棚からうさもちさんの作品展「うさぎがたり」で展示販売されている、うさぎ達が、どんどんと新しいご主人の元へ旅立っています。(3月15日まで 当書房にて)

「うさぎの旅立ち」と言えば、一冊の本と、その原作を映画にしたアニメと、音楽を思いだします。

リチャード・アダムス原作「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち上・下」(評論社800円)です。

野うさぎを主人公に描いた児童文学作品で、タイトルは英国ハンプシャー州にある丘の名前にちなんだもので、著者自身が育った場所です。この物語に登場するうさぎ達は、高度な知性を持っています。彼等の生存のための闘争が展開される、壮大な英雄物語と言っていいでしょう。スリリングな展開にワクワクさせられます。それが、アニメ化され、確かアート・ガーファンクルが、メインテーマを歌っていましたっけ。一時、部屋のこのオリジナルポスターを貼って、サントラを聴いていました。

 

もう一冊、素敵な動物が登場する小説が出てきました。シーラ・バーンフォード作「信じられぬ旅」(集英社200円)です。このタイトルでは、お分かりならない方でも、「三匹荒野を行く」といえば、「あ〜!あのディズニーの映画か!」と思いだされるかもしれません。これ、二匹の犬と一匹の猫が、危機また危機を突破して、飼い主の元に戻ってくる物語ですが、犬と猫が一緒に旅をする、まさに「信じられぬ旅」です。

著者は後書きでこう書いています。

「動物達の本来の行動をあるがままに記し、犬や猫に余計な人間的感情を持たせず、つまり人間臭くない動物達の姿を描く」

人間寄りの物語を構成していないからこそ、いつの時代の人が読んでも感動するのでしょう。

人間寄りの思い上がりや、過剰な愛情を排して、捨てられた犬たちの現状とレスキューを描いた、第一線の児童文学作家、森絵都の「君と一緒に生きよう」(毎日新聞社700円)の本の扉には、こんな文章があります。

「愛がなくては始まらない 愛だけでは守れない」

この冷静な立ち位置が大事なことではないでしょうか。