北海道発の京都紹介新聞「その界隈(北海道と京都と)」の10号発売記念として、「僕らの界隈展」が本日から始まりました。新聞の中から印象的な言葉が、大きくプリントアウトされて壁一面に張り出されて、なんかむちゃくちゃテンション上がります!もちろん新聞のバックナンバーは1〜10号までずらりと並びました。京都好きの北海道のお二人が「北海道と京都」について書いた、実に中身が充実した新聞紙形態のミニプレスです。京都に住んでいると見逃してしまうような面白い切り口と素敵な写真が満載で、オススメです。

今回の展示では、北海道津別町在住のアーティスト大西重成さんの「トッタン画」(トタンのコラージュ作品/33000円〜)と靴の木型のオブジェ(大16000円/小8000円)、札幌在住の写真家酒井広司さんの風景写真、京都からは「今宵堂」さんの可愛い酒器が並びました。

大西重成さんは、坂本龍一のレコードジャケットを手がけたデザイナーとしてご存知の方もいらっしゃると思いますが、モスバーガーが出していた「モスモス」というフリーペーパーの表紙担当をしておられました。伝説となった「モスモス」も今回販売されていますので、お見逃しなく。(1600円)

酒井広司さんの写真は、「その界隈」に毎号掲載されていて、いつも美しいなぁと思っていました。ミニ写真集「北海道の旅」(1200円)、ポストカードセット(800円)など販売しております。

「今宵堂」さんの酒器は2016年1月に「樽」という酒の雑誌展を開催した時、出展していただきました。ゆらゆら揺れるなんともほろ酔い気分のおちょこ(1296円)は、舞妓さんの風情でかんざしを付けて可愛い。おなじみの「成駒箸置」(540円)は裏面は皆「素面」と書かれていて、表面は「底無」だの「笑上戸」だの様々な言葉が書かれています。それぞれの酔った加減でお楽しみください。他にも「座興賽」(540円)泥酔お守り「酔ワン」(540円)なども。

京都は折しも祇園祭の真っ最中。北海道から来られた方々も、みなさん昨夜は宵山見物でいいお酒だったとか。このタイミングで北海道と京都の展覧会を開催できることは嬉しいです。暑い毎日ですが、お祭り見物の合間にお立ち寄りいただければ幸いです。なかなか見ごたえありますよ。ところで、大西さんの二つ並んだ木型のオブジェのあんまり可愛いので、結婚のお祝いにピッタリと思ったのですが、誰か結婚する人いないかな?(女房)

「僕らの界隈展」は7月16日(火)〜28日(日)月曜定休日 

  12:00〜20:00(最終日は18:00まで )

 

 

★恒例『レティシア書房夏古本市』は8月7日(水)〜18日(日)開催します。

 

「ideal life」は、2017年秋から、「植物はたのしい。」をテーマにしたミニプレスです。縦13cm横18cmの小さな本ですが、中身はぎっしり。快適に植物と暮らす企画を、毎回毎回編集しています。今月から、この雑誌の創刊号〜最新7号まで揃えました。

毎回「植物にまつわる本」というコーナーで、様々な本が紹介されています。私は、まずこれを全号読みました。各号のテーマに沿って、ムナーリの「木をかこう」、柳宗民の「柳宗民の雑草ノオト」等の王道を行く本もあれば、S・カニンガム「願いを叶える魔法のハーブ辞典」、森乃おと「草の辞典 野の花・道の草」といった実用書もの、さらにはリベラ著「月と農業ー中南米農民の有機農法と暮らしの技術」、白幡洋三郎著「花見と桜ー”日本的なるもの”再考」みたいな人文、社会学系の本まで網羅されています。当店でも販売している「種子のデザイン」(LIXIL出版)、「ENCYLOPEDIA OF FLOWSERS 2植物図鑑」(青幻舎)といったデザイン系まで押さえてあります。

和菓子好きには、「植物の和菓子」というコーナーが常設せれていて、クリ、アサガオ、アジサイ、キク、サクラという植物をイメージしたお菓子が紹介されています。「さくら」を特集した3号では、桜餅の解説があり、上方風「道明寺桜餅」江戸風「長命寺桜餅」が押さえてあります。

