月曜日定休の店をやっていると、美術館にゆっくり行けないのがちょっと不便です。なので、たまに連休を頂くと、その火曜日を利用して、美術館へ、というのが目下の楽しみです。

今回は、愛知県立美術館で開催されている「片岡球子展」に行ってきました。長寿だった日本画家、片岡球子の作品は初めて実物を観たのですが、鮮烈な色彩、大胆な構図、パワフルな線に圧倒されました。静かに佇む富士山が、彼女にかかると、今にも噴火するぜ!という勢いです。

若い頃に、阿波踊りに興じる男たちを描いたものがありましたが、彼等の太い腕、逞しい足の動きが、踊っている真っ最中の楽しさを表現していて、好きな作品です。

80代後半になって取り組んだ裸婦像にも、その力強さは顕著に表れていました。真っ直ぐに伸びた足、ぐっと組合わさった両手。みずみずしい裸婦像です。また、古典芸能をテーマにした作品も手掛けており、歌舞伎、能、雅楽などの舞台を描いた作品も見ることができました。

一時「ゲテモノ」扱いされていたみたいですが、日本画家、小林古径に「今のあなたの絵はゲテモノに違いないが、ゲテモノと本物は紙一重の差だ… あなたの絵を絶対に変えてはいけない…」と励まされ、自分の画風を貫きました。モダンな画風は、今なら歓迎されるところでしょう。

足利尊氏のこの肖像画など、かなりデフォルメされていますが、笑っている様な、どこか寂しそうな、そして、ちょいお疲れ気味の雰囲気は、室町時代を築いた将軍の威厳こそありませんが、なんだかとても親しみやすい人物に見えてきて素敵です。横に並んでいた義満像、義政像もとてもユーモラスでした。

愛知県立美術館は、ビルの10階にあるのですが、全館アートのためのビルで、様々な企画を行っているみたいです。B2には、アート系専門書店があり、充実した品揃えでした。

さて、この美術館の近く、三越専門店「ラシック」で開催されている安藤誠さんの写真展に向いました。彼は、北海道の宿「ヒッコリーウインド」のオーナーで、今秋11月3日(火)〜15日(日)、レティシア書房で写真展の開催を予定しています。その下見も兼ねて観ておこうと足を向けました。

おしゃれな人たちが行き交う専門店の一階に、北海道の大自然に息づく動物や、広大な風景が飾られていました。多くのショッピングの途中の方々が、足を止めて写真を観ておられました。写真に力があるということなのですね。

まだ、はっきりとは決まっていませんが、写真展の直前に、3回目となるトークショー「安藤塾」も行う予定です。詳細はまたHPでご紹介していきます。ぜひご期待下さい。

 

昨日午后7時半より書房内で、北海道のネイチャーガイド、安藤誠さんの「安藤塾」を開催しました。今年で3回目ですが、満席となりました。狭い店内で、窮屈な状態の中ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

北海道の野生のスライドと、安藤さんの軽妙なトークに、初参加の方も、常連の方もきっと楽しんでいただけたと信じています。フクロウ、鷲、隼、丹頂鶴を中心にセレクトされた鳥達のダイナミックな写真はどれも見事でした。猛禽類のグッと睨んだ視線には、こちらの心の中を射抜かれている気分になります。一方、細やかな感情を表現する丹頂鶴の求愛ダンスの仕草は、まるでモダンバレエのワンカットを見ているようです。

今回は、女性を画面に入れた「夕暮れのフローラ」や、蜘蛛の巣に絡み付いた水滴を捉えた「小宇宙」とか、ご本人曰く、「芸風を変えた」作品も続々登場しました。もちろん、知床で撮影された熊の親子の作品も健在です。北海道の自然の素晴らしさを訴える安藤さんですが、毎年企画しているアラスカツァーで撮影された、オーロラの不思議な魅力の写真も披露してもらいました。

店内に北国の自然の中にあるんじゃないのと錯覚させる1時間でした。CD付き写真集「Ordinary Miracle 」最新版の即売会も盛況のうちに終了。音楽好き、本好きのご本人は大量のCDと本をゲットして、次の講演地の大津に向かわれました。また、来年もお願いします、安藤さん!

