NHK朝の連ドラ「半分青い」の舞台になっている岐阜から、素敵なミニプレスが届きました。タイトルは「Edit Gifu」(864円)。

内容は盛り沢山ですが、本好きなら、古書店「徒然舎」の記事を先ずお読みいただきたいです。当店の一箱古本市にも、毎年面白い本を選書して出してもらっている素敵なお店です。『「古書と古本 徒然舎」をめぐる4人の考察』と題して、数ページに渡る特集が組まれています。4人の方々が「徒然舎さんで購入した印象深い本」の解説をされています。探していた、向田邦子の愛読書「酒吞みのまよい箸」(浅野陽)を見つけた方、田村隆一の「スコッチと銭湯」をゲットした方など、それぞれ「徒然舎」との思いを語っています。

「徒然舎さんはどんな場所?」という質問に「ゆっくりと、本に向き合える場所」と答えた方がおられましたが、こんな風にいわれたいものです。店主夫婦の素敵な笑顔のツーショットや、店内の写真が並んでいるのを見て、ご無沙汰しているのでぜひ行ってみたくなりました。

デザイン事務所「リトルクリエイティブセンター」を中心にして、3人の若者が、様々な活動をしている街中のビルがあります。1Fは、内外の文房具を販売する「ALASUKA BUNGU」。2Fは、出版社「さかだちブックス」。ここから出版された「私的岐阜観光案内」(350円)、「地方に住み始めました 岐阜市編」(702円)は当店でもお取り扱いしています。そして、3〜4Fがデザイン事務所。ここを運営する3人のロングインタビューが載っています。等身大に、無理をせずに、地道にやったきた彼らのヒストリーを読むことができます。

一つ面白い場所を見つけました。昭和の名作を”フィルム”で上映する珍しい映画館「ロイヤル劇場」です。1作品1週間交代で上映とか。古いフィルムを取り寄せると、痛みが激しく、フィルムをつなぎ合わせる作業が待っています。でも、そんな作業すら、支配人は喜々としてされているみたいです。今や、デジタル上映全盛の時代、こういうフィルムに拘る映画館は貴重です。今、上映されいるのは、昭和38年日活映画「アカシアの雨がやむとき」。西田佐知子(知らない人も多いかも。関口宏さんの奥さんです)のヒット曲を元にした、典型的な歌謡曲映画。こんな作品まだ残っていたんですね!観たいなぁ〜。

美川憲一のヒット曲「柳ヶ瀬ブルース」で有名な夜の柳ヶ瀬やら、スウィーツやら、食の情報も満載の「Edit Gifu」です。これをお供に岐阜へ行きましょう!

★「Edit Gifu」の挿絵が大好きです。(女房)

女性店主の古書店を巡る本で、今でも入荷すると売れる、岡崎武志「女子の古本屋」という古本屋さんのガイドブックがあります。本を扱って暮すそんな女性たちを、新しい視点で見つめた「本の時間を届けます」(洋泉社1000円)が入荷しました。

ここで、選ばれているポイントは、1.女性店主、主宰者の個人の力を大切にしている、2.スタートして10年に満たない、3.地域に根ざしている、の3点です。次週から、当店で始まる「女子の古本市」に参加していただく岐阜の徒然舎さん、滋賀県彦根の半月舎さん、京都のcroixille/クロアゼィユさんも取りあげられています。

croixille/クロアゼィユさんは、2015年のクリスマスに、京都大学近くの古い洋館アパートの一室にオープンしました。え?こんな場所で成り立つの?と思ってしまうロケーションですが、オーナーの中村早美さんは、「いまここにいる環境で、自分なりのやり方で、できることからはじめた」と語っておられます。この書店を特徴づけるのは月一回の読書会です。会で参加者との親交を深め。さらに市内の古書店とも繋がりを持ってネットワークを広げてゆく、というのは、croixille/クロアゼィユさんだけでなく、当店も含めて皆さん同じ気持ちだと思います。

この本では、古書店だけでなく、出版社を立ち上げた女性も紹介しています。大手出版社で猛烈編集者だった女性が、地元の北千住(東京)のアパートの一室に「センジュ出版」を立ち上げました。「弱肉強食」をモットーに、「明日死んでもかまわない」と思うぐらいの覚悟で編集者業に邁進していた彼女が、今や「共存共栄」を座右の銘にして、自分の時間を大事にしながら、本を世に送り出そうとしています。彼女の人生のこの大きな転向を促すきっかけは、小さなことから。そこが、面白いところです。(詳しくは本書で)

一方、図書館をオープンさせた女性もいるんです。瀬戸内海の男木島に大阪から移住した額賀さんがその人です。移住を決心した時、島には学校がありませんでした。先ずは、学校の再開からスタートします。多くの署名が集まり、役所を説得し、男木小中学校の再開が決まります。そして、皆が集まれる場所として図書館の開設へと進んでいきます。島にあった廃家を、持ち主とねばり強く交渉し、クラウドファンディングで資金を集め、みごと「男木島図書館」としてオープンさせました。彼女曰く

「先ずは継続ですよね。とにかく10年は続けてみる。そのぐらいはやってみないとわからないこともあると思うんです。」

多分、ここに登場する女性たちは、長く続けることで見えてくるものがあることを知っているのではないでしょうか。どこまでも自然体で気負わず、今の暮らしを守りながら大好きな本と生きるなんて、これ以上の幸せはないでしょうね。

★2月8日(水)〜19日(日)レティシア書房恒例「女子の古本市」を開催いたします。

東京、岐阜、神戸、大阪、滋賀、京都から20数店の女性店主がセレクトしたステキな本が、所狭しと並びます。ご来店お待ちしています。