沖縄から素敵なミニプレスが届きました。読谷村周辺で暮らすカメラマン、デザイナーに呼びかけ、沖縄で暮らすフツーの人達の生活を見つめた小冊子「手手」を発行した手手編集室が新たに出した「百年の食卓」です。サブタイトルは「おばぁとおじぃの暮らしとごはん」。

「むかし、むかし、野菜は買うものではありませんでした。広くなくとも土があれば、畑に。炊事のたびに収穫しては、みずみずしい味覚を食卓にのせました。小さな畑に、台所の神様に、手を合わせました。それを、今も当たり前に続けているおばぁたちがいます」

「はじめに」には、こう書かれていて、スタッフは、そんなおばぁやおじぃを訪ねていきます。最初に登場するのは、1919年生まれの平良澄子さん。大潮の日、ウニや貝を取っている姿が素敵です。老婆が腰を屈めて、水中を覗いているというだけの写真ですが、豊かな海の幸の香りが漂います。ページをめくると、「ある日の澄さんのお昼ごはん」と題して詳しく紹介されています。その食卓の豊かさ。

ページをくってゆくと、おばぁ、おじぃがどんどん紹介されていきます。みなさん、大正生まれですが、笑顔が魅力的で生きているのが心底楽しそうです。そして、その原点が食事。別に凝った料理ではありません。「ヤンバルタケノコとコンニャクの煮物」とか「切り干し大根と昆布の炒め煮」とか、フツーの料理です。

最後に登場するのは平良マツさん。明治41年生まれですから、100歳を超しておられますが、「自分で何でもやるから元気なんだよ」と今でも畑に出ておられる写真が載っています。畑と食事がストレートにつながっていることが健康の源みたいです。

ところで、このおばぁ、おじぃを取材したのが沖縄本島北部の大宜味村。この村は長寿の里です。ここではこう言われています

80歳はさらわさび(童)100歳で咲かそうヌチ(命)の花

花を咲かせている人達の顔を見ているだけで、こちらも幸せになってきます。本日より600円で販売開始です。

 

Tagged with:
 

今、レティシア書房で個展開催中の、5*SEASONさんが作られた絵本「けいこちゃんの夏いらんか絵?」は、「東京オリンピック」をリアルタイムで観た世代には、懐かしさいっぱいの絵本です。

クーラーはなく、打ち水と扇風機だけで結構涼しく暮せた夏の生活。と言っても、クーラーで冷えた部屋で過ごす世代には理解できないでしょうが、それは、もしかしたらめちゃくちゃ不幸なことかも。昨今の夏の暑さは、もう地獄の窯でゆでられるような、人に対して極めて攻撃的な暑さですが、この絵本に描かれている夏の暑さは、夏休みを過ごす子どものお友達でした。そして、元気に咲くひまわりも、祇園祭のお囃子も、パーフパーフと鳴りもの入りでお豆腐を売りに来るおっちゃんも、海も、川も、山も、みんな眩しく輝くお友達でした。

川でひと泳ぎして、縁側でお昼寝、BGMはせみの合唱。(この鳴き声も、今はBGMを通り越して騒音になりつつあるのは、こちらのせいか、環境のせいか)突然の雷雨、入道雲、池の蛙のコーラス、夜店の風船つりなど、夏は毎日素敵なイベントを運んできました。

昔は良かったね、と懐かしがっているのではありません。夏の暑さが友達だった時代が過去になってしまったことの悲しさを感じてしまいます。この絵本の中に、暑いので、服を着ず上半身裸のおばあちゃんが出てきます。実際、そういう女性は周囲におられました。今なら通報されかねませんが、当時は街も、社会も、誰も何も言いませんでした。だって、暑いんだもん。いつの間にか、夏の暑さは逃げるもの、撃退するものになってしまったみたいです。せめて、この絵本でその楽しさを味わっていただきたいと思います。(2000円)

5*SEASONさんから、奈良市内で無料配布されている小冊子「工房街道浮世噺」をいただきました。収められている永野春樹さんの小説「北風の画家」を読みましたが、ツボを得た小説というべき一編です。O・ヘンリーの短編を常盤新平が翻訳したものを読んだ感じです。よくあるお話ですが、物語を読む楽しさが味わえて、15分あれば読めます。奈良散策の時にでも、お探しください。

