絵画、写真、版画を問わず展覧会には足を運ぶほうですが、陶芸だけはイマイチわかりませんでした。飯を喰う茶碗じゃねえか、ぐらいの認識で、自慢ではありませんがその手の展覧会には一度も行ったことがありませんでした、しかし、

京都国立近代美術館の八木一夫の図録(1500円)を観た時、強烈な面白さにのけぞりました。1918年、地元五条坂の陶芸家の家に生まれ、非実用的なオブジェ作品を制作しながら、生涯「茶碗や」を自称していた変わり者。

奔放なラインと描かれた図案の楽しさに、おっ、おっと魅き込まれました。1950年作の「二口壷」なんて、ミロと一緒に焼いたん?と聴きたくなります。本屋として見逃せないのが、書物の開いた状態を何点も陶器にしている作品群です。本のページに窓みたいな穴が空いていたり、丸眼鏡が置いてあったりと、陶芸家が楽しそうに制作している現場が見えてきそうです。

「オモロイ」、「コレイタダキ」が彼の口癖だったそうです。強く関心をひくもの、感性が見抜く様々な事象の中に内在する美的なものを、引っ張り出すのが楽しくて仕方ないという作家の本質を物語る言葉です。

もう一点、おもしろい図録が入荷しました。

「現代陶芸と原始土器土の発見」(500円)です。これは1990年滋賀県県立陶芸の森陶芸館でおこなわれた展覧会の図録ですが、タイトル通り現代陶器の作品と、縄文時代等の土器を並べた図録です。弥生後期の作品と勅使河原宏の作品が一緒に掲載されたりと、もうどれが現代でどれが古代か、ぐらい個性的な作品が並んでいます。古の人って、現代アートしてたんですね。よくわからん日本語ですが。

■1月31日のブログで紹介した奈良原一高の写真集「王国ー沈黙の薗・壁の中ー」は売り切れました。

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