウサギに出会えたらと。」

プロ、アマを問わずアジア中のカメラマンが参加できる、アジアの自然にフォーカスをあてた写真コンテストNature’s Best Photography Asia2016で入賞したのが、サクラマスの飛翔(左写真)を捉えた一枚です。幻想的な滝の飛沫の中を飛翔する姿が感動的です。安藤さんは、この作品について「彼らは苦しく、困難な状況であっても決して諦めない。黙々と淡々と飛び続ける。このワイルドライフからのメッセージをどう受け取るかは、己の感性だけではなく自分自身の生き方次第なのかもしれない。」とフォトエッセイの中で書いています。(Nature’s Best Photography Asia2016は販売はしていませんが、店にありますので、ご覧になりたい方はどうぞ)

こんな風に、驚きの写真と楽しいトークで、「ヒッコリーウィンド」を訪れた人もそうでない人も、一緒になって和やかに夜は更けていきました。12〜3人で、狭い店内はいっぱいなのですが、この本屋のあたたかな雰囲気が好きだと言って下さるので、毎年旅の日程に入れてもらっています。トークの前後に、音楽好きの安藤さんは、CDの棚の前に座り込んで、「まいったな〜」と言いながらお気に入りのCDを手にしてニコニコ顔。私自身は、この顔見たさにさらにがんばって、CDコーナーを充実させているようなところがあるように思います。

 

★ 11月5日(土)は店内イベントのために18時にて閉店いたします。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお  願いします。