“Lucha Libro”と聞いて、あぁ、あそこか、という本好きの方は沢山おられると思いますが、改めてご紹介いたします。

Lucha Libroは、奈良県の東吉野村にひっそりとオープンした人文系私設図書館です。電車、バスだけでは行けない奥深い自然の地に建つ自宅兼施設は、図書館、パブリックスペース、研究センターを内包しています。青木真兵さんと海青子さんが運営しています。

私がここを知ったのは、朝日新聞にも紹介されていた著書「彼岸の図書館ーぼくたちの『移住』のかたち」(夕書房新刊/2200円)を読んだのがきっかけでした。この本については2019年10月30日のブログで紹介しています。

都会で働いていた二人が、この村に移住するきっかけになったのは東日本大震災でした。日々、メディアから流れる震災と原発報道。

「ぼくたちの周りにあったいびつな状況を露わにする出来事だったと感じています。街での生活がどんどんバーチャルに思えてくるのと並行して、ぼくら夫婦の体調も悪化していきました。」

その状況から脱するために地方移住を考え、そこで海青子さんが司書として働いていた図書館を自宅に作りました。多くの人との親交の中からこれからの時代を生き抜く思想を模索する日々を、この本で読みました。

今回の展示では、図書館の味わい深い本棚や自然の中のイベントの様子、同居するかぼす(猫)やおくら(犬)の写真が飾られ、Lucha Libroがより身近に感じられます。窓から灯りが見えるLucha Libroは、山奥の静けさの中のとっても暖かな人の営みを感じます。

「当館にはクーラーが無いため、夏はこんな風に川に入ってトークイベントを行ったりしています」とは、右の写真の説明です。楽しそう!

大量消費、効率だの生産性、使い捨て、2011年以降もまだそんな言葉が大手を振って歩いている今、一度立ち止まって、体のことや心のことを考えてみませんかという場所がここなのです。

「『ルチャ・リブロ』は『生命が高まる場所』です。『どうすれば、自分の内にある最高で最良の部分が十分に活動でき、その成長と開花が可能になるだろうか』と自分に問いかける場こそが、ルチャ・リブロです。花や草木、犬や猫、虫や鳥。生命力を持った存在である人間も、彼らと本質的には同じです。この自覚が日々の生活の中で高まっているからこそ、ぼくは心身ともに健康になったのかもしれません。」

そういう青木さんたちのことを、少しでも知ってもらいたいと思い、この展示を企画しました。写真と一緒に、海青子さんのステキなイラストも展示しています。

「SUNNY BOY BOOKS」の高橋和也さんは「経済成長を選ぶのか、共存の社会へと向かうのか。はざまの時代にあって身体感覚を取り戻すこの実験の意味は大きいです」と本の帯に書かれています。「彼岸の図書館」(夕書房2200円)「山学ノオト」(1980円)「りぶろ・れびゅう」(825円)も並べてお待ちしています。

 

なお、20日(土)、21日(日)、28日(日)には青木さんが在廊されます。この図書館のことをぜひ聞きにお越しください。

⭐️「Lucha Libro展 人文系私設図書館Lucha Libroの生産性のない日々」

2月17日(水)〜28日(日) 月火定休 13:00〜19:00