写真家のかくたみほさんの新刊「MOIMOIそばにいる」(求龍堂2484円)が入荷しました。彼女には、当店のギャラリーで、二度個展をしていただきました。

2006年、初めてフィンランドを訪れたかくたさんは、この国の魅力にハマり、その後十数回も渡航を重ねます。

「自然の恵みを活用して循環できている中に、生きる人と動物の知恵があり美しいのです。日本のように自然信仰がベースにある考え方は居心地良くて、みんなが仕事より暮すことに重きのある生活を送っていることにも惹かれました。」と、書かれています。

当店での写真展で在廊中に、我が家の愛犬マロンを撮影していただきました。ちょうど2015年度のカレンダーの仕事で、犬をたくさん撮影していらした時で、なんとマロンは、表紙になりました。(その時の飼主のバカ喜びぶりは以前ブログに書きました。)

犬の写真には定評のある彼女なので、この写真集でも、フィンランドの優しい自然の中で、のんびり暮す犬たちが撮影されています。犬ぞりで冬の大地を駆け抜ける作品は、おそろしく寒いだろうけど、たまらなく魅力的な夜明けが撮影されています。

「犬ゾリで凍った湖の上を走る。am10:00明るくなり始めた美しい空。太陽が低いのでピンクとブルーのファンタジーな色が数時間続くのが日本の空とは違う。私が冬に魅せられた色だ。」疾走する犬ゾリの前方にうっすらとピンク色で輝く地平線が美しい。

犬ぞり最後尾を走る、しっかり者の犬が、ちゃんと付いて来てる?と振り返ってチェックする様を捉えたユーモアたっぷりの作品などを見ていると、かくたさんと、この犬の間に伝わるものが感じられます。

サンタクロースが住んでいるとされているラップランド。スウェーデン、ノルウェイ、フィンランド、ロシアの4カ国にまたがっている広大な場所は、原住民のサーミ人が暮らしています。かくたさんは、ここを訪れて、トナカイと暮す人達もファインダーに収めています。湖に佇むトナカイを見ていると、サンタさんが住んでいても不思議ではないと思いました。

サーミの華やかな民族衣装に身を固めた人物が、飼っているトナカイと一緒に収まっている写真が最後を飾っています。暖炉にあたりながら、魅力的な神話を語ってもらえそうです。

彼女の前作「キラリキラリ」(パイインターナショナル)も置いていますので、こちらもぜひご覧下さい。

◉写真集発売記念の個展が神戸であります。5月12日〜31日 神戸・iiba ギャラリー

 

 

ドキュメンタリー映画「白夜のタンゴ」を観てきました。

タンゴと言えば、アルゼンチンタンゴと誰しもお思いでしょうが、実はフィンランドだったという説があり、アルゼンチンタンゴの名手たちが、フィンランドに出向き、ほんとかよ?と各地を訪ね歩く姿を追いかけた80分程の小品ですが、心温まる音楽ドキュメントです。

確かに、この地にもタンゴ奏者がいて、ホールでは皆さん踊っておられます。もちろん、アルゼンチンみたいな熱狂はありませんが、とても楽しそうです。森と水の国フィンランドの広大で静かな風景にタンゴって不似合では?と思っていましたが、どうしてなかなか似合っています。多くの人の欲望渦まくアルゼンチンでも、こんなに人影が見えないファインランドでも、全く問題なしで聴けるのは、この音楽の持っている力強さと包容力の成せる技かもしれません。

ところで、映画に登場するタンゴを聴いていると、南米大陸の不思議な音楽の伝わり方に気づきました。アルゼンチンのご近所ブラジルではボサノバになり、ペルーに入るとフォークローレになり、北上してキューバに行くと、伝統音楽ソンになり、さらに北のメキシコにいくとマリアッチに変わる。もちろん、これらの音楽が形成された時期も経路もバラバラですが、それぞれのお国柄が聴こえてきそうです。一つの大陸でこんなにも様々な表現スタイルを持っているって面白い。

