写真家、富士元寿彦の「原野の鷲鷹 北海道・サロベツに舞う」(北海道新聞社/絶版2900円)が入荷しました。表紙から、勇壮な姿で飛ぶオジロワシの写真です。堂々たる風格ですが、若いオジロワシが、「われ、こんなとこで何しとんのや」(関西弁?)とタンチョウに攻撃されて逃げてゆく写真もあります。

この写真集は、「原野の勇者たち1」として、オジロワシ、オオワシ、シロハヤブサなど6種類が、「原野の勇者たち2」で、オオタカ、クマタカ、ハヤブサなど10種類がそれぞれ紹介されています。北海道内の猛禽類の生息地としては、知床などの道北地方が有名ですが、日本海に面したサロベツ原野でも、多種類のワシタカを見ることができるのです。

勇猛果敢という点では、オジロワシが最たる存在でしょう。猛吹雪の中、餌を巡る小競り合いを捉えた写真は、その特徴を良く捉えています。しかし、歩く姿は、なんとも滑稽です。ステテコはいたおっさんが、いばり顔で町内を歩いているみたいで、笑えます。このオジロワシより、さらに大きなオオワシは王者という言葉がピッタリです。でも、流木の上で、10羽ほどのオオワシが、おしくらまんじゅうをするように並んでいる姿は、なんとも微笑ましいです。

威風堂々たるオジロワシが、湖上をぐるりと旋回したところを見た経験がありますが、もうかっこいい!としか言いようがありませんでした。オオワシは冬にやってきて、夏には日本を離れます。しかし、オジロワシの方は、留鳥として、夏も見ることができます。夏休み、北海道に行かれる方は、ぜひ大空を舞うオジロワシの姿を探してみてはいかがでしょうか。

精悍で美しいのは、極北の地から北海道に渡来するシロハヤブサ。猛スピードで狙った獲物に襲いかかる姿を、写真家は「白くて太い矢が飛んでゆくようだ。」と形容しています。海上で、急降下してカモメを捕まえることもあるようです。ただ、渡ってくる量が少ないので、なかなか見ることの出来ない珍鳥だそうです。

「ワシタカ撮影日記」というコラムの中で、写真家は写りのいいオオワシよりも、地味なオジロワシが好きだと言ってこう結びます。

「いくら見ていても飽きない何かがある。私が作った格言めいたセリフで言うならば『桜とオジロワシは日本人の心だ』ということになるのだが、残念なことに未だ誰にも理解してもらったことがない。」

桜とオジロワシか………。 

★連休のお知らせ 7月2日(月)、3日(火)

★夏の一箱古本市8月8日(水)〜19日(日)まで店内にて開催