神戸発のミニプレス「ほんまに」のバックナンバーが揃いました。地元名物書店、海文堂の「海文堂通信『海会』別冊」と雑誌の上に印字されているだけに、本に関する魅力的な読み物満載です。

「本の黒子たち」という特集(〜8号まで)を組んで、作家の秘書、書店営業ウーマン、書店員の一日、地元編集者、製本会社等々、本を支える人達を紹介しています。

9号からは、さらにグレ−ドアップ。9号は、誰でも一度は訪れる「東京堂書店」訪問記、10号はなんと、銀閣寺の古書「善行堂」へのロングインタビュー。(写真の善行さんが若い!)13号は「中島らもの書棚」で、中島らも夫人の美代子さんへのインタビューを掲載。そして15号は、惜しまれて閉店した海文堂への思いで、ほぼ一冊作られています。

もちろん、特集以外にも、見逃せない記事が山ほどあります。2号には、ディープな古書店としてコアなファンのいる古本屋「ちんき堂」店主、戸川昌士さんが登場します。元町の商店街近くの、細い道にある細い階段を、ドキドキしながら上がっていったのは何年前だったか。70年代カルチャー何でもありの店内に圧倒されました。

あぁ、この本忘れなかったんだ、とちょっと感動したのが、14号です。特集は「東日本大震災と本 激励の言葉より本を売る」。特集も読み応え十分なのですが、連載「街を写す」で、取り上げられているのは「六甲天文台」なのです。六甲ケーブルに乗って山上にこの天文台はあります。大学の映画サークルで、先輩の映画ロケのアシスタントで初めて行きましたが、眺めが素晴らしい所です。この天文台が、森絵都の「この女」に出て来ます。舞台は94年から95年の大阪と神戸で、阪神大震災の直前までが描かれます。震災は直接描かれてはいませんが、なんとか生き抜く女に、男が切なくなる小説でした。14号の震災特集号で、この小説を出してくる感覚に拍手です。

現在「ほんまに」は18号まで出ています。もちろん最新号も販売中です。価格は一冊515円。創刊当時から値上げなし!

 

 

★★カナダ在住で、ドールシープを撮影されている写真家、上村知さんの写真展を11月1日(火)〜13日(日)まで開催します。5日(土)夜に、上村さんによるスライドショー 「極北 カナダ・ユーコン&アラスカの旅と暮し」(7時より)を予定しております(要・予約 レティシア書房までお願いします)

10月28日(金)『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、満席になりました。

尚、「安藤塾」は、10月29日(土)19時より「町家ギャラリー龍」にて開催します。こちらの方は、参加者募集中です。お問い合わせは直接 「町家ギャラリー龍」(075−555−5615)まで。

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1950年代アメリカに、既存のアメリカ的価値観や豊かさを拒否する世代、いわゆる「ビート・ジェネレーション」が発生し、文学、音楽、映画に影響を与えました。文学でいえば、「オン・ザ・ロード」のジョン・ケルアック、「裸のランチ」のウィリアム・バロウズ。そして「吠える」の詩人、アレン・ギンズバーグらが、このムーブメントを引っ張りました。

トランジスタ・プレスという小出版社から「ギンズバーグが教えてくれたこと 詩で政治を考える」(1728円)という本が入荷しました。

「国会風に」という詩で、こんな檄を飛ばします

「真実を見出すことはむずかしいけど 偽りは簡単だ 帝国主義の薄っぺらさを 新聞の行間から読み取りなさい この国を 自分たちが心から望むようにしたら 火からフライパンに戻るみたいに 大難敵に挑むこと」

すべての既存の権力に対して猛烈に攻撃する詩人は、サッチャー政権下、重苦しい時代の圧力に反発したパンクロッカー達に受け入れられ、ギンズバーグもステージに上がっています。

彼はまた、スリーマイルアイランドの原発事故以前に原発反対を唱え、線路に座り込み運動をしていました。「人類以前には 自然に生まれなかった新しい元素があるか?」で始まる「死とプルトニウムの歌」は、人間が自ら作り出した死の神の呪いに殺されてゆく運命を見つめた長編詩です。

攻撃は、当然とはいえ、ジョージ・ブッシュに向かいます。「NSA麻薬どっぷりカリプソ」では、「ついきのうの新聞に埋もれていたよ ブッシュはアメリカの麻薬王だってこと」と言い放ちました。

民主主義も憲法も、平気で踏みにじっていく今日の政治の危険性の中で、ギンズバーグの詩を翻訳したヤリタミサコさんは後書きでこう書いています。

「こういうときにギンズバーグは、怒りをユーモアで伝えることができます。私はこの部分を読者と共有したいと思って、この文を書いています」と。

それぞれの詩には、ヤリタさんの解説と思いの詰まった文章が載っていますので、ギンズバーグの詩の理解が一層深まります。先週日曜日、版元トランジスタ・プレスの佐藤さんが、誠光社でのトークイベント前に当店に立ち寄られて、この本のことを初めて知りました。興味のある方は手に取ってみてください。

 

★毎年恒例になりました『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、10月28日(金)7時30分より開催が決定しました。(要・予約 レティシア書房までお願いします) 

★★カナダ在住で、ドールシープを撮影されている写真家、上村知さんの写真展を11月1日(火)〜13日(日)まで開催します。5日(土)夜に、上村さんによるスライドショー 「極北カナダ・ユーコン&アラスカの旅と暮し」(7時より)を予定しております。(要・予約 同じくレティシア書房までお願いします)


 

最近の若者は、海外へ出て行かない、ということを聞いたり、読んだりしたことが何度かあります。しかし、こんな女性もいるんです!

小幡明(オバタメイ)さんは、バックパックで9ヶ月間、世界各地を一人で旅して、その時々、彼女が見たこと、体験した多くの国々のことを、新聞型リトルプレスとして次々と発表しました。2011年3月、日本を旅立ち、アメリカに入り、そこからメキシコ、そしてヨーロッパへ渡り、各国を巡り、ネパール、マラッカ、シンガポール、韓国を経由して、その年の12月に帰国しました。

これを一冊の本にしたものなら、どこかにもあるでしょう。しかし、彼女は回った国ごとに、小さな折りたたみ式ニュースペーパースタイルのミニプレスに仕上げました。この形がいいです!雑誌のタイトルは”Papel Soluna”(パペルソルナ)。8号は、最初の目的地サンフランシスコ。可愛いイラストが散りばめられていて、名物ミュニバスも載っています。裏面には、その年の旅行日程が描き込まれた地図です。先ずは、この号をゲット。そして、日程順に集めてゆくも良し、気に入った、あるいは興味ある国の号を続いて買うも良しです。

各号最初のページに「おまけ」というコーナーがあります。これが、面白い。6号スペインは「おばけ魚像」、8号の東欧は「カエルキング像」、11号トルコは「トロイの木馬」、12号タイは「トラ頭」等々、ヘンな物のオンパレードで、そのイラストに笑います。トルコ編、タイ編の裏面は、それぞれ、その国の食べ物図鑑。細かく描きこんであるので、美味しそうですが、タイに棲息するプラチョン(雷魚)の丸焼きは、ちょっとひきます。洪水で庭にできた水たまりにいた魚を釣り上げ、塩をまぶし、口や鰓にハーブをツッコミ炭火焼したものとか。「見た目がスゴイ…..」らしいです。

何度も熱を出したり、あるいは本を買いすぎてドイツの飛行場で、詰め込んだバックパックの重さで、ひっくり返ったりとか、中々の珍道中だった様子。この小冊子があまりに素敵なので、再来年の2018年1月に当店で旅の原画展をしていただくことも突然決定いたしました。トークショーができれば、旅の面白さを語ってもらいたいものです。

