サウンドトラックのアナログレコードを、何点か入荷しました。聴いてもよし、飾ってもよし、というものをご紹介します。

リバイバル上映が決定した「危険な関係」(輸入盤4000円)。60年代の上流階級の退廃的な世界を描いた作品で、ジェラール・フィリップとジャンヌ・モローの、大人の雰囲気にしびれます。ふんだんにモダンジャズを使用していて、ジャケットデザインもスタイリッシュ。ドラムの御大、アート・ブレイキーの横顔の後ろにうっすら浮か上がるフィリップとモローの姿。ジャズと煙草とクールな恋の雰囲気が匂い立つようで、映画のポスターより、こちらの方が私は好きです。

もうひとつフランス映画、ミシェル・ルグランのゴージャスでジャズ感覚に溢れた傑作ミュージカル「ロシュフォールの恋人たち」(輸入盤2LP/8000円)。昨年、監督のジャック・ドミー追悼映画祭で、上映されていました。ドミー&ルグランコンビでは、「シェルブールの雨傘」が人気ですが、ミュージカルの楽しさを十分に味わえるのは断然「ロシュフォールの恋人たち」でしょう。主演の二人、カトリーヌ・ドヌーブ、フランソワーズ・ドルレアックの掛け合いは、フランスのエスプリ一杯です。一日を楽しく過ごすには、先ずこの音楽から(個人的な趣味ですが)。ジャケットを眺めているだけでも楽しい。

3枚目は、映画史上最も年齢の若い二人で演じられた「ロミオとジュリエット」(日本版500円)。レナード・ホワイティングとオリビア・ハッシーの演じる悲恋物語にうっとりされた方も多いと思います。表ジャケットは、オリジナルポスターをそのまま使用しています。二人の見つめ合う表情が初々しい。音楽は、巨匠ニーノ・ロータ。サントラには、一部、劇中の二人のセリフも収録されています。

最後にご紹介するのは、「男と女」のその後を描いた「男と女II」(輸入盤3500円)です。こちらもジャケットデザインがいいです。前作「男と女」で主演を演じた時と、十数年後の二人の横顔をレイアウトしてあります。恋に落ちた若き日の二人と、中年に差し掛かった二人。3枚の写真に時の流れを感じます。

レコードプレイヤーのない方にも、アート作品としてお部屋に飾ってほしいジャケットです。

店内で「危険な関係」のレコードを鳴らしていた時、来店された美しい方がこちら(→)です。ジャンヌ・モローのファンかもしれませんね。

 

 

ミュージカル映画との出逢い…….。「サウンド・オブ・ミュージック」「マイ・フェアレディ」「ウエストサイド物語」等が最初の体験でした。どれも名作と呼ばれていても、私には全然面白くありませんでした。突然朗々とした声で歌い出されると、もう、堪忍してぇなぁ〜という気分でした。

しかし、50年代前後のアメリカMGMミュージカルの名場面を集めた「ザッツ・エンターテイメント」を観るに及んで、踊って歌うってこんなに人を幸せにするんだ!!と、打って変わって病み付きになってしまいました。

そして、フランス映画「ロシュフォールの恋人たち」が決定打となりました。何度DVDで見直した事でしょう。すれ違いのメロドラマを、こんなに粋に、ロマンチックに、洒落た感覚で映画にした監督ジャック・ドゥミ=音楽ミシェル・ルグランのコンビに脱帽しっぱなしです。

「ロシュフォールの恋人たち」公開50年を記念して、丸ごと一冊この映画を中心にしてドゥミ作品、ルグランの音楽のことを解説した本「シネマ・アシャンテ」(立東舎1800円)が出版されています。映画評論家山田宏一によるドゥミ監督、ルグランへのインタビューが満載です。なんと350点にも及ぶ図版が掲載されていて、本編を知らなくても、ウキウキ楽しい気分になります。

なにより、主演したカトリーヌ・ドヌーブとフランソワーズ・ドルレアック(ドヌーブの姉)が美しい。フランスのべっぴんさん姉妹です。ドヌーブはジャック・ドゥミ=ミシェル・ルグランコンビによる「シェルブールの雨傘」に主演していますが、「ロシュフォールの恋人たち」が最高です。

本の後半には、映画のポスター、レコード、チラシ等が数多く収録されています。公開された国が違えば、ポスターのデザインは結構違っていて面白い。とにかく、楽しい一冊です。

店にはリマスター完全盤「ロシュフォールの恋人たち」(2CD2600円)もあります。ルグランの華やかな音楽が楽しめます。

また、ドゥミ作品のロケ地を訪ね歩く「パリから向かうフランス映画の港町」(リヴル・アンシャンテ 1400円)というガイドもあります。

(※「パリから向かうフランス映画の港町」売切れました。)

 

★お知らせ  

京都シネマで「ジャック・ドゥミ×ミシェル・ルグラン特集シネマ・アンシャンテ」と題して、「ロシュフォールの恋人たち」が11月25日(土)、30日(木)は12:25から、12月3日(日)、6日(水)は10:00からそれぞれ上映されます。ぜひ!