キューバでソンを演奏して30年のキャリアを誇るセプート・デ・ラ・トローバのサウンドを聴いていると、そのままタンゴのダンスが踊れそうなのですが、あ、これキューバだよねと思わせるものがあります。ちょっと太った女性がステップ踏みながら、フライパンで料理してそうなシーンが心に浮かぶ一方、演歌っぽい哀愁さえもあります。懐の深い音楽です(CD1400円)

さて、当ギャラリーではかくたみほさんのフィンランドの写真展を開催しておりますが、「白夜のタンゴ」にも作品そっくりの風景を見ることができます。映画を観に行かれたら、ぜひ写真も観に来て下さい。リクエストしていただければ、店にある映画サントラ「タンゴレッスン」(900円)を流しますよ。

当ギャラリーで、二度目のかくたさんの写真展、本日より開催です。

フィンランドに魅了されて、何度も通った愛情溢れる作品が並んでいます。いずれも正方形の額で30㎝のもの10数点、大きなものは75㎝角が4点。

今回特に魅了されたのは、スオメリンナ島で、雨上がりの朝、遠くに舟を望む作品です。身体も心も清らかな空気に満たされていくようです。海の青さ、水平線の彼方にわき上がる白雲、そして、青空。遠い外国の海辺なのに、しばらく見つめていると懐かしさ、郷愁の念が湧いてくるのが不思議です。部屋に飾って、一日眺めていても飽きてこないでしょう。

もくもくと湧いてくる白雲は、この島の道に咲き誇る菜の花の写真にも見ることができます。道の中程にある水たまりに、その雲と青空がかすかに映っているのが素敵な作品です。

小さな作品を、一つずつ丹念に見ていくのも楽しいですが、ちょっと遠くからまとめて眺めてみるのも面白いものです。この国の澄んだ空気感、深い緑の放つ神秘性が伝わってきて、さすがプロの写真家ならではの力作揃いです。

かくたさんの写真をノートに仕立てて、書き込めるオリジナル作品「ノートブック」の最新6号(2322円)とバックナンバー、前回好評で売り切れた気球のポストカード(250円)、写真集「キラリキラリ」(1620円)等のグッズに加えて、やはり彼女の作品を使ったピクチャー付箋(作品は6種類あります367円)も販売しています。

また、かくたさんが撮影した犬カレンダーや、スケジュールノートも少しですが販売します。このカレンダーは、前にブログで書いた事があるのですが、うちの愛犬マロンも載っています。

先ずは作品の前で、フィンランドの自然の香りを思い切り吸い込んで下さい。

かくたみほ個展 1月20日〜2月1日(日)まで(26日は定休日)

台風一過、レティシア書房のギャラリーに、緑の清々しい風が吹いているような心持ち・・・・。写真家かくたみほさんが、フィンランドで撮影した作品を集めた「ダンスの話をつづけてよ」本日より開催です。

「ムーミン」産みの親トーベ・ヤンソンが、暮らしていた地を訪ねた作品が並べられています。DMにも使われている作品は、ぜひゆっくりご覧下さい。一見何の変哲もない森の写真ですが、その森の奥から楽しい音が聞こえてきそうです。宮沢賢治にそんな小説がありましたが、正にそういう感じですね。

奥の壁には、約50㎝四方の大きな作品が三点並び、開放的な空気を漂わせてくれます。季節は初夏なんでしょうか?それとも秋?「ときには、木々の光りを浴びて、言葉を深呼吸することが必要だ」とは詩人、長田弘の言葉ですが、作品の持っている澄み切った情感に接したら、写真の奥に潜んでいる言葉を吸い込むことができるかもしれません。

店の一番奥には、石の置かれた室内の写真が8点。ヤンソンの「私は石を愛す」という言葉にもあるように、フィンランドの人は石を飾る事が好きだとか。何気なく自然の一部が明るい部屋の中に取り込まれて、ふわっと和みます。

 

会期中、かくたさんの写真集「あふるる」、「NOTE BOOK」、カードなど並べています。この機会に手に取ってみてください。レティシア書房開店直後から、彼女の写真集は販売してきましたが、「いつか写真展を!」という願いが叶いました。また一つ新しい出会いです。

 

Tagged with: