静峰さんの書展は、2013年、2019年に続き3回目の開催となりました。

今回のテーマは「裂と書」。前回はコレクションされていた更紗生地と書をパネル貼りにした、とても素敵な展覧会でした。その時たまたま来店されたレティシア書房のお客様が、表具師さんでした。自己流で作っていた静峰さんは、その方にパネル張りの方法を本格的に習われ、今回は骨董市で仕入れた裂や、カーテン生地などお気に入りな生地と書のコラボになりました。

表具では、空気が入って美しく仕上がらないということであまり使われることのない絞りの布も、彼女独特のセンスでステキに組み合わされて、書かれた「舞」の字は、しなやかに舞っているようです。

大事に使われ続けた生地だったのでしょう、ツギハギを施した古布もありました。人から人の手を経た温もりのある生地と「蠢く(うごめく)」と書かれた作品が似合っています。(左写真)

もともとテキスタイルが大好きなので、今回はとても楽しい制作になったとか。表具屋さんに頼むと仕上がりはもちろん美しいけれど、自分で工夫しながら作る方法を模索してたどり着いたこの展示は、静峰さんにとって格別のものになったようです。

書を始めて50年以上とおっしゃる静峰さんの作品展。「裂に助けられた」とおっしゃってますが、彼女の潔い墨蹟は心に響きます。どれほどたくさん書かれた中の一枚を選んで展示されたかと思うと、こちらの背筋が伸びる感じがします。

書房の白い壁に並んだ「書」の世界を楽しんでいただけたら、と思います。(女房)

⭐︎静峰「裂と書」展は、10月20日(水)〜31日(日)月火定休 13:00〜19:00(最終日は18:00まで)

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静峰さんによる書展が本日より始まりました。タイトルは「多次元書」。平面に書かれた二次元の作品ですが、「書」というものの固定観念を外して見てほしいという、作家の意図ではないかと思います。

レティシア書房では、書の展覧会は珍しいのですが、2013年に静峰さんの書展を初めて開いてもらってから、彼女のファンになりました。紙に筆で一気に書き上げることは、きっと想像以上に楽しく、そして難しいものだと思います。この一枚の作品の裏に、数十枚数百枚の修錬があったに違いないのですが、それをさらっと見せてしまう墨色の美しさ、何もないところに筆を置く潔さに惹かれます。

「息」という作品(写真上)が「生」という字に見えたりします。生きる、と息が画面で一つになる。「多次元書」というタイトルには、こういったことも含まれているのかもしれません。

作品「炎」は、メラメラ燃え上がっています。この筆跡の力強いこと。一つの作品を仕上げるまでにどれほどの積み重ねがあったのか。けれども、心を無にして白い画面と対峙する時間、そんな密度の濃い時間を持つことは、本当に素晴らしいと思います。

今回静峰さんは、更紗の生地をパネル張りにして書を展示されています。床の間の設えのないところでも簡単にかけて楽しめるような、カジュアルな仕立てです。「書」を身近に感じていただければと思います。

それにしても、本屋に「書」が似合っていて嬉しい。10月に入り、朝晩少しずつ秋めいてきました。お散歩のついでにぜひのぞいて見てください。(女房)

★ 静峰展 II『多次元書』は10月1日(火)〜13日(日) 12:00〜20:00(最終日は18:00まで)月曜定休

 

 

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書家、静峰展「こころ白書」本日より、ダイナミックに開催です。

ギャラリー中央に掛けてある数点で、もう店の本の存在感は見事に吹っ飛びました。「円」という字の一気に行くぜ!みたいなエネルギーの躍動感。その横にある「愛」という字は、ちょっと傾いた字が倒れるか倒れないか、の地点で踏みとどまっているギュッとした力がひしひしと伝わります。「鼓動」という作品は、和太鼓集団「鼓童」のズドドドというサウンドが、書になった感じです。

ギャラリーの奥の方には、「笑」、「楽」、「遊」、「感」という作品が飾られています。しなやかな「楽」という字の楽しげな事。「遊」の字を見ていると遊ぶってこういうことなんだなと改めて思いました。四方八方に感性が、自由に伸びて行くことが「遊」って意味ですね。「笑」という作品は正に、左右対称に口が開いて大きく気を吐き出している様が見えてきます。

一応、作品の元の字が何であるか添えてありますが、案外先入観を持たずに見るのも楽しいかもしれません。ダイナミックで繊細で、自由奔放に筆が踊っている楽しい個展です。

※ 「静峰展」は5月5日まで(4月29日定休日)

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