ヨレヨレ第4号、お待ちのお客様、大変お待たせいたしました。なんと4ページ増量で発売です(500円)。

ヨレヨレは、福岡の「宅老所よりあい」でお年寄りたちとのドタバタな日々を綴ったミニプレス。1号から3号まで、入荷の度に売り切れてゆく、今年当店で最も動いた雑誌です。(今なら在庫すべてあります)

「ごぶさた第4号 うちら陽気な絶滅危惧種」と表紙から、相変わらず笑わせてくれる最新号の特集の一つは「死んだらどうする詩人対談 伊藤比呂美×谷川俊太郎」。詩人の伊藤さんは、70過ぎたら寂聴の跡目をついで「ポスト寂聴」になりたいなんて話も飛び出します。子供を産むこと、子育て、夫婦のこと、詩を書くこと、介護のこと、そして死ぬこと、同じ地続きで、全く深刻になることなく、語り合われます。

そしてこの号で、下村恵美子さんの退職が書かれています。え?下村さんって?誰それ?という方には、先ずこの文章をお読み下さい。

「世の中には、もらっていいお金と、もらっちゃいかんお金がある!」珍しく激しい口調だった。「そんなものを利用して集めたお金は、自分たちで集めたお金とは言わない。自分たちで集めたと胸を張って言えないなら、そんなお金にはなんの意味もない。意味のないお金でどんなに立派な建物を建てたって、そんな建物にはなんの意味もない!」そして下村恵美子は「そこを間違ったら、私たちは間違う」と言った。

これは、「宅老所よりあい」建設と雑誌「ヨレヨレ」創設までの獅子奮迅の、当事者はもう死にものぐるいでも、読者は大爆笑すること間違いなしの鹿子裕文著「へろへろ」(ナナロク社1620円)の一部分です。「よりあい」を建設するために、3億もの資金集めに奔走するスタッフの前に、マスコミから取材やら原稿依頼が舞い込み、その原稿料を建築費に回すという案が出た時に、その中心にいた下村恵美子さんの言葉です。

どんな難関も、「ケセラセラ〜、なるようになる」と笑い飛ばしながら、ぶち壊してゆく下村さんの圧倒的行動力に釘付けになります。彼女を中心に、著者も含めて巻き込まれていった、多くのスタッフの開所までの日々を追っかけたこの本は、単に宅老所の開設の記録ではなく、自分の立ち位置を確認しながら、生きてゆくことを教えてくれます。その彼女も62歳。ついに「よりあい」を去る日が来ます。4号で初めて、彼女が被曝二世だったこと、そして後遺症に苦しんで死んだ母のこと、若い時に、やはり資金を集めて国連に出向き、被曝者家族として堂々とスピーチをしたこと等々が語られます。そして最後にこう言ってお別れです。

「一人一人が、この世で起きているいろんなことに、どうか敏感であって欲しいと私は願っています」

貴方をきっと元気にするのが、「ヨレヨレ」であり「へろへろ」だ!と、この際言い切ります。

もう、一年ぐらい前になるのでしょうか。若い男性のお客様から「ヨレヨレ」ありますか?とのお問い合せがありました。なんだ「ヨレヨレ」って??

九州にある「宅老所よりあい」が出している雑誌であることが判明。早速取り寄せました。

宅老所が出しているだけあって、老人との日々のお付き合いが細々書かれていました。正直こんなん、売れんの?という私の杞憂に反して、どんどん売れていきます。それも、若い人からお年寄りまで関係なくにです。

老いるということを、こんな風に書けるのは、実際、日々老人とのドタバタに接しているからなのでしょうね。1号の表紙が宮崎駿、2号が忌野清志郎、3号がアホの坂田の衝撃的なイラストだったこともあり、手に取ったお客様が買われていきます。

その「ヨレヨレ」を作っている鹿子裕文さんが、単行本を出版されました。題して「へろへろ」(ナナロク社1620円)。

「ぶっとばせ貧老!未来はそんなに暗くない」

と帯に書かれたこの本は、お金もコネもない人達が、あーだ、こーだと試行錯誤しなから、居場所を手に入れて、お金を集めて特別養護老人ホームを立ち上げるまでを追っかけた痛快無比の記録です。介護や、老人問題をテーマにした本ではありません。無謀で、無計画でもやります!という新しいことを始める時のほとばしる無茶なエネルギーを描いた本と思ってください。

このホームは「僕たちは<老人ホームに入らないで済むための老人ホーム>を作る」という無茶苦茶な発想からスタートします。その発想を現実のものとして定着してゆく日々のドタバタは、これから新しいことを展開する人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