Tagged with:
 

高遠発のミニプレス「きっと」(500円)入荷しました。高遠?どこ。正確にいえば長野県伊那市高遠町です。と言われても。京都近辺にお住まいの方には想像できないでしょうね。もちろん私もそうです。

先日、岐阜の古書店「徒然舎」にお邪魔した時、お店に「きっと5号」がありました。山の中の道を行く三人の少年の後ろ姿を捉えた写真が表紙でした。そしてこう書かれてあります。「高遠発 小さな出会い ひと・もの・くらし」と。早速購入して読み始めました。

「うちの手仕事、みんなの手仕事」では竹でつくる魚籠の作り方が載っています。不器用な私には到底できそうにありませんが、誰かトライして鴨川に設置してはいかがでしょうか?

そして「おいしい ものの はなし」という特集が続きます。「りんごの木の下で」では善積農園にりんご畑を見に行くお話です。この農園を切り盛りするご夫婦のお母様はすごい方です。13年前、それまで住んでいた京都を離れ、愛犬と長野農業大学へ入学。御年50歳で、未経験で、ひとりで、農業で暮しを立てていくのは無謀でしかありません。しかし、

「やればできるという根拠のない自信があった」

と農耕生活に突入。りんごが好きだったというだけの理由で、りんご農園の道を歩み出す。その苦労は想像に余りありますが、ひたすら美味しいりんご作りに邁進する。そして、彼女のお嬢様も、デザイン関係の仕事を生まれ育った京都でされていたにもかかわらず、方向転換して農園に参加、ご主人と共にりんご農園業に携わる。京都に、こんな人がいたんですね。

そして「おいしい ものの はなし」2では自然製天然醗酵のパン屋さん「土ころ」が紹介されています。お店のパンの写真が並んでいます。固そう…….。「噛めば噛むほど味の出る固いパン」とオーナーもおっしゃっています。街中にあるようなおっしゃれぇ〜なパン屋さんではありません。素朴な、あまりにも素朴すぎるパン屋さんみたいですが、ガラガラと扉を開けて入れば、きっといい匂いが漂ってきそうです。

長野県伊那市高遠町。どこそこ? でも、その小さな町にも愛すべきひと、もの、くらしがあり、それを丁寧に取材しているのが素敵なミニプレスだと思います。ミニプレスコーナーにバックナンバーも含めて展開中です。

Tagged with:
 

金沢発のミニプレス、「そらあるき」14号入荷(330円)しました。初めてこの雑誌をみたのは、金沢21世紀美術館のミュージアムでした。もちろん、店をオープンさせるずっと以前の話です。30ページ程の雑誌ですが、「金沢そらあるきマップ」という丁寧な地図も付いていました。

今回も盛りだくさんな内容です。金沢伝統工芸のひとつ、金箔職人のお話から始まります。欄外には金箔を食べると題して「鳥骨鶏卵ソフトクリーム金箔入り」という美味しそうなスィーツが紹介されています。そして、「金沢de和パン」というお話が続きます。

「たね」にはお気に入りのパンがあって、時々、禁断症状が出るので数年通い詰めています。

とライターが紹介しているパン屋さん「たね」。このお店の「抹茶黒豆」は、パン屋が作る和菓子という新境地を開いたみたいです。京都人なら、邪道やなぁ〜と言いそうですが、まっ、いいか。

そして金沢21世紀美術館学芸員の村田さんが語る「アートの現在を聞く」を読んでいると、またこの美術館に行きたくなります。アートではありませんが、「見上げてごらん街の看板を!」という金沢の街中の古い看板を集めた記事もあります。もちろん、地図付きなんで散歩がてらに歩く時、大変お役に立ちます。

私が一番好きだった記事は「小さな反抗」でした。オフセット印刷主流のこの時代に、わざわざ活版印刷屋を始めた方のお話です。

「便利になることで、選択肢が少なくなること。知らない間に自由を奪われていること。活版印刷屋を始めるのは、そういう流れへの反抗の気持ちもある。できるだけ美しいものを作って、楽しみながらこのささやかな反抗を続けたいと思っている。」

印刷屋オーナーの志しを応援したくなりますね。

Tagged with:
 

