「飲み屋ってのは、ハゲたらダメなんだよ。コーヒー屋のオヤジはハゲればハゲるほど、コーヒーがうまくなる。味に濃さが出る。でも飲み屋のオヤジがハゲると酒がまずくなる。これ、ほんとだから!オレが長いことやって来れたのは、ハゲなかったからだよ」

なんて言ってるのは、東京下北沢で40年続くロックバー「イート・ア・ピーチ」のオーナー中居克博さんです。彼は1974年にこの店を始めました。凄いですね、40年も同じ場所で、ロックバーを営んているなんて!

こんな名物オヤジたち11人の人生観、音楽への思い、店への愛着を描いたのが、和田静香「東京ロックバー」(シンコーミュージック/古書650円)です。

中居さんの話を続けます。彼が、店を継いだのはなんと19歳。前のオーナーが体を壊したため、やってみるかと言われて、うんと言ったのが始まりでした。いきなり大学生に店を譲る人も、譲られて拒否しなかった方も、なんだか凄い。筆者は「70年代ってお店を開くことが今よりもずっと堅苦しいものじゃなく、しかもロックが学生のものだったから学生がロック喫茶をやるのはそんなに奇をてらったことでもなかったようだ。」と書いています。

日本最古のジャズ喫茶は横浜にある「ちぐさ」。昭和8年開店です。私も行ったことがあります。で、最古のロックバーとなると1972年開店の「フルハウス」だろうということで、千葉県の稲毛にあるお店に筆者は向かいます。オープンした頃、日本中を震撼させた連合赤軍による「あさま山荘事件」を、持ち込んだTV で客と一緒に店で観ていたと語る高山真一さんは66歳。彼は電電公社(現NTT)に務めるサラリーマンでした。それが、どうして東京でもない千葉の片隅に店を開いたのか、面白いエピソード満載。そして今の心境をこう語っています。

「飲みすぎたからいつ脳こうそくになってもおかしくはない。一応は丈夫だけど、血液はドロドロだよ。この年になるとね。健康を一番考える。」

間食なし。納豆と魚焼いた朝ごはんを8時に食べ、自分で畑をやり、野菜を作る。まるで健康雑誌に登場しそうな人物です。でも、自分の店についてこんなことも言ってます。

「勉強してますよ、そうしないと若い子にバカにされちゃうし、ここが老人ホームみたいになるのはイヤなんでね。」

同感です。私も店を開けるとき、若い人に支持されない店には絶対したくないし、上から目線で語るジジイになりたくない、と思っていました。

昨年、当店で個展を開いてもらった九州の造形作家9cueさんと、彼女が是非行きたかったという市内のロックバーにご一緒しました。あぁ〜、この雰囲気、懐かしい!何十年もロックを聴いてて良かったとつくづく思いました。

“No music No life”ですね。

お知らせ 

緊急事態宣言は解除されましたが、暫くの間、営業日・時間を下記のようにさせていただきます。

営業日:毎週 火曜日、木曜日、土曜日、日曜日 営業時間:13時〜18時

通販、メールでの在庫確認は常時できますので、ご利用ください。通常営業再開はHPにて告知いたします。(info@book-laetitia.mond.jp)