なんと屋久島に出版社を作って、雑誌を発行した人物がいます。国本真治さん。タイトルは「SAUNTER」。

「屋久島に出版社を作って、雑誌『サウンターマガジン』を創刊することになった。このご時世に田舎で紙の雑誌を……とも言われたけど、東京でもアフリカのサバンナも瞬時に同じ情報が手に入るこの時代だからこそ、日本の離島発であることにたいして意味はないし、完全なインディペンデントである僕らは広く浅くも望んでいない、好きな世界観を持つ人たちと繋がりコミュニティを形成したいのみだ。」

という力強い宣言文の通り、屋久島にとどまらず世界各地で自然と大地と共に生きる人たちを、美しい写真と共に紹介しています。現在3号まで出版されていて、養老孟司、石川直樹、宮沢和史、アン・サリー等が原稿を寄せています。そして特筆すべき点は写真の素晴らしさです。

1号の屋久島の素晴らしさ、古きよきチベット文化が色濃く残るインド北西部のラダックの人々、2号では写真家中村力也が、癌の闘病生活を経た妻と共に行った世界一周の旅の写真、3号の井上明による「音と祈りの南インド」と題した写真などを、じっくりと眺めているとそれぞれの土地の表情、そこに生きる人々の物語を読み取ることができます。

個人的には、「音と祈りの南インド」に登場するインドの写真に強く惹かれました。かの国の湿度、匂い、音楽が間近まで迫ってくるようでした。ニューヨークやパリ、ロンドンあるいは東京だけが世界ではないという確信をもたらせてくれる雑誌だと思います。