北海道発の雑誌「スロウ」(880円)の新刊が入荷しました。特集は味噌です。

「スロウ」は、ご存知の方も多いと思いますが、一冊丸ごと北海道を楽しむ雑誌です。一応はミニプレスのコーナーに設置していますが、大手出版社の雑誌と比較しても優劣付けがたい立派さです。この雑誌の特徴は写真が美しい、そして北海道全土へくまなく取材していることです。今回も道内各地で素敵なお味噌を作っている所が取材されています。十勝本別町の地元の豆で作った味噌で煮込んだお料理の美味しそうなこと!料理について、ここで紹介されている「なんこ鍋」、「がんがん鍋」、「ごっこ汁」という北海道の郷土料理とそこに隠された食文化の話、例えば、炭坑で働く男たちの強靭な精神と肉体を支えた食べ物が、味噌をベースにしたスープに、具材として馬の腸と野菜を煮込んだ「なんこ鍋」が、炭坑の消滅と共に消えていった事実は興味深いです。

取材記事を読み、写真を見ているだけでなんだか道内をぐるっと回った気分になります。しかも、一部商品は雑誌に付属している通販用紙を使って購入できます。例えば、福山醸造の「みそ作り体験セット」なんて面白い商品です。

もう一つ特集があります。それは「犬ぞりが教えてくれた、誇りと可能性」という犬ぞりチーム”ムーンライトレディース”を引っ張る村上京子さんとご主人のダニエルさんの犬ぞりにかける情熱を語った特集です。彼女は東京生まれの都会人。それが、何で北海道で犬ぞりチーム??

彼女は言います。

「人のために犬を走らせてるんじゃないんです。犬は走るのが好きで、楽しいからはしるんですよ。人はそれ(犬たちの楽しい気持ち)を少し分けてもらってる」

ほんと、彼女の犬たちは、「走るぜ、走るぜ」という顔つきです。犬ぞりとともに真っ白な世界を駆け抜ける写真は圧巻です。(この写真はネットに載っています)

と、「スロウ」は北海道という大地に根をおろして、そこに暮らす人達を見つめる素敵な雑誌ですが、一つご注意を。本の中程に「スロウセレクション」という通販ページが付属しています。これが、もう美味しそうなものばかり。こちらで簡単には手に入らないので、ついつい買い過ぎになりますので、ご用心。

Tagged with:
 

福岡発のミニプレス「PERMANENT」が創刊されました。あとがきを読むと、3.11以降の放射能の脅威が続く中で、食べることの根源的な意味を思考することから雑誌はスタートしています。フツーの人の家の食卓に注目し、

「津々浦々の食卓で、その人の人となりや食卓の風景から、あらためて『考えること』について考えてみたいと思います」

そして、

「自分の身体の中に入れるものたちが、何処でどうやって育った食材をしっかりと把握し、大事に無駄なく食べたいと考えています」

だから、この雑誌自体がとても美味しそうな香りがして、思わず食べそう?になりました。(古書店のおやじが雑誌バリバリ食ってるシーンはもうホラーですが)

画家、牧野伊三夫さんのアトリエでの宴が紹介されています。「烏賊の南仏風炒め」、「バナナフランペ」、そして「画家の鍋」と、もう書いているだけで、雑誌バリバリになりそうです。この宴の場所がいいですね。古い掛時計、年期の入った本棚、古い食卓にやかん。参加された方、みなさん幸せそう。

次に登場するは、「たべものの素顔」という連載で「旬の魚と塩と水 青島の蒲鉾」。水揚げされた魚が蒲鉾になるまでを丁寧に写真で説明してあります。この島の蒲鉾は、卵白や山芋などのつなぎを一切使用せず、旬の魚と塩と水だけで作る贅沢なもの。そして、こう結んである

「魚と共存し感謝してきた人たちの手間隙と愛情がたっぷり詰まった、素朴な味だった」

食べてみたい!行ってみたい!という記事が続きますが、グルメ雑誌みたいに食べ散らかして、はい終わりではなく、それを料理した人の話を聴き、そして、そこに住んでいる人達の生活に触れてみたいという気分を盛り上げてくれます。

レティシア書房のすぐそばには、古いアパートの一室を利用した美味しい珈琲の「月と六ペンス」がありますが、福岡市中央区にある「MANLY COFFEE」も、古いアパートの中にある珈琲屋さんみたいです。こちらもお邪魔してみたい場所ですね。