各号の特集はこんな感じです。

1号「イチョウ」、 3号「さくら」、4号「植物はおいしい」、5号「みちくさ」、7号は「あじさい」です。え?2号、6号はどうなってるの?と、ここが面白いのです。

先ず2号ですが「脱線2号」と裏表紙に書いてあり、ペラペラの冊子で、書いてあるのはシュトレンというケーキの特集です。後書きに曰く「主役は活版印刷のポストカード。この紙はおまけです」ーもちろんシュトレンが描かれています。6号は、「コタツ園芸のススメ」の特集で、やはりペラペラ。これ、園芸や植物に関する本を、コタツに入って読みふけり、机上妄想園芸を楽しむやり方です。この号は「りんご特別号」というもう一つの特集があり、りんごの冊子が付いていて、りんごの植物学、民俗史の情報が大盛りで読めます。りんごのバッチも付いています。(写真右)

この雑誌を主催する、いとうやすこさんは、 WEB系のお仕事を長年されている一方で、髪の雑誌を作ったことについて、HPでこう述べておられます

「長らくWebの仕事をしているのに、いや、しているからなのか、雑誌世代のわたしは「紙媒体」に強いあこがれがずっとあったようです。それがリトルプレス発行へとだんだんつながっていきました。植物の本に触れることで、本に触れてページをめくることがますます好きになったこともあるのかもしれません。自分でも、いつのまにか作りはじめていた、という印象を持っています。」

本好きのための「植物のミニプレス」というスタンスです。価格は1号、3号、4号、5号。7号は540円、脱線2号は324円、6号は648円です。一度手に取って、その楽しさを感じてください。

 

 

 

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手差ユニッツによるコミック「素晴らしき七番地」と、コミックの各章のタイトルに合わせた音楽を演奏するザ・ロスト・クラブのCDがカップリングされたミニプレスを、入荷しました。(ミニプレス1080円)

コミックの方は、何ということのない日常をすくい上げた脱力系。日常生活のありふれた一瞬を浮き上がらせる中に、これは上手い!と思わせる作品をいくつか見つけました。

Tシャツを着た青年が電車に乗ります。するとどこからか飛んできたトンボが、すっと青年のシャツに止まります。その様子を見ていた年配の女性が隣の乗客に「トンボですよ。じっとして 羽が好きとおってキレイです。」語りかけられた人が「それは、もう秋の話題だね」と答えると、トンボは青年のシャツを離れて飛んでいきます。6コマのたったそれだけのものなのですが、女性が語りかけた隣の人は、視覚障害者なのです。挽夏の昼過ぎの空気感と、秋の予感を切り取ったセンス、優しさが漂います。

 

あるいは、花火大会に行こうと思っていたカップルが、電車延着で間に合いそうにない状況になります。花火の音が聞こえてくる中、せっかくもらった花火大会の「指定席」が無駄になると電車を降りて、ふと見上げるとホームの向こうに打ち上げ花火が上がっているのが見えて、「自由席!」と二人は笑い合います。ほのぼの…..。

このコミックについている音楽も素敵でした。80年代の英国アコーステイックサウンドの切なさや、日本のシティーミュージック創成期の品の良さを、自分たちのモノにした音楽です。全7曲。自宅や車内でエンドレスに流しても邪魔になりません。

もう一冊、ほのぼのと笑わせてくれるのが、鶴谷香央理の「メタモルフォーゼの縁側1巻」(角川書店500円)です。75歳のおばあちゃんが立ち寄った書店で、手にした一冊の本。なんと、それはボーイズラブの漫画だったのです。このおばあちゃんと、書店で働くボーイズラブ大好きの女子高校生との交流を暖かく見つめていきます。一人暮らしのおばあちゃんと、周りのキャピキャピした環境に馴染めない高校生が、ボーイズラブの漫画を接点にして、新しい毎日を生きてゆくというのが物語の骨格になっています。マニアックな世界に閉ざされていたボーイズラブを、こんな風に何の衒いもなく出してきたセンスの良さに驚かされました。(現在3巻まで単行本化されています)