“Papel Soluna”(パペルソルナ)は各330円です。

★毎年恒例になりました『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、10月28日(金)7時30分より開催が決定しました。(要・予約 レティシア書房までお願いします) 

★★カナダ在住で、ドールシープを撮影されている写真家、上村知さんの写真展を11月1日(火)〜13日(日)まで開催します。5日(土)夜に、上村さんによるスライドショーを予定しております。(要・予約 同じくレティシア書房までお願いします)

岩手発のミニプレス「てくり」最新22号(648円)の特集は、『「なおす』を選ぶ』です。

岩手県立図書館は、児童書を中心に、月80冊程、修理の必要な本が出てくるとか。それを、ボランティアの皆さんが、黙々と、でも和気あいあいと作業に打ち込んでおられる写真は、おもわずニンマリしてしまいます。ところで、気になる発言がありました。「宮沢賢治の初版本のような希少本など、深い修理知識が必要な案件は、外部職人へと以来する」とか。この図書館では賢治の初版本を手に取ることができるのでしょうか?興味あるところです。

図書館の次に登場するのが、椅子の修理を一手に引き受ける小林椅子工業さん。新品のオーダーから、脚や背もたれも含めて、素材を選ばずトータルで引き受ける業者は、あまり見当たらないそうです。だから、盛岡市内の、病院、美容院、三陸鉄道の座席シート等々、巷のあちこちにこの小さな会社が関わった椅子が点在しているのです。「雑な直しはしない」ことを信条とする会社が地域から信頼されていることの証しです。

開発で様変わりする町の一角で、ひっそりと店を続けているのが、「塩釜馬具店」。創業は大正12年。当初は、騎馬軍隊用の馬具店として始めた馬具の専門店です。使いこなされた修理道具、ミシンなどの写真を見るのは、なんとなく集めた古本に見入っている時の気分に似ています。

時代と共に馬具製造の需要は減りましたが、素材を巧みにいかした同店の革製品は人気があり、剪定用ハサミケース、犬の首輪、ベルトなどは、今も根強い人気があるそうです。「生業」という言葉がそのまま当てはまる職場の雰囲気もいいですね。

ところで、山に囲まれた盛岡で最も重宝されているのは、クマ避け鈴「南部熊鈴」だそうです。

 

★毎年恒例になりました『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、10月28日(金)7時30分より開催が決定しました。(要・予約 レティシア書房までお願いします) 

『微花(かすか)とは、図鑑です。名ざせない植物、との距りの。季刊誌です。その名を知るまでのひとときの季節の。目ざましいものではなくてかすかなものを、他をしのぐものではなくて他がこぼすものを、あらしめるもの、またあらしめようと目ざすこころみです。』

と書かれたミニプレス「微花」の写真展「名ざせない植物との距り」展が始まりました。

初めてこのミニプレスを持って来られた時、街角に咲く花々の写真と文章だけで構成された中身を見て、優しい、微かな感じをどう受け止められるのだろう、売れるかな〜と半信半疑だったのが、なんと、いつも完売で、自分のセンスの無さに気づかされた、と店長が反省しきり。

「微花」には、レアな花もなければ、美しさを競い合うようなゴージャスな花もありません。人知れず、ひっそりと咲く花々ばかりなのですが、改めてその美しさに目を止めて、その花の向こうに広がる、それぞれの季節の空気をみることができます。

 

そんな素敵な写真を是非、ギャラリーで多くの人に見てもらいたいということをお願いしたところ、著者のお二人に快諾していただき、今回の開催となりました。

展示方法が素敵です。花によって、作品の大きさは違っていて、上方を見ると空が広がり、例えばネムノキが揺れています。百日紅は、毎朝御所の散歩で見ていますが、切り取った画面だと、また違った花にみえたりします。落ちた木槿、一日花と言われるように毎日散ってしまう花ですが、それがまた瑞々しくもあわれで美しい。中でも私は、有刺鉄線の内側に咲くセイタカアワダチソウの風景がとても好きです。

柳、ハナミズキ、椿、どれも身近にある植物ですが、こうして二人の目線を通して見ると、初めて見る様な新鮮な驚きがあります。どうして今まで気づかずに通り過ぎてきたんだろう、と急ぎ足の時間をちょっと緩めて、深呼吸してみたり。

残暑厳しい京都の街中で、少し足下をみたり、空を仰いだりしてみませんか。(女房)

微花写真展「名ざせない植物との距り」 

8月27日〜9月4日(日)月曜定休 12:00〜20:00

 

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「itona」(いとな)は「富山の風土に向き合って生きている20〜50代の女子たちが、共同で執筆する小さな情報誌。カメラ片手に、自らペンを取り、自分たちの日常を紹介」という主旨で製作されているミニプレスです。現在4号まで発行されていて、すべて揃えて販売しています。

巻頭にはその号の製作に関与した女性たちのプロフィ−ルが掲載されています。編集長の明石あおいさんは、葵祭の日に生まれた京都女子。その周りに、個性的な女性が集まっています。編集方針としては、毎号大きなテーマを決め、それに沿ってライターたちが町に飛び出し、足でかせいだ原稿と写真を持ち寄り、豊富な内容の一冊に仕上がっています。

1号は「女子13人分の富山」、2号が「雪国だからこそ。」、3号が「乗り物天国、富山」、4号が「山に富む県」というのがテーマです。

3号で、立山連峰「多手山プロジェクト」という面白い企画という記事を見つけました。これ、山地方鉄道・立山線沿線の住民のプロジェクトです。富山には多くの観光客が向かいますが、その沿線にはなかなか興味をもってもらえない。少しでも立山町のことを知ってもらおうという企画です。

で、中身は列車に向かって手をふる。それだけです…….。はっ??てシンプルな企画ですが、会を重ねるごとに多くの人が参加。「オ〜イ」と手をふって、遠くの人に思いを伝えるだけなのに、知らない者同士に連帯が出来てきています。

「自分の暮らすまちが面白く思える瞬間って、こんな小さなきっかけかもしれません。退屈だなぁと思っていた風景が、ある日を境に魅力的に映る。」と取材された立山町在住の陶芸家、釋永陽さんは書かれています。

女性の視点で切り取った日常の風景に潜む幸せを、見せてくれるミニプレスです。各号1620円(税込み)

蛇足ながら、富山地方鉄道・立山線を走る電車は、どう見ても京阪電車の車両に見えてくるのですが、詳しい方教えて下さい。

★レティシア書房 夏の一箱古本市のお知らせ 

8月9日(火)〜8月20日(土)20数店が今年も店内に出店します!

 

 

「特集−寺泊、弥彦、岩屋、巻編」

と言われても、え?どこ?何県?、て感じですが、新潟発のミニプレス「Life-mag」最新号(972円)の表紙に書かれた地名です。新潟県弥彦山周辺の地域の、歴史、文化を見つめた特集です。長岡市の「寺泊」、西浦原郡弥彦村の「弥彦」、新潟市の「岩室」と「巻」。

越の国、開祖の祖神「おやひこさま」の姿を追いかけるルポからスタートします。この祖神を祀る彌彦神社の起源を権宮司に聞き、神事、様々な行事に参加しながらひも解いていきます。なにやら「ブラタモリ」的楽しさもある内容です。宮司へのインタビューで、神様も間違いをおかす?という話は見逃せません。

そして、もう一つの特集は、東北電力が角海浜に建設予定の原子力発電所をめぐる、旧巻町で行われた住民投票です。65年ぐらいから東北電力はダミー会社を動かし、大型レジャー施設建設という名目で土地の買収を開始、69年に「新潟日報」にすっぱ抜かれました。そして94年、建設計画が具体化してから、紆余曲折を経て、96年、日本初の条例に基づく住民投票が実施され、建設反対の結果を出しました。

が、電力会社、国、県はそれを無視。長い裁判闘争を経て、2003年計画は中止されました。その長く苦しい道程を、元巻町長や、反対運動を起こした人へのインタビューと、当時の貴重な写真で見せてくれます。

京都から新潟は遠い場所ですが、知らない地域のことを知って、行ってみようかなと思わせたら、ミニプレスの力って、そこらの付録だらけの雑誌より強いと、私は信じています。

その他にも、巻出身のシンガーソングライター(ステージ写真がとてもステキなじぃちゃんです)や、弥彦生まれで「劇団新派」唯一の女形の役者、英太郎さん等々が登場しますが、どなたも魅力的です。

「Life-mag」は、これから当店で取り扱いを始めますので、新潟出身の方も、そうでない方もぜひ一度、手に取ってみてください。

もう一点、南房総発のフリーペーパー「0470」も店頭配布を始めました。紅白の鯉が表紙のフリーペーパーです。こちらは数に限りがありますのでお早めに。

 

物理学系の科学者が中心の随筆、評論を主体としたミニプレス「窮理」(702円)最新4号が入荷しました。

理科系かぁ・・・・と思わずに、一度パラパラと捲って下さい。3号では「随筆遺産発掘」シリーズとして、湯川秀樹が、昭和21年に発表した「京の山」を読むことができます。昭和18年、再び京に住むことになった湯川が、深泥池に近い住居の2階から見える京の山並みを見つめたエッセイです。簡潔で美しい文章です。

又、宇宙物理学の吉田直紀が「宇宙人は攻めてくるのか」をマジメに検討していて、これが面白い。宇宙人が地球に攻めて来るみたいな映画やお話が多いのですが、吉田によると、地球に来るだけの科学力と知性を持っている種族は、わざわざ地球くんだりまで来ない、と結論づけています。

さて4号では、理学博士の池内了が、江戸時代商人でありながら、学問に親しみ、博物学的なコレクションをしたり、壮大な発想の著作を残した二人の人物を紹介しています。その一人、両替商の番頭の山片蟠桃は、著書「夢の代」で、とてつもなく大きな宇宙論を展開しています。それは、地動説に立脚し、恒星が無数に散らばって無数の太陽系を構成するというもので、学者でも何でもない人間が、この時代にこんなことを考えていたんですね。

蛇足ながら、日本文化に関する賞として82年山片蟠桃賞 が創設されました。第一回受賞はドナルド・キーンでした。

当店でも人気の物理学者中谷宇吉郎のエピソードを書いた、杉山滋郎の「中谷宇吉郎余話」もファンには見逃せません。彼は、周囲の人達の名文、名著が世の中に出るよう労を惜しまなかったという話が書かれていますが、ここに戦前の京都の出版社、甲鳥書林が出て来ます。中谷と甲鳥書林との関係も興味深いものがあります。

たまには、こういう理路整然とした文章を一杯頭に入れて、脳内空間をキリッと整えておきたいものです。

なお、バックナンバーは2号と3号のみ在庫があります。

新刊で「ご当地発のリトルプレス」(パイ・インターナショナル社2160円)が入荷しました。

デザイン、写真の本などでファンの多い出版社から、リトルプレス紹介の本が出る世の中になったんですね。思えば、うちの開店当時は、「リトルプレスってなに?」と、よく訊かれたものですが、ここまで知られるようになったということでしょう。

「郷土愛が伝わる!47都道府県から集めた地域発のリトルマガジン」という主旨で集められたリトルプレスは60数冊。そのうち約半分は、当店で、かつて取り扱っていたり、今も並べているものだというのも驚きですが。

この本は[北海道・東北]、[関東]、[北陸・中部・東海]、[近畿]、[中国・四国]、[九州・沖縄]のエリア別に分かれて、その地域の面白いリトルプレスを紹介しています。

