次週8/7(水)よりレティシア書房恒例夏の古本市が始まります。猛暑の中、続々と本が送られてきております。そこで本日より順次ご紹介していきます。なお()内の書店名は出品者です。

いかにも、古本市!に相応しい小説です。マルコ・ペイジ著「古書殺人事件」(トラベリングブックス出品/400円)。早川書房の「ハヤカワミステリ」は、私は殆ど読んでいないのですが、これは面白かった!何かといかがわしい噂の多い、 NY の古書商が殺されます。疑われたのは、店の稀少本を盗んで逮捕され服役して、最近出所した従業員モーガン。しかし、稀少本を見つけ出すことを仕事にしてきた主人公グラスは、数万ドルもする「ドンキホーテ」の初版本を、モーガンが盗んだことに疑問を持っていました。失くなった本の行方を追って、グラスは殺人事件の渦中に飛び込んでいきます。アメリカ探偵小説の王道をゆく作品です。

2冊目は、森まゆみ著「『五足の靴』をゆく 明治の修学旅行」(トラベリングブックス出品/1200円)。明治40年、与謝野鉄幹主催の雑誌「明星」に集う若き詩人、北原白秋、平野萬里、太田正雄、古井勇は、与謝野と連れ立って、九州を旅し、各自交代で匿名執筆した紀行文を新聞に発表します。旅の足跡を追いかけて、この旅を通して花開いた文学が書き綴られています。

「五足の靴が五個の人間を運んで東京を出た。五個の人間は皆ふわふわとして落着かぬ仲間だ。」という文章で始まる明治の文学青年たちの旅の姿が描かれています。なお、この本と一緒に岩波文庫版の「五足の靴」がセットになっていますので、お買い得。著者名が「五人づれ」になっているのが笑えます。

 

おや、これは珍しい!と思ったのは、高橋悠治+坂本龍一の対話本「長電話」(古書星晴堂出品/1500円)です。各章の始まりは、電話をかけた日付になっています。第1章は「15 DECEMBER 1983 PM9:13」です。プーッ・プーッ・プーッと当時のダイアル式電話発信音から、スタートするなど芸の細かい対話本です。片や現代音楽の巨匠、片やロック&ポップス界の天才の、30年前の音楽よもやま話は知的で刺激的です。本当に電話で話したのかどうかは、わかりませんが、真面目な顔して対話するよりも、こんなリラックスした雰囲気の話の方が、面白いものかもしれません。

 

★連休のご案内  8月5日(月))6日(火)は「レティシア書房 夏の古本市」(8/7〜8/18 参加27店舗)の準備のためにお休みさせていただきます。