第一章「へろへろ発動編」に「よりあい」の基本姿勢が書かれています

「一人の困ったお年寄りから始る。一人の困ったお年寄りから始る」

制度があるからでもなく、施設を作りたいからでもなく、夢を実現したいからでもない。

「目の前になんとかしないとどうにもならない人がいるからやるのだ。その必要に迫られたからやるのだ。それは理念ではない。行動のあり方だ。頭で考えるより前にとにかく身体を動かす。要するに『つべこべ言わずにちゃちゃっとやる!』のだ」

いやぁ〜「ちゃちゃっとやる!」という明太子パワーには感服しますね。

ちなみに、著者の鹿子さんは、元々はロック雑誌「ロッキンオン」の編集者。老人問題や福祉とは無縁の人です。だからこそ、「ヨレヨレ」も「ヘロヘロ」も新鮮で面白いのかもしれません。

ついに「ヨレヨレ」の第四号も発売されました。今日もお客様から「ヨレヨレ4号ありますか?」ときかれたところです。スミマセン。もう少しお待ちください!近日入荷します!!

 

福岡の宅老所に集まる老人達との日々を追いかけた、当店で人気のミニプレス「ヨレヨレ」。老人の現状を扱った雑誌ですが、編集者自ら「読んでも役に立たないかもしれません。」と言うぐらい変な雑誌です。

この変な雑誌の表紙のイラストがまたユニーク。創刊号が宮崎駿、2号が忌野清志郎、3号がアホの坂田の似顔絵ですが、どの号も見事に彼等の個性を捉えているのが素敵です。これを描いているのが、弱冠11歳のモンド君です。今回、在京の出版社ミシマ社の企画で「モンドウィーク」なるイベントが本日より始動しました。

比較的ご近所の8店の店に、モンド君の作品が、数点づつ飾られていて、それを観ながら、何かお買い上げいただくとスタンプを捺します。そのスタンプを三つ集めると、素敵なモンドくんグッズが貰えるという企画です。参加店舗は下記の通りです。

ミシマ社

ブックカフェUNITE

ギャラリー nowaki

古書&CDヨゾラ舎

カフェHiFiCafe

新刊書店 三月書房

古書&CD10000tアローントコ

カフェItalGabonです。

ポストカード以外にも、彼が挿画を担当した甲野善紀著「今までにない職業をつくる」等も販売しています。

なお、8月9日(日)には、ミシマ社にて「モンドくんの似顔絵さん」、モンド君のお父さんのボギーさんの「ボギーさんに聞く、子育てと絵のはなし」という楽しそうなイベントもあります。(要予約)

 

 

 

暫く前ですが「ヨレヨレ」ありますか、というお客様が来店されました。は?「ヨレヨレ?」なんのこっちゃ?? 調べてみたのですがわかりませんでした。ところが、先日ブログで紹介した幅允彦さんの「本なんて読まなくたっていいのだけれど」(売切れました)に、「ヨレヨレ」が登場するのです。

このミニプレス、九州の老人介護施設「宅老所よりあい」が出している雑誌だったのです。さらに、驚くべき事に、介護を扱った雑誌ではなかったのです。創刊号にこう書かれています。

この雑誌は、『宅老所よりあい』のことを全面的に取り扱った雑誌です。ですが、それはあまり気にしないでください。

別に何か問題を提起して連帯を呼びかけようとか、お涙頂戴の話をしようとか、そういうつもりはまったくありません(だって、そんなのつまらないでしょ)。また、介護の専門誌でもありません。

この雑誌に出てくるのは、そういうことではなく、よりあい職員が介護という仕事を通じて繰り広げているドタバタです。それはどこか滑稽で、人間くさい話です。そして全部本当に起きた話です。」

ぱらぱら読んでみて、いや、もうバカバカしい話やら、笑うしかないでしょ、みたいなコメントや、なんだこれ、脱力系サブカルマガジンか!?と思ってしまいました。大体、表紙が凄いです。創刊号が宮崎駿、2号が「タイマーズ」時代の忌野清志郎、3号が「アホの」坂田の、人を食ったイラストですから。そして、こんなキャプションが書いてあります

「ぼける前に読んでおきたい」

「よりあい」はリハビリ行為など全くなく、お年寄りが集まって、お茶をのんだり、ブラブラするだけの施設で、職員はひたすら、それに付き合うだけです。そんな施設が3カ所と、週末に素人による手づくりカフェで運営されています。確かに、小難しい話もなければ、悲観的な現場のレポートもなく、ひたすら力ますに、今を楽しみましょう、あんたもね、みたいな感じです。

創刊号には、こう書かれています。「楽しもう。もがきながら」と。なる程、この雑誌は、日々いろんな場面で苦労したり、悩んだりしている人達に、肩の力を抜かせる力を持っているのですね。

表紙を捲ると、「読書上の注意点」という編集部の文章が載っています。曰く、「滑稽な話ばかりです。でも全部本当に起きた話です。全部本当に起きた話ですが、読んでも役に立たないかもしれません。その可能性は大です。ま、そんな感じです」

いいなぁ「ま、そんな感じです」って感覚。