なんや、ややこしい横文字使いやがって、と思われた方がおられるかもしれませんが、「都会からはじまる新しい生き方のデザインURBAN PERMA-CULTURE GUIDE」(mmbooks1944円)って面白い一冊です。

「パーマカルチャー」とは、1970年代オーストラリアの南のタスマニアで生まれた言葉です。大学で生物を教えていたビル・モリソンと教え子デビッド・ホルムグレンが産みの親です。簡単に言えば、環境、生態系を破壊することなく、自然の恵みをもって日常の生活を営むための技術のことで、「持続可能な農的生活」という風な解釈でいいと思います。

この本を編集している、東京アーバンパーマカルチャー編集部代表ソーヤ海さんはこう表現しています

「震災を経験して、東京が抱える問題が、福島の人たちの暮しを脅かしていることに居ても立ってもいられなくなったんだ。農村でうまれたパーマカルチャーを都市で応用するアーバンパーマカルチャーで都市の問題を解決することこそ、僕の進むべき道だと思えてきた」

これは正しい。

この考え方をいかに実生活で応用していくかを、事細かに解説してあるのがこの本です。「モノカルチャー」に満ちた都会で、上を望まずほどほどに生活していくって考え方は、方々で、様々な人が発言しています。それらを体系的にまとめていくと、こうなるのかもしれません。

ベトナム戦争末期、アメリカは、西海岸はヒッピー文化とラブ&ピース思想一色でした。戦争に疲弊し、アメリカ的大量消費文化に汚染された若者たちが、立ち止まり、もう一度生きる原点に戻ろうとした姿を、すぐそばで見てきました。この本も、たくさん影響を受けているかもわかりません。

「Happiness is here and now-立ち止まることから、すべては始まる」

今の都市文化は、猛烈なスピードで、人を忙しくさせています。その結果見失っていく豊かさの意味。赤信号に出会った時、イライラするんじゃなく、呼吸を確かめてみる。そのまま呼吸に意識を向けてみてはどうかという提案は、的を得たものです。小さなことから少しずつ実践して、この星と仲良く暮して行く生き方を探るのは、至極全うなものに思えます。

「経済」という言葉しか頭にないエライさんに、ぜひ一度お読みいただきたいものですが、きっと途中でつまらん!と怒鳴って放り投げることでしょうな〜。

この本を出しているのは「マーマーマガジン」、や「冷えとり健康法」、「冷えとりとファッション」でお馴染みの「エムエムブックス」。なるほどと思わせる一冊です

 

これ、新しく入荷したミニプレスのタイトルです。

『「愛着をもって自由に選ぶ」という、門外漢(アマチュア)としての態度を、真ん中に据えたリトルプレスです。門外漢という個人だからできること、とれる態度、描ける交錯、パーソナルかつエモーショナルな放熱へと向かいます。誠実に』

と発行の意図が書かれています。

「門外漢」という言葉の持つニュアンスは、後ろ向きだと思っていました。「あっ、あの人は門外漢だから…….。」みたいな。しかし、この雑誌では逆の発想で、「どうしたら善き門外漢」になれるのかというところからスタートしていきます。エドワード・W・サイード、大江健三郎、さらに植田正治まで引っ張り出して、「善き門外漢」への道を歩もうとした編集者の、いわば自分史が語られています。

これ、いいなぁ〜。理路整然としているわけでないし、飛躍もあれば、拡散し過ぎの文章(あ、このブログみたい)もあるけれど、この本を出そうとした人間の「もがき」が見えてきて、大げさにいえば「艱難辛苦」の果てに生まれた、未完の荒々しさがあって私は好きです。

「写真を書く」というタイトルの文章を読んでいると、残暑きびしい京都の風景が撮影されています。人のいない四条烏丸の大丸前の照り返す残暑を見事に捉えています。

山田稔の短編小説「糺の森」を取り上げて、「糺の森には、得体の知れない確かな力があるんだろう。小説のなかでも、糺の森で起きたエピソードは、どこか外界と隔離されているようにかんじる。外へ出てしまえば、それらがあやふやに輪郭をなくしてしまうような。」と解説されていますが、「得体の知れない確かな力があるんだろう」とは見事な表現です。あの森には何かがあるのは間違いありません。

分かりやすいテーマで安易な方向に走るよりは、自分の掲げたテーマの難しさに怯みつつも、そっちに進むで!みたいな気合いで次号もがんばってほしい雑誌です。(950円)

 

 

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暫く前ですが「ヨレヨレ」ありますか、というお客様が来店されました。は?「ヨレヨレ?」なんのこっちゃ?? 調べてみたのですがわかりませんでした。ところが、先日ブログで紹介した幅允彦さんの「本なんて読まなくたっていいのだけれど」(売切れました)に、「ヨレヨレ」が登場するのです。

このミニプレス、九州の老人介護施設「宅老所よりあい」が出している雑誌だったのです。さらに、驚くべき事に、介護を扱った雑誌ではなかったのです。創刊号にこう書かれています。

この雑誌は、『宅老所よりあい』のことを全面的に取り扱った雑誌です。ですが、それはあまり気にしないでください。

別に何か問題を提起して連帯を呼びかけようとか、お涙頂戴の話をしようとか、そういうつもりはまったくありません(だって、そんなのつまらないでしょ)。また、介護の専門誌でもありません。

この雑誌に出てくるのは、そういうことではなく、よりあい職員が介護という仕事を通じて繰り広げているドタバタです。それはどこか滑稽で、人間くさい話です。そして全部本当に起きた話です。」

ぱらぱら読んでみて、いや、もうバカバカしい話やら、笑うしかないでしょ、みたいなコメントや、なんだこれ、脱力系サブカルマガジンか!?と思ってしまいました。大体、表紙が凄いです。創刊号が宮崎駿、2号が「タイマーズ」時代の忌野清志郎、3号が「アホの」坂田の、人を食ったイラストですから。そして、こんなキャプションが書いてあります

「ぼける前に読んでおきたい」

「よりあい」はリハビリ行為など全くなく、お年寄りが集まって、お茶をのんだり、ブラブラするだけの施設で、職員はひたすら、それに付き合うだけです。そんな施設が3カ所と、週末に素人による手づくりカフェで運営されています。確かに、小難しい話もなければ、悲観的な現場のレポートもなく、ひたすら力ますに、今を楽しみましょう、あんたもね、みたいな感じです。

創刊号には、こう書かれています。「楽しもう。もがきながら」と。なる程、この雑誌は、日々いろんな場面で苦労したり、悩んだりしている人達に、肩の力を抜かせる力を持っているのですね。

表紙を捲ると、「読書上の注意点」という編集部の文章が載っています。曰く、「滑稽な話ばかりです。でも全部本当に起きた話です。全部本当に起きた話ですが、読んでも役に立たないかもしれません。その可能性は大です。ま、そんな感じです」

いいなぁ「ま、そんな感じです」って感覚。

 

関西圏に住んでいると、「房総」って急に言われても、はっきりとイメージできる人は少ないかも。「房総、正式には「房総半島」ですが、関東の南東部、太平洋に面した半島で、千葉県の大部分を占めます。(ウィキペディアより)

その房総から、素敵な本が届きました。「房総カフェ」(750円)です。千葉市、房総内陸、木更津、久里浜、外房海岸、里山の鴨川、房総の果てとエリア別に分けてお店が紹介されています。遠くのお店紹介されてもなぁ〜と感じられるかもしれませんが、この本は、ここでお店をやりながら、ここで暮す人達の気持ちが込められています。海があり、山があり、そして町があるという魅力的な環境で、ゆっくりと流れる時間の中から生み出される素敵な空間。ぱらぱらとめくっていると、この町を知っている気分になってきます。

昨日、編集した人が来店されたので、本を見せてもらい、即決「なんぼや!」の関西ノリで仕入れました。千葉って東京の傍なんで、目立たないんですよね〜と嘆いておられましたが、そうは思いません。