 

 

 

トーク&ライブのお知らせ  

7月13日(土)18時30分より 『澤口たまみ(語り)石澤由男(ベース)ライブ』

今年1月、当店で行われた「宮沢賢治愛のうた」(澤口たまみ著)出版記念イベントのお二人のトーク&ライブが再びやってきます。澤口たまみがさんが岩手のイントネーションで賢治作品を朗読。ベーシスト石澤由男が伴奏を添えます。 朗読作品は、岩手の自然を見つめ、野原や林からおはなしを貰ってきたという「鹿おどりのはじまり」他を予定。

●18時受付開始  18時30分より (2000円)ご予約ください。

 

小幡明(Obata Mei)さんは、2010年から手描きの「Papel Soluna」という新聞型ミニプレスを発行しています。レティシア書房でも人気の冊子です。世界を一人で旅して、そこで出会った人々、食べ物、風景、歴史、建物などが、絵と文で綴られていて、上手いな〜といつも思っていました。本人が好奇心いっぱい元気一杯で、初めてのことを楽しみながら描いているので、読む方も楽しい。

今回その原画が展示されています。ペンで輪郭を描き、色鉛筆で着色してありますが、細かい味のある線に改めて魅了されました。ミニプレスやグッズをあまりに上手に作られるので、そちらに目が奪われますが、彼女は素晴らしい絵描きさんだとつくづく思いました。お話を聞いてみると、大学で銅版画を専攻していたそうです。

そして「Papel Soluna」(330円)の全ナンバーがずらりと並びました。これまた壮観です。一つ一つに面白い体験が詰まっています。「Papel Soluna」ファンの方も、彼女の絵をご存知ない方も、ぜひご覧いただきたいと思います。最新号もご用意しております。ところで、「Papel Soluna」というのはどういう意味だと思います?Papelはスペイン語で紙。 SolunaのSolは太陽を意味し、lunaは月のこと。小幡さんの名前「明」を分解すると、なんと太陽と月。いわば小幡さんが楽しんで描くペーパーというわけです。

旅先から小幡さんがご両親に出したハガキ(写真右)も楽しいです。元気に旅している証拠に行く先々からスケッチを送られているのですが、表に貼ってある各国の切手も美しい。こんなハガキが外国から届いたら嬉しいでしょうね。彼女の作るミニプレスの原点のような気もします。

この展覧会では、手作りの陶器のブローチ(3780円〜)、手ぬぐい(1750円)、ミニノート(400円)、すごろくセット(2330円)、ポストカード(220円)の他に、台湾で仕入れたバッグや封筒など可愛いグッズを販売しています。「Papel Soluna」の雰囲気そのまま丸ごと展示したようなウキウキ感いっぱいの『世界ひとめぐり旅路録』をどうぞお楽しみください。

なお、展覧会中に旅のトークイベントを下記の通り予定しております。興味のある方どうぞお越しください。(女房)

★イベントのお知らせ

「世界ひとめぐり旅路録」展開催中の小幡明さんが、14日(金)19時半より、FMひらかたパーソナリティー久保有美さんと一緒に「小幡明の旅の話アレコレ」と題したトークショーを当店にて開催します。(参加費1000円/要予約)

 

 

 

「なnD7」(972円)は、「なんとなく、クリティック」、「nu」、「DU 」の編集者三人が集まって作ったミニプレスです。それぞれの雑誌の頭文字を取って作った雑誌です。最後の「7」は7号の意味です。

本好き、ギャラリー好き、音楽好きには刺激的な記事、インタビューが満載です。最近話題のケイト・ザンプレス著「ヒロインズ」を翻訳して、自らが主宰する翻訳・出版プロジェクトC.I.P.Booksから出版した西山敦子さんの元へ、近代ナリコさんがインタビューにゆく記事が巻頭にあります。