ところで、店内には安藤さんが文章を寄せられた「探鳥見聞録」(文踊社1200円)を在庫していますが、本人撮影による蝦夷フクロウのポストカードをレティシア書房特典としていただきました。森の仙人というイメージの素敵な写真です。

安藤さん夫妻経営のロッジ、「ヒッコリーウインド」のオフィシャルパンフレットもありますので、興味のある方はお申し出ください。

北海道発の雑誌「スロウ」別冊の「スロウな宿を訪ねて」(1645円)では、「ヒッコリーウィンド」が紹介されています。

 

 

今年も北海道から、北国の自然の事、アラスカのオーロラの事などを魅力的に話してくださるネイチャーガイドで、釧路鶴居村のロッジ「ヒッコリーウィンド」オーナー、安藤誠さんの講演が決まりました。

10月25日(土)夜7時30分からです。(有料、要予約)

昨年は、日本の野生の熊の危機的状況や、アラスカの大自然の美しさを熱心にお話いただきました。さて、今年は何について語られるのか、今から楽しみです。

レティシア書房開店の年から、毎年講演をお願いしていて、今年で3回目。いつも店内の本棚を楽しげに見ておられますが、とりわけネイチャー関連の棚は熱心です。今年も彼好み?の本を揃えています。もちろん、お客様にも気に入ってもらいたくて、こちらも気合いが入ります。

北海道と言えばアイヌ民族のことは外せません。で、「先住民族の本」という棚を拡張しました。従来の在庫に加えて、人類学者の山田孝子がアイヌの言葉が形成する宇宙と自然を解説した「アイヌの世界観」(講談社900円)、萱野茂がアイヌ民族に伝わる数多くの昔話を紹介する「ひとつぶのサッチポロ」(平凡社1300円)などが新しく加わりました。

アイヌ民族だけではありません。イヌイット、ネイティブアメリカンへと、先住民族というカテゴリーに捕われることなく、アジア、アフリカ等で暮らす人々を見つめた本もターゲットにしています。

例えば、ギニア出身の作家カマラ・ライエが自分の少年時代を振返った自伝的小説「アフリカの子」(偕成社600円)、トルコ遊牧民と共に暮らした記録をまとめた新藤悦子「羊飼いの口笛が聴こえる」(朝日新聞社500円)、写真家稲垣功一がぐるりアジアを巡った経験を文章と素晴らしい写真で構成した「アジア視線」(毎日新聞社600円)等々入荷しました。

本だけではありません、ロシア、モンゴルに囲まれた小国ブリヤード共和国の遊牧民の女性ナムガルの、或は西サハラの難民キャンプ生まれの女性アジサ・ブラヒムのエモーショナルに響く歌声の詰まったCDが入荷しています。この音楽に関しては、また別の機会に詳しく紹介いたします。

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『これ、アイヌの言葉で「こんにちわ」ですが、その言葉の中には「あなたの心に触れさせて下さい」という意味が含まれています。』

と、こんな感じで、20日(日)夜、北海道のネイチャーガイド安藤誠さんに、昨年に続いてトーク&スライドショーをしていただきました。安藤さんは釧路鶴居村のペンション「ヒッコリーウィンド」のオーナーでもあります。15名程のお客様でぎっしりの狭い店内、ミュージシャンでもある彼が、古いギターで弾く「アメイジンググレイス」で開幕。

憧れていた職業は森林警備隊で、シートン動物記などに夢中だった少年時代。そんな心底森を愛する彼の撮影した、北海道、アラスカの自然の写真は、ダイレクトに心に響いてきます。

毎年行われているカナダでのオーロラツアーの時の写真を見せながら、実はオーロラという言葉は海外では通じなくて、正確には「ノーザンライツ」(星野道夫の本にも同タイトルの著書があります)という事や、何故オーロラが発生するか、またオーロラの研究では日本が世界屈指だということなど、みなさん「へぇ〜」連発の90分でした。

昨年は、主に日本のクマの現状を憂う話でした。今年は、ボンクラ首相の画策する危険な政策の話や、そしてその事をきちんと報道しないTV、プレスへの怒りなども交えながら、嘘のない自然の中にもっと入ろう、それこそが未来の真実を見つめることになるのではないか、という話でテンションあがりっぱなし。ユーモアを交えながら、大切なことは直球勝負の話しっぷりが実に気持ちいい。

野生動物の鋭い眼光と対峙すると、お前はそれでいいのかと問われます。最初に安藤さんのガイドで、ハヤブサをファィンダー越しに見た時、痛烈に感じました。今回も、まっすぐな眼差しを向けるヒグマ、鋭い視線の白頭鷲に、やはり同じ気持ちになりました。これらの写真を見て、何も感じなくなったら、警戒警報です。

翌日は、京都安藤塾第2弾。一乗寺のレストラン「猫町」で、トークと食事会。私と女房が参加していることを念頭において、見事に話の構成を変化させて、またまた堪能させてもらいました。その後は猫町さん特製の、丁寧に作られたお料理で大満足。良い話とおいしい食べ物で栄養補給して幸せな時間でした。

ところで音楽好きの安藤さんに合わせて、店には好みのCDを沢山用意して、そこかしこにワナ?を仕掛けました。そして、まんまとかかっていただきました。「くやしい!」と言いながらも「仕入れる方も、買う方も真剣勝負だしね」と言われたのは、嬉しいかぎりでした。さて、また来年のために今から作戦開始です。 力が湧きます!

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