[北海道・東北]の一番目は、知床発の「シリエトクノート」。当店でもお馴染みですが、今や、入手不可能なバックナンバーも紹介されていて貴重です。この本で取り上げられているのは、有料のものばかりでなく、無料のいわゆるフリーペーパーも載っています。多くの雑誌を前にして、何をチョイスするか、外すかという選択は、中々大変な作業だったと思います。

これ無料?と、首を傾げた、丁寧な作りで、内容も豊富な秋田県発の「のんびり」は、毎回、すぐに品切れになるフリーペーパーでしたが、惜しくも発行終了となりました。同じく、フリーで発行されている広島県江田市発の「Bridge」。こちらは、まだ現役です。

こうして一堂に会したリトルプレスを見ていると、自分たちの暮らしの足下を見つめて、小さな幸せを探そうとしている気持ちが伝わってきます。「アベノミクス」なんてどうでもいいや〜という姿勢がいいですね。

最後を飾るのは、[九州・沖縄]エリアから沖縄発「百年の食卓」です。おばぁとおじぃの暮らしと日々のごはんを見つめた本で、背伸びをしない、上を見ない、あくせくしない、ステキな一冊です。

リトルプレスの良さを知ってもらうためには絶好の入門書です。この本に紹介されていないものも無数にあり、ぜひ店頭で、お好みの一冊を探してください。

フリーペーパーは、当店では高知発「とさぶし」、本の紹介「BOOKMARK」、ジャズ情報満載の「WAY OUT WEST」そして映画を一本取り上げる「めいが通信」が人気です。

「脳内楽園」って何?どうやってそんな場所を巡礼するの??

本日入荷した「脳内楽園巡礼」(1500円)の著者、小嶋独観は「神様仏様は実在しないが、脳内には存在する」と、長い神社仏閣巡りで得た結論を元にこう語ります。

「ごくたま〜にその脳内の光景をまんま現実世界に再構築しようとする傑人が出現するのですよ。そうした現象を私は脳内楽園と称して日々ウォッチを続けておるのだよ。」

で、その実例ともいえる国内外の神社仏閣を集めて、「世界を内包する建築」「霊場を宇宙に見立てる」「脳内楽園」の三章に分けて、珍妙奇妙な場所を紹介してゆくのが、この本です。

いやぁ〜、何これ??ともう目が丸くなって、笑ってしまいそうな記事連続です。

大阪能勢の高籠の参拝方法は、1階から6階に続くスロープを参拝者に変わって、「オモチャの汽車」が代理参拝するというとんでもない代物。自動巡拝往復と呼ぶそうで、おおくの信者がされているとか…..。

京都の大メジャー伏見稲荷神社も登場します。なんでそんな有名なところが?と思われるかもしれませんが、観光客に人気の「千本鳥居」の奥に点在する「お塚」と呼ばれる奉拝所にうず高く積まれた小さな鳥居にスポットが当てられています。ほぉ〜そういうことだったんだと納得です。面白い!です。

海外に目を転じると、台湾の麻豆代天府が登場します。数百メートルにも及ぶ巨大な龍に、電動仕掛けの立体地獄絵巻と、遊園地か、ここは!という展開です。そのグロさ、残酷さにもうクラクラしてきそうですが、そこを抜けると、極楽のジオラマが迎えてくれます。そして、著者はこう言います。

「地獄があまりにも凄かっただけに極楽はやや拍子抜け。ぬるいユートピアよりも恐ろしい地獄の方が想像力や興味が掻き立てられるのは人間の性であり業なのだ」

個人的にはミャンマーの超装飾系寺院タンボディ寺院に足を運んでみたい。ファンキーな仏像、ポップな寺院にきっと頭の中ぐらぐらとゆすられて、気分良くなりそうですね。

是非、一度店頭でご覧下さい。きっと笑えます。「笑う門には福きたる」ってこの事かもね。