「房総というこの地で、暮しと生業を積み重ねゆくカフェ人たちの佇まいこそが、房総の豊かさのリズム、房総にきらめく感性、房総にそよぐ風土の匂い。」

と書かれているように、それって東京にはないものだし、房総の地が作り上げてきたカフェ文化だと思います。最後に登場する古いアパートをリノベーションしてカフェや色々な人に解放している「シラハマアパートメント」は、京都に数年前にオープンした「つくるビル」と同様のコンセプトですが、その風景は当然京都とは違います。澄み切った空の高さは、ここだけのものでしょうね。行ってみたい・・・。

 

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 2010年に出版された詩集「朝のはじまり」が、大阪を拠点にする小さな出版社「BOOK LORE」から再発行されました。(1620円)作者は国語教師として教壇に立ちながら、詩を作っておられる奈良在住の西尾勝彦さんの詩集です。

この中に「まむし」という詩があります。庭で捕まえた蛇が、まむしであったことが判明、何とかしようとするのですが、どうにもならない。誰も引き取ってくれない。それで、春日大社の森に逃がすまでを描いた微笑ましい詩です。最後はこんな風に終ります。

「小さな社の裏に回りフタを開ける まむしは動かない 仕方なく小枝を使って外に出した それでもじっとしている まむしはケースの中でも 森の中でも どこでも良さそうに見えた 先に動いたのは ぼくだった

お元気で またいつか

声にならない言葉を置いて その場を静かに立ち去った」

まむしに「お元気で またいつか」と声をかけるなんて、この作家の優しさが滲み出ています。

朝日の差し込む、奈良の街角の何気ない暮らしの点描が一冊に込められています。

「たぶん しかたなく 地球にやってきた 月の人を知っています」という思わず吹出してしまいそうな言葉で始まる「月の人」もやはり、「まむし」にあるような優しさがあります。

しかし、私の一番のお気に入りは「ならまちの古本屋」です。

「小さなこの店が さえぎるものもない 本当の自由を なんとなく 実現している気がするからだ」

最後の詩句ですが、当店も追いかけている理想です

本のカバーはグラシン紙にステンシルで一枚一枚雲が描かれています。読んだ後、カバーを外して朝の光を通すと、雲が浮かんできます。なんて、清々しい詩集なんだ!

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これ、選挙公約です。正確に言えば、自らが掲げた政策ビジョンの根本になった考え方です。立候補したのは、三宅洋平さん。政治団体「日本アーティスト有識者会議」を立ち上げて、前回の参議院選挙に、緑の党の推薦を受けて立候補するも、落選しました。

選挙を大きなイベントとして捉え、ライブ感覚で全国を回りました。名付けて「選挙フェス」。憲法は最高のラップだと豪語し、渋谷のど真ん中で9条をラップしました。投票総数17万票を獲得しましたが、比例区のため、既存政党の数の力に阻まれました。

彼の憲法改正案

「第一条 愛」あとは、各自考える。いいですね。

「戦争、古ッ」てのも座布団一枚でしょう。

こんな新しい感覚で社会に参加する若者達のヴィヴィッドな姿を伝えてくれるのが、九州、熊本発のミニプレス「local media3」(734円)です。高名な評論家が登場する論壇誌ではありません。次の世代が、新しい暮らし方を模索するミニプレスの王道を行く雑誌です。選挙も、政治も面白目線で捕まえて、行動するフットワークの軽さには拍手喝采です。

そして、後半には「電気をDIY」という特集。お上から電気を頂戴するのではなく、自分たちで何とかしちゃおう、という人達が登場します。工夫すれば、こんな生活も楽しいぜ、みたいなノリが楽しいですよ。

バブルを知らない世代だからこそ出来る生き方かもしれません。これ以上の繁栄も、進歩もいらない、身の丈にあった暮らしでいいんじゃないの、という至極全うな提案です。

ところで、今の議員さんの何人が、「地球に有益な微生物」になってくれるんでしょう。殆ど、ゲロゲロと吐き出されるのは間違いないですね。

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新刊書店の店頭で、見慣れない雑誌を見つけました。書名は「つるとはな」(創刊号1404円)です。発行所は(株)つるとはな。HPをチェックすると、買取のみで販売している出版社でした。漫然と雑誌を並べて、期限が来たら返本という作業に慣れている書店には無理な、新しいタイプの雑誌販売形式です。(ミニプレスはとっくにそうなってますが)

中身が面白そうだったので、早速仕入れました。一口で言って、これからのシニア世代向けの内容ですが、程好い高級感と、地に足の付いた人達の暮らし紹介で、結構若い世代にもお薦めです。

川上弘美が、巻頭の「薄明へ」で老いることをこう書いています。

「真昼ではなく、暮れがた。真夜中ではなく、明けがた。そういう場所に向かっているような気がするのだ。これからいっそう老いは深くなってゆく。その時、いったいどんな光がわたしに差すのだろうか。悲しみも喜びもともなわない、ただひょん、とした心もちで、思う」

「ひょんとした心もち」って、なんだか良い響きです。これからのことに不安や恐れを持たず、節度ある生活を楽しんで、ちょっと冒険してみたりして、ささやかな楽しみをみつける、そんな人達がわんさか登場します。指揮者の小沢征爾もいれば、アイルランドで祖父の代からのパブを守り続けるおばあちゃんもいる。60歳を過ぎて、洋菓子店を始めた80歳の女性と90歳を越したご主人との台所風景もあります。

しかし、何といっても注目すべきは、初公開の「須賀敦子からの手紙1975〜84」(全編)の掲載です。当店でも人気の彼女の美しい文章が楽しめます。手紙がそのまま印刷されていますが、こんな優しい文字を書く人だったんですね。

そして最後に登場するは、今年65歳の火野正平です。「母性本能?くすぐってねえよ」とうそぶく、やんちゃ坊主の面目躍如です。

雑誌には必ず掲載される映画紹介もあります。「愛、アムール」「母の身終い」「木洩れ日の家で」「旅路の果て」そして「大いなる沈黙へ」と、見事に老いをみつめた、そして静謐な作品が並んでいます。

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つい数日前まで、ホンマ、冬来るの?という妙に暖かい日々が続いていましたが、急に冷え込んできました。こんな日は、美味しい熱燗でも飲んで暖まるのが一番です。

と、こんなシーズンを見透かしていたかのように、木村衣有子さんの「のんべえ春秋4」(864円)が入ってきました。このシリーズ、早くも4号の発売とはファンが多い証拠ですね。(当店でもほぼ完売します)

今回は、この本を秋田で唯一取り扱っていて、木村さんが信頼を置く「まど枠」さんの話からスタートします。ミニプレスを中心とした書籍、雑貨、器を扱うお店です。そこで開催された「アトリエ七瀬」の展覧会に行った木村さんが、その作品に魅了されて、そこから七瀬さんの話へ。

七瀬さんは自分の作品を「均整のとれた器ではなく、不思議なバランスになるようにアンシンメトリーに作って、自分が酔っているのか、器が酔っているのか。酔う徳利という意味で”YOI”って名付けしてます」と言います。

お酒を飲まない人でも、七瀬さんのものづくりに情熱を注ぎ込む姿勢は興味深く読めると思います。彼女が、型の作り方を全部教えてもらった水野節也さんとの工房でのツーショット(当時七瀬さん25歳、水野さん70歳)が掲載されています。とてもあたたかな微笑ましい一枚です。

後半の「書評エッセイ 酒飲む本 もの食う本」では2冊の本が取り上げられています。

一冊は、20年以上日本に住むM・モラスキーさんの希有な居酒屋観察記録「呑めば、都」。もう一冊は、京都在住のライター姜尚美さんの「京都の中華」です。(これは面白い本でした。残念ながら当店では売り切れましたが)

「京都の中華は、とにかく『引き』の姿勢を崩さない」と。

例えば私も好きな祗園の「竹香」は「にんにくはアウト。にら、ねぎもダメ。たまねぎは香りがなくなるまで炒めるか、形がなくなるまで小さく切る。ラードは使わず、香辛料は胡椒のみ。八角も使いません」という姜さんの厨房でのインタビューを「ないない尽くし。この本の中でも一、二を争うストイックぶりだ」と木村さんは受けています。しかしまた、京都には『押しの中華』というものも共存している、と。

いや、いつもながら、楽しい食エッセイです。「のんべえ春秋」は4号発売を記念して、創刊号から3号までのバックナンバーも揃えています。

「ナガサキリンネ3」(1000円)が到着しました。

「モノをつくる人だけが、特別な人ではありません。わたしたちも時として、家族の為のひとりの作り手です。また、友を導くひとりのつなぎ手です。そして、自分自身の暮しと向き合える たったひとりのつかい手です。つくり手、つなぎ手、つかい手とは、めぐりつながっていく、わたしたちの姿そのものです。」

という文章通りに、この街を丹念に取材し、真摯にモノ作りに励む人達を伝えます。それは、決して観光ガイド的なものでなく、日々の暮しの中で、大事なことは何かという答へと向かわせてくれます。大げさではなく、地味だけれども、ゆっくりと時が過ぎて行くこの街の深さを十二分に感じることができます。

「まちを歩けば事初め」、とか「まちのお饅頭屋さん」、「島原と薬草」なんて記事は、和み度満点ですね。その一方、今井謙次が設計した「日本二十六聖人記念館」がベートーベンの第九交響曲をモチーフにして建築されていることを、楽章別に丹念にレポートした記事は読み応えのある内容でした。この建物は是非訪ねてみたいものです。街を慈しむ気持ちの溢れた雑誌。2号も若干在庫ありますので、ご覧下さい。

もう一つ、長崎発の雑誌「らく25号」は、長崎の建物を特集しています。異国情緒たっぷりの「旧香港上海銀行長崎支店」「旧長崎英国領事館」。レトロな風格溢れる「長崎県印刷会館」、ちょっと時代から取り残された感じがまたいい雰囲気の、出島の「村川ビル」。そして、炭鉱閉山から十数年たった池島炭鉱アパート群は、一時の繁栄と終焉を見事に醸し出しています。そのアパートの一室が公開されていて、古いダイヤル式電話に、ガチャン、ガチャンとチャンネルを回すTV、オープンデッキなど、ある時代をここで暮らした家族の喜怒哀楽に満ちた記憶がぎっしり詰まったたたずまいが魅力的です。

自分たちが暮らしている街への愛しさを、読み手にどこまで伝えられるかが、ミニプレスの質を決定します。その意味で、この二つの雑誌はとても高いレベルだと思います。

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神戸発のミニプレス「ほんまに」

16号(515円)から、当店での販売を開始しました。この雑誌は、神戸元町にあった海文堂書店の月刊「海会」(カイエ)から【神戸】と【本】 をテーマに誕生しましたが、一時、休刊。2013年秋に海文堂書店が閉店を機に復刊し、【本好き、本屋好き】を新たなテーマに編集された雑誌です。

16号の特集は「続・神戸の古本力」です。先ずは、「インディーズ古書店主座談会」で幕開きです。いつもお世話になっているトンカ書店さん、お店番の猫君が可愛いワールズエンズ・ガーデンさん、カフェも素敵なエメラルドブックスさん、そして「ハニカムブックス」さんで、「古本屋は食っていけるか」という微妙なテーマで始まります。

「もう少し売り上げを出したいけど、必要以上に儲けたいというのはないですし、楽しくお店をやって、生きていけたらそれ以上望むことはないですね」というエメラルドブックスの店主の発言は、私も含めて新しい世代の古書店みんなの思いではないでしょうか。

そして次には、地元で古くから古書店を経営されている方のインタビューもあり、読み応えがあります。

是非、お話を伺いたいなぁ〜と思ったのが、うみねこ堂書林さんです。2014年4月開業ですが、定年目前の一昨年に開業を決意して、店舗探しから、開店までを綴った記録が掲載されています。

「あと何年残りの人生があるかわからないが、本当に好きなことをしたいと思ったのが本音である」

という店主の言葉に、同感します。でも、実際は、どんな仕事でもそうであるように、様々な物理的諸条件や、家族の応援、仲間の支援、そして運に恵まれなければ店は出来ません。

この号には、兵庫県の主な駅別に古書店マップが付いています。古書店巡りにぜひお使い下さい。

林哲夫さんの「パリ古本紀行」、夏葉社代表、島田潤一郎さんの自著についての「未収録原稿」とか丸ごと一冊「本」の雑誌で、読んでいるだけで楽しい気分になって、ちょっと本屋まで行こか、という気分になってきます。