近代さんはこの本を、文学の本質、作家という職業の意味、ジェンダーなど、多くの問題を詰め込みながら、「書くことから疎外された女の人たちの歴史を追っている評伝でもある。しかも、そのスタイルを壊すような評論家という客観的な立場から対象化して何かを評論する方法も、ひっくり返して書いていますよね」と評価しています。ザンプレスと一歳違いの翻訳者の西山さんと、熱っぽい対談が始まります。

暫くページをめくっていると、夏葉社代表島田潤一郎さんが登場。島田さんは、夏葉社としての出版活動とは別にインディーズレーベル「岬書店」を立ち上げ、その第1作として本人が執筆した「90年代の若者たち」(1404円)を刊行しました。なぜ、インディーズレーベルを立ち上げたのかを語っています。インタビューの場所が、書店「title」さんに納品にゆく道すがらというのが島田さんらしくていい感じです。「綺麗な本を作る、美しい出版社」という夏葉社のイメージに対して、島田さんは「くすぐったいところはあるんですよ」と話し始め、こう続けます。

「綺麗な装丁の美しい本って、洗練されているようで非常に保守的だし、排他的なんです。綺麗な本作りって、雑味のようなものをどんどん省いていけばできるし、そんなに難しいものではなくて、少なくとも僕以外の人でもできる仕事で、そこにあまり未来はない」

だから自由な雰囲気で表現できる場として、岬書店を立ち上げたということです。私は90年代の若者ではありませんが、この本は面白かった。以前ブログで紹介しましたので、ぜひお読みください。

さらに読み進めてゆくと、神戸元町の古書店「1003」のオーナー奥村千織さんが登場します。元司書の彼女が、何故、古書店を立ち上げようとした のか、その後押しをしたのが岡本太郎の著書「自分の中に毒を持て」だったことなど、興味あるお話ばかりです。こんな風に、様々な場所でユニークなコンセプトでお店を始めた人たちの話が満載です。文庫サイズなので、持ち運びも便利ですよ。

★イベントのお知らせ

6月5日(水)より「世界ひとめぐり旅路録」展をされる小幡明さんが、14日(金)19時半より、FMひらかたパーソナリティー久保有美さんと一緒に「小幡明の旅の話アレコレ」と題したトークショーを当店にて開催します。(参加費1000円/要予約

 

連休のお知ら

 

6月3日(月))4日(火)連休いたします 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19世紀末イギリスの裕福な家庭に生まれて、文化人に囲まれて育ち、20代後半から作家活動を始め、新しい文学の旗手となって活躍し、59歳で自殺したヴァージニア・ウルフ。彼女の魅力を丸ごと一冊にまとめたミニプレスが入荷しました。タイトルがすごい!「かわいいウルフ」(1944円)ですよ!ヴァージニア・ウルフも「かわいい」で括られるか。研究者なら卒倒しそうなタイトルですが、これ、やわな内容ではありません。面白い!!

この本を企画した小澤みゆきさんは「ヴァージニア・ウルフは、かわいい」と宣言します。

ウルフの小説は、人の意識の揺らめきを流れるようにして描く作家です。また、動植物や、町の風景を執拗なまでに描きこみます。その描写力を小澤さんは、こう語ります。

「人物の言動や意識が実にチャーミングで、人間臭く、茶目っ気にあふれているかがわかります。シリアスさと同じくらい、ユーモアを大切にしていた作家が、ヴァージニア・ウルフなのです。そのシリアスとユーモアを行き来する様子を、私は<かわいい>と形容したいと思います。」

小澤さんは、さらに長編小説の<かわいい>を四つのきり口に分けています。それは、「おままごと」「異世界転生」「かくれんぼ」「演劇」です。そして、ここからウルフの長編小説に切り込んでいきます。ウルフ作品で、最もポピュラーな「ダロウェイ夫人」を「おままごとするウルフ」へ。また、最もポップで針が振り切れて、行き着くとこまで行っちゃった「オーランドー」を「魔界転生<生/性>ラノベ作家」とした小論など、そうくるかと感心しまくりです。

海外文学好きには外せないのが「ヴァージニア・ウルフ短編集」(ちくま文庫/古書950円)を翻訳した西崎憲へのインタビューです。この短編集に入っている、たった2ページの「青と緑」は、散文詩みたいな作品ですが、これ原本を横に音読したらきっといいと思います。

小澤さんは、ウルフの小説紹介だけでなく、「灯台へ」に登場する「牛肉の赤ワイン煮込み」を調理してレポートしています。さらに、ロンドン郊外のキュー王立植物園を舞台にした作品”Kew Garden”を翻訳し、深い理解力の一端を披露してくれます。この小説の冒頭は、極めてウルフらしい滑り出しです。

後半のウルフを巡る映画の話も、オタク的感性爆発で面白く読みました。ところで、昨年観た傑作「ア・ゴースト・ストーリー」が、ウルフの短編をモチーフにしていたとは知りませんでした。

ウルフファンだけでなく、小説大好きの方にオススメの一冊です。

 

★イベントのお知らせ

6月5日(水)より「世界ひとめぐり旅路録」展をされる小幡明さんが、14日(金)19時半より、FMひらかたパーソナリティー久保有美さんと一緒に「小幡明の旅の話アレコレ」と題したトークショーを当店にて開催します。(参加費1000円/要予約)


「『棲む』ところを少しでも快適に自分らしく素敵にしたいと思っているあなたに。よりよく暮らすための、よりよく生きるための『衣、食、住』の提案をしてゆきます」

というコンセプトで、2009年秋創刊された「棲」(すみか)が、15号を持って廃刊します。10年間で15冊を発行し、自分にとって本当に価値のある暮らしって何?を、様々な角度から追い求めてきた雑誌でした。今でこそ、大きな書店の女性誌のコーナーに行けば、異口同音の”素敵な暮らし”の本が並んでいます。そのほとんどが、おしゃれであっても商品の羅列に終わっているもののような気がします。どこからも住んでいる人の匂いが漂ってこない雑誌が多いようです。

しかし、「棲」には、そこで暮らす人々の思いが溢れています。最終15号の特集は「リノベーションからはじまる。」です。「還暦リノベーション」という興味深いタイトルの記事を見つけました。賃貸でありながら、リノベーションができるマンションに引っ越した主人のリノベ顛末記です。マンションの住人たちと協力しながら、新居が出来上がりました。

「ここが『終の棲家』になるかどうかは、まだわからない。でも、母を実家で看取った経験から、たとえば終末期をここで迎えたとしても、いろんな人の手を借りながら住み続けられるような気がしている。大きな介護用ベットだって悠々置けるし、車いすを乗り回せる余裕もある。寝たきりになったとしても、南の窓近くに置いたベッドから空が見える。まあ、先のことはともかく、料理をつくったり、掃除をしたり、ベッドを整えたり、花を飾ったり、そんな毎日のことが今は楽しい。」

この雑誌には、TVや女性誌で紹介されるグレードの高いおしゃれな住まいこそ最高、という考えはありません。日々、どうやって機嫌よく暮らしてゆくか、そのためにどう暮らすべきかという思想が(もちろん、難しくなく)、毎号、毎号語られていきます。

当店でこの雑誌を扱い始めたのは、比較的最近でしたが、毎号全て完売でした。14号「家をつくる、という冒険」で登場する、馬と暮らす女性のことはブログでご紹介しました。改めて創刊号から揃えてみると、どの号もご紹介したくなます。創刊号から、9号までは515円、それ以降は972円という買いやすい価格です。すでに9号「本があるから」は、売れています。

そして、毎号連載されている「こんなとき、こんな音楽」で取り上げられる音楽は、パーフェクトに素晴らしい。うちのCD仕入れをお願いしたい!と思うほどです。マニアックな音楽の紹介ではなく、あくまでこの本の「日々好日」的ラインナップです。岐阜のカフェ「ミル」店主のセレクトですが、このカフェにも行ってみたくなります。脱帽のCD紹介ですよ。

 

レティシア書房はゴールデンウイーク中も通常営業しております。(4月29日は定休日)

 5月6日(月)〜8日(水)は連休いたします。

 

ようわからんタイトル、正確には「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する1 まだ歩き出さない」です。歩くのか、歩かんのかどっちやねん、と関西弁でツッコミたくなります。出版しているのは「代わりに読む人」。著者は友田とんさん。縦長のガイドブック風で756円。

「東京の町のガイドブックを頼り、目的地を決めてしまったら、おそらくそこへの最短な経路を歩いてしまうだろう。」だから、「代わりに私はパリのガイドブックを握りしめる。東京を歩くために、パリのガイドブックをこれほど熟読した人間はいないという確信がある。その時、何が起こるのだろうか? 試してみようと思う」

というのが、趣向です。へそ曲がりと言えばそれまでですが、案外面白いのです、この本。

この著者には、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」をタイトルに入れた「『百年の孤独』を代わりに読む」という本があります。「リュックに『『百年の孤独』を代わりに読む』の在庫とパリのガイドブックを詰めて、私は都内を歩き回った。」から、スタートします。

荻窪にある書店Titleに向かい、ここに本を置いてもらえることになります。ここから、店主の辻山さんとのやり取りや、自著が売れてゆく様が描かれていきます。著者は、この書店のカフェで出されているフレンチトーストの匂いに惹きつけられて、何度も通うのですが、ご縁がなく、いつも売切れ。やっと食べることが出来るまでが描かれていて、それがなんか微笑ましく面白いのです。フレンチトーストの写真を見ると、確かに美味しそうです。Titleさんに行ったら、私も注文してみよう。

「何度来ても食べられないという展開がコントのようですねと言うと、辻山さんが『カフカの『城』のようでもありますね』とおっしゃった。カフカの『城』で主人公の測量士Kは結局、城に行ったのだろうか。『城」とフレンチトースト。私はフレンチトーストにいつかありつけるのだろうか」といった風に綴られます。

ところで、これがパリのガイドブックとどう関係するのか?

「Kが城にたどり着けないように、私はフレンチトーストにたどり着けず、またどうやったらパリのガイドブックで東京の町を歩けるのかわからない」

東京の町とパリのガイドブックという異質のものを結びつけようとする、ある種文学的試みが面白くて、一気に読んでしまいました。最終章は「ポストフレンチトースト」です。ガイドブックを深く読み込むことで、異次元の東京が飛び出すかもしれない、という無茶な試みですが、書名に「1」と入っている以上、続くみたいです、早く読みたい!ちなみに著者は京都出身(関西人やん!)です。

 

 

★勝手ながら、4月22(月)23日(火)連休いたします。よろしくお願いします。なお、ゴールデンウィーク中は通常通り営業いたします。(店主)

一人で、或いは仲間と一緒にミニプレスを発行してる女性が多くなってきました。京都なら「気になる京都」の太貫まひろさん、「台湾手帳」の田中六花さん、「APIED」の金城静穂さん、大阪なら「ほんと本屋と私の話」の宮井京子さん、岡山なら「おきらく書店員のまいにち」のいまがわゆいさん、東京の「1/f」(エフブンノイチ)の長尾契子さん。まだまだおられます。

その中で、様々な切り口で読者を増やしている「1/f」」のバックナンバーフェアを始めました。(6月中旬まで)

2015年に創刊し、7号まで発行されています。「ここちよい、ヒト、モノ、ストーリー探し求めるリトルマガジン」を標榜し、毎回「おやつ」「夜の時間」「ひとりの時間」「旅」などをテーマにしています。当店では、創刊号から取り扱っていて、創刊号の「草餅の作り方教えてください」という特集で、あっという間に完売しました。2号「光とくらし」、3号「祝いと食事」、4号「乙女の遊び」、5号「眠れない夜」、6号「一人の時間」、7号「手にひらサイズの旅」と、毎回違った特集で読者を楽しませてくれます。

毎回本が取り上げられている、ミニ特集のセレクションが渋い! 創刊号では、シャーロット・ブロンテの「ヴィレット」を取り上げ、その中に登場するシードケーキをテーマに語っていきます。5号では、タブッキの「インド夜想曲」が、眠れない夜にぴったりと取り上げられています。主人公ロショニルがインド各地を巡ってゆく物語で、イラストの地図を駆使して、この物語の世界が解き明かされています。6号では、「ひとり時間を過ごす女性たち」というテーマで、ブロンテ、林芙美子、アン・モロウ・リンドバーグ、オーバル・ウィットリーがピックアップされました。本好きには見逃せないものばかりですが、3号の「作品から見る『祝いと食卓』のかたち」で取り上げられた「バベットの晩餐会」を、特に面白く読みました。

今回のフェアでは、創刊号から最新号までに加えて、発行者の長尾さんが描いたイラストを元にしたポストカードセットも販売しています。創刊号から3号までは在庫僅少ですので、まだお持ちでない方はお早めに。(京都では当店とホホホ座浄土寺店のみの取り扱いです)

ところで、こんな本が手元に届きました。「かわいいウルフ」です。英国の作家ヴァージニア・ウルフをいろんな角度から読み込んだ文芸誌です。このタイトル、厳格な英国文学研究者なら、卒倒しそうなタイトルですが、中々奥深い内容です。発行人は、神奈川在住の小澤みゆきさん。また新しいミニプレスが登場しましたが、当店でも販売開始します。発売は5月上旬です。(ご予約受付中)

★勝手ながら、4月22(月)23日(火)連休いたします。よろしくお願いします。なお、ゴールデンウィーク中は通常通り営業いたします。(店主)

 

古本屋巡りの好きな方なら、いつも楽しみにされている「本と本屋とわたしの話」最新15号(250円)が入りました。数十ページの薄い冊子ですが、本好きには応えられない内容です。

神戸六甲にあった「宇仁菅書店」に通いつめた戸田勝久さんが、この店の思い出を書いた「消えた古書店2ー神戸宇仁菅書店」。店内はグレングールドの「バッハのゴールドベルグ」が始終流れて、「店の中は宇宙で、書物が星座を描くように分類の枠を超え、『宇仁菅センス』に依って、『星』が丁寧に配置されていた。客は謎解きをするようにあちこちに散りばめられた星を巡って本を買い、また棚に並んだ本を見ながら宇仁菅さんが仕込んだ連想ゲームに引き込まれて行った。」

これは、本屋のあるべき姿でしょう。個性的な小さな書店は、日々、ああだこうだと考えながら棚を作っているものです。ここではおそらくお得意様だけだと思いますが、美味しい珈琲が楽しめたらしい。しかし2012年、店主が亡くなり閉店されたのだそうです。

「このように濃密に通う古書店と出会う事は無いだろう。私の人生の後半に良い店と出会えて幸せな『書店人生』だと思える六十五歳のこの春だ」と書かれています。

南房総市千倉発の「0470」(無料)の最新50号は、安西水丸の特集です!幼い頃、この地に住んでいた安西の足跡を辿っていきます。そういえば93年に出版された「荒れた海辺」は、安西の幼少の思い出が詰まった名著で、この本に登場する様々な場所が写真入りで紹介されています。

「昇(安西水丸の本名は渡辺昇)とは同級生で小学校、中学校と一緒でした。昇は小さな頃にお母さんと千倉へ引っ越してきたんです。」とは幼馴染みの山本初治さん。彼が安西の少年時代を語ります。これは、レアな企画ですね。また、「水丸さんを感じる」というページでは、南房総で彼の作品世界を感じる場所が写真と文章で取り上げらてれいます。南房千倉大橋には、安西のタイル画がはめ込まれていて、ファンなら一度は行ってみたい場所です。フリーペーパーなので、お早めにどうぞ(後10部程です)

 

 

 

最後に個展の情報です。詩とクロッキーとマンガをセットにした作品集「中庭」、「痙攣」(各324円)を出している古井フラさんが、奈良大和郡山(京都から近鉄で1時間)にある素敵な古書店「とほん」で、5月10日から29日まで「トリミング展クロッキーと詩」展をされます。古井さんのクロッキーは、上手いなぁ〜と思っていて、いつか当店でも個展をお願いしようかと思っていました。GWが終わった後の奈良なら散策にも最適です。