丁寧に珈琲をたてる少年の写真の表紙と、おいしい〜って声の聞こえてきそうにおにぎりを前にした少女の写真の裏表紙が、素敵な雑誌のすべてを物語っています。価格は500円。方々取材されていて、この価格は立派です。

Tagged with:
 

大阪に本拠を構えるリトルプレス「BOOKLORE」。この出版社の繊細な手づくりの本が好きで、一応すべての出版物を置いています。その「BOOKLORE」から本好きなら行ってみたい企画のチラシが飛んできました。(届いたのではなく「飛んできた」という感じです)

2月23日(土)15時から、奈良「秋篠の森ギャラリー月草」で開かれる「言の森」というイベントです。

BOOKLOREから詩集を出した西尾勝彦さんと畑尾和美さんの朗読会+写真集を出したSEWING TABLE COFFEEによる珈琲と、レシピ本出版予定のAOのお菓子をいただく会です。「秋篠の森」か……。奈良のお寺では秋篠寺は大好きなお寺で音楽、藝術を司る伎芸天立像は何度も見てみたい美しさに満ちています。その森のギャラリーなんて、それだけで妄想が膨らみます。この朗読会の後28日までは同ギャラリーでBOOKLOREの本の展示会も開催です。伎芸天立像さんも、いい本じゃね〜と覗きに来られそうです。

この出版社から出されている三倉理恵さんの詩集「月のスープ」に載っている「風の本屋」は、書店主としてかくありたいという私自身の気持ちを代弁してもらいました。

おじさんはそんな風にして/いつの間にかいなくなる/それはおじさんの店の名前が/「風の本屋」だからかも知れない

我が店も、やがて店主も朽ち果てて風と共に吹き飛ばされてしまい、あ、そんな本屋あったよねなんて思いだしていただければ理想ですね。

このチラシと一緒に2/15(金)〜24(日)まで岡山pieniで行われる「ZINE展それぞれの本のかたち2」も面白そうな企画です。個人の手で編集、出版される小冊子ZINE。それに関わる多くの方が参加され、ワイワイガヤガヤされる企画みたいです。参加者の中に畑尾和美さんの名前がありました。こんな企画いつかレティシア書房でもやりたいです。

もう一つ、2月13日(水)〜24日(日)枚方SEWING GALLERYで一井由美個展「小さな思いときっかけとyupi展」があります。13日には楽しそうなイベントと作家さんの「ものを作ること」につてのおはなし会もあります。

ちいさな出版社が、こつこつと分相応なことを、ゆっくりと着実にやっていく。それを応援する書店であり続けたいものです。

 

Tagged with:
 

横105mm×たて150mmの小さい本「スープ問題」が入荷しました。著者は岡かおるさん。可愛いイラストはケる子さんです。

小説とエッセイの間をふぁ〜と行ったり来たりする小品が9点収録されています。あっという間に読めるものばかりですが、彼女の言葉への引っかかり方が面白いのです。

例えば、「マストロヤンニ」。これ、映画俳優マルチェロ・マストロヤンニの事なんですが、こう始まる。

「実は、マルチェロ・マストロヤンニ氏について私に語る資格はない。何しろ私は氏の出演している映画を観たことが一度もないのだから」

えっ、じゃこの話はどう展開するの?なんとピクニックへと繋がっていきます.「マストロヤンニ」という言葉をイラスト化したものが、見事に話の中身を表現しています。今度、貴船神社にでも行ったら、まねしてみよう。

或は、「贅沢なゲーム」。昼下がりのお風呂の贅沢なんですが、途中から「だけども」という言葉へテーマは変わっていきます。「だけど」でも「けれども」でもない「だけども」という言葉をめぐる話になります。この作品の最後あたりは「だけども」とちょっと声を大きく出して音読してみたくなります。

どのお話にもステキな言葉がつまっています。おそらく、著者は小さい頃の昆虫採集みたいに、網と虫かごを持って言葉を追っかけているのでしょう。そして、捕まえた言葉の標本箱がこの小さな本なのかもしれません。「スープ問題」500円です。

ところで、詩集を置いている豊原エスさんが、お手製のポストカードを持って来られました。四種類あります。二種類はイラスト入りですが、もう二種はカード全面にびっしりと文字が埋められていて、さすが詩人だなぁーと感心しました。すべてひらがなで、優しさがにじみでたカードです。

「あなたの/やさしさといういのりのひを/さいごまでたやしてはならない」

誕生日や、お祝いのカードにいかがでしょうか。1枚150円です。(写真は当店の「エスさん」コーナーです)

 

 

 

Tagged with:
 

新しいミニプレスが入荷しました。プレスの名称は「ノマドnomad」(600円)です。AKAY Youth JAPANという若者が立ち上げたNGO団体が、活動の一環として2011年に1月に創刊しました。nomad-漂流者というタイトル通り、混迷する時代を漂流する世代の生き方を模索する内容です。

その第2号の特集は「働きたくない」。卒業を控えた大学生と社会人の「働くことは生き甲斐か?」という座談会は面白いです。サラリーマンとして会社の歯車になって働いている人からみれば、何甘えた事言うとんねん!ぼけ!となりそうですが、まっ、そこは堪えて読んでみてください。案外、真実をついてます。「やりたいことをやれ、というプレッシャー」「生きがいへの問いは無意味」「会社に期待しない」。そして最後に「ムーミン」に登場するスナフキンのように「貧乏してもいいし、何してもいいから、とりあえず生きていたらいいし。それで十分」との発言が締めになっています。先ほどのサラリーマンの方なら、なにを人生甘く考えてるんや!!とお怒りになるかもしれません。でも、「甘くても」いいではありませんか。「考えて」いるんですから。絶望してなにも考えないほうがもっと恐いはずです。

スナフキンもこう言ってます。

「大切なのは、自分のしたいことを自分で知っていることだよ」

第3号の特集は「恋愛を解放せよ」です。「結婚と永遠」というテーマでお二人が語りあわれています。ただし、このお二人は男性です。戸籍上は結婚できませんが、12年間のお付き合いを経て”きちんと”結婚式を上げられました。しかも、指輪交換、ケーキカット、母親への花束贈呈というすごいベタな結婚式をされています。「セックスでときめきは計れない」「好きやから好き」から始める解放と話は進みます。男と男が、女と女が結婚したっていいんじゃないという実に全うなお話です。ちなみに、このお二人は弁護士です。

 

 

Tagged with:
 

当店で人気のミニプレス「本のある部屋」から、「恋愛に関する作品」を一週間で、少しづつ読むというコンセプトで編集された小さな本「一週間の恋」を送られてきました。収録作品はこんな感じです

月曜日 太宰治「恥」 火曜日 小酒井不木「恋愛曲線」 水曜日 大手拓次「蛇の花嫁」 木曜日 夏目漱石「一夜」 金曜日 夢野久作「瓶詰地獄」 土曜日 牧野信一「好色夢」 日曜日 渡辺温「恋」

なんとも渋いラインナップです。装丁も凝っていて、フランス装に穴空きカバーがつけてあります。もちろん、印刷、製本、カバー加工などすべて自家製です。判型は13cm×9.5cmというミニサイズで、価格は1200円で4部入荷しました。本のセレクトはブックカフェ・アラビクさん。小酒井不木、大手拓次という作家は初めて知りました。

小酒井は1890年生まれで、翻訳家、随筆家、探偵作家の他に、SFの先駆者とも言われ、かつ東北帝国大学教授であり、医学博士でもありました。大手は1887年生まれの詩人で、生前にはほとんど詩集は発行されていませんでした。こういう作家の作品を読めるところがアンソロジーのいいところですね。

ところで、アンソロジーと言えば筑摩書房が出している「ちくまぶんがくの森」はお得です(内容も価格も)テーマが設定されていて、「変身ものがたり」というテーマでは、坂口安吾の「風博士」、江戸川乱歩の「人間椅子」、萩原朔太郎「猫町」、ゴーゴリ「鼻」等21編が収録されています。お値段は300円。全15巻ですが、店には3巻のみの在庫です。筑摩書房は同じようなシリーズで「ちくま哲学の森」というのもあります。全8巻+別巻という構成。第一巻のテーマは「恋のうた」。その中に森鴎外の「じいさんばあさん」が収録されています。これって、歌舞伎化されていて、私は何故かこの演目にご縁があって二回も観ています。別にどうってことない出し物なんですが、二回とも坂東玉三郎でした。

 

Tagged with: