大手映画館で、今、スタジオジブリの代表作「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」等を再上映しています。おそらく、大作の新作の公開が遅れているためですが、お客さんは入っているようです。

当店でも、スタジオジブリの監督の宮崎駿とプロデューサーの鈴木敏夫の著作を何点か入荷しました。これだけはぜひ読んで欲しいと思うのが、宮崎のコミック「シュナの旅」(アニメージュ文庫/古書400円)です。チベットの民話を元にして、宮崎がオールカラーで描いた作品です。後の「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」の原点とも言える作品です。「もののけ姫」で主人公が乗っていたヤックルという動物が、すでにここで登場しています。

「本へのとびら」(岩波新書/古書800円)は、宮崎が、岩波少年文庫への溢れ出る愛情を語ったものです。前半は、スタジオジブリで非売品として作られた小冊子「岩波少年文庫の50冊」をベースにして、宮崎が推薦する児童文学が紹介されます。この中で「第九軍団のワシ」という歴史小説が推薦されていますが、私も大好きな一冊です。宮崎も、東北を舞台にしてアニメ映画にしようとしていたことを知りました。是非、観たい!!

一方、宮崎と共に映画を製作してきた鈴木敏夫の「仕事道楽新版」(岩波新書/古書400円)は、プロデューサーとして宮崎駿、高畑勲にどう付き合い、そして共に苦労しながら、映画を世に送り出してきた現場をリアルに伝える一冊です。

宮崎は映画作りを航海に例えました。乗組員は、監督以下のスタッフ。航海はいつも順風というわけではありません。雨や嵐の日もあります。無事に目的地に着けるのかわからない。そのスリルとサスペンスを全スタッフが味わうことが、映画を面白くするというのです。

「結末がはっきりとはわからない、というのは大変なスリルです。航海にたとえるのはうまい比喩ですが、その比喩でいけば、難破という危険性もあるわけで、つまり映画ができないということになってしまうんですけどね。」

鈴木は、そんな危険を回避しながら映画を製作しているのです。彼の「人生は単なる空騒ぎ」(角川書店/古書950円)には、映画の企画書、製作過程、キャッチコピー、宣伝、CMコンテに至るまでの資料が収録されています。本書には、宮崎映画のキャッチコピーなどが、鈴木の力強い毛筆で書かれています。

 

ちょっと面白いところでは、ロバート・ウェストール「ブラッカムの爆撃機」(岩波書店/古書1450円)があります。宮崎が愛するこの児童文学に、彼の書き下ろしの「タインマスへの旅」という漫画を寄せているのです。飛行機オタクの宮崎らしいです。

★8月17日(月)〜20日(木)まで休業いたします