10月26日の土曜日、カメラマンでネイチャーガイド、釧路湿原のペンション「ヒッコリーウインド」のオーナー安藤誠さんのネイチャートークを開催しました。レティシア書房では毎年秋の恒例のイベントになりましたが、徐々に参加者が増えて、店内ではゆっくりしていただくことができずに、昨年と同じく南隣のM商店様の店先をお借りしました。この時期にしては暖かく、開けっぱなしでまるで野外の上映会のようで、和やかな雰囲気でした。

例年なら安藤さんのワンマンショーなのですが、今回は、ヒッコリーのスタッフでガイドの山田佳奈さんと、映像スタッフの小川浩司さんが参加され、今回のツアーへの思いなどを話されました。そして安藤さんが、自身の最新の写真や映像を中心にして北海道の自然について講演しました。その中に、一匹のキタキツネが登場します。精悍な面構えで、撮影者にふと向けた視線に感動しました。北の大地の厳しい自然にたくましく静かに生きる姿が捉えられていました。また、スローモーションで映し出された雪の中の丹頂鶴のダンスシーンは、息を飲むような美しさでした。

彼の撮影した動物たちの表情、特にその視線は「あなたたちは何ができるのか」と訴えているように感じることがあります。動物たちは愛嬌があり、可愛らしさ、美しさに満ち溢れています。しかし、彼らの住む環境は破壊され、住処を追われ、クマなどは害獣として駆除されてしまうのが現状です。そんな世界であなたたちはどう生きるのか?と問いかけられているように思うのです。

野生動物のことを考えることは、環境問題だけでなく、社会のあり方、一人一人の生き方などを、今一度考えることになってきます。当店でも、本をお渡しする際のビニール袋の使用を少しでも減らすために、お客様には、袋が必要かどうかお聞きしています。また個人的には、ペットボトルの飲料をなるべく買わないように心がけています。たったそれぐらいですが、彼らの視線にほんの少しは答えられているかと、気休めですが思っています。

安藤さんは、面と向かって自然保護や環境問題のことを口に出しませんが、撮影した写真の背後にはそんな思いもあるのではないかと思います。夢は、ネイチャーガイドのことをきちんと(そして格好良く)紹介できるドキュメンタリー映画の製作とか。今回の映像から、その夢の実現は近いと思いました。ぜひ見せてください!

「夏の一箱古本市」終了後、数日間お休みをいただき、北海道へと向いました。

台風が北海道に上陸して被害も伝わる中、当日はまたもや台風が関東方面に…..。飛行機は定刻通り飛んだものの、釧路はやはり雨でした。

出迎えてくれた鶴居村の宿ヒッコリーウインドオーナー、安藤誠さんは、ネイチャーガイドでありプロカメラマン。握手するなり「今から、知床に向かうよ。」って、この雨の中を??

数時間のドライブで着いた所は、鱒が遡上する「さくらの滝」。恐ろしい水量の川を、果敢にアタックする姿を見て、ワクワク!その後、神秘的なコバルトブルー色の「神の子池」に向かいました。摩周湖からの地下水が湧き出ている山の奥にある池で、摩周湖(カムイトー=神の湖)の伏流水からできているという言い伝えからそう呼ばれています。周囲220m、水深5mの小さな池で、 水が澄んでいるので底までくっきりと見えます。

 

翌日は快晴。お約束のカヌーツアー・・・・しかし、河に行かず、山の中へ。安藤さんと、ネイチャーガイド研修生ケンちゃんが、30キロのカヌーを担いで、森の奥へと向かいます。立て看板には「ヒグマ出没注意」。道なき道を抜けて到着したのは阿寒国立公園内「ひょうたん沼」。

辺り一帯を支配する静寂。滑るように湖面を移動するカヌーのパドルの音だけが聞えます。東山魁夷の作品のような森の風景。大きな自然に抱かれている心地よさとはこんな情景のことなのだと思いました。

安藤さんはまたギターリストでもあり、音楽好き仲間として、会えば話が盛り上がる関係で、その夜はヒッコリーウインドに、ギタリストの藤本裕治さんが駆けつけ、突然のライブ。素敵なブルースで夜が更けていきました。

翌日は、釧路の西北、白糠町で義弟がやっている茶路めん羊牧場で、牧場が運営するレストラ「クオーレ」に行き、羊肉を使った料理を楽しみました。「クオーレ」は昨秋開店し、地元の若いシェフが、美味しい料理を出すという評判をもらっていて、今回の旅の目的の一つでした。メインディッシュの「仔羊のロースト 季節の野菜添え」(写真右)は絶品。暮れてゆく牧場風景を遠くに見ながら数日のバカンスは終了となりました。

 

★なお、毎年当店で開催している安藤誠「安藤塾」は10月末を予定しています。正式な日時が決まりましたら、お知らせします。今年もまた美しい写真と共に、楽しい話が聞けると思いますよ。