お正月休みも明けて、1月7日の本日より通常通り営業いたします。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、2020年ギャラリーは、京都の法蔵館書店による「本づくりへの願い・版木とともに」の展覧会で幕開けしました。

京都は日本の出版文化発祥の地で、その中核は仏教書でした。法蔵館さんは江戸時代から仏教書を中心に出版活動をされてきました。展示されている年表によると、慶長7年(1602)西村九郎右衛門、大坂城落城により京都へ転居、一向宗(浄土真宗)の仏書肆開業とあります。法蔵館と名乗られたのは明治時代からだそうですが、なにしろ長い長い歴史を紡いで400年余り。今回は、そんな法蔵館さんの蔵の中から掘り出した(?)版木の展示をしていただきました。

写真(右上)を見ると、蔵の壁は下から上まで版木の山。10000枚の版木は多くは明治以降のものですが江戸期のものもあるとか。実は店長がこの企画に先立って蔵の見学に伺いましたが、あまりの量と、蔵の息づかいみたいなものに当てられた様子で帰ってきました。金子貴昭著「近世出版の板木研究」(法蔵館書店)という本が出されていますが、その金子先生によって現在も調査中だとか。

紙の本から電子書籍へと、読書環境の変化に伴い出版業界の構造も変化しつつある今ですが、こうして手で彫り上げた美しい版木を眺めていると、情報を伝える熱い思いを改めて感じました。

また、版木のワークショップコーナーを設けました。法蔵館の小さな版木を白い紙にスタンプして、ブックカバー(文庫用)を作ってお持ち帰りください。空き缶にいっぱいに入った版木(写真右下)が、あまりに可愛いので早速押してみましたが、楽しいですよ。

昨年12月に京都新聞で大きく取り上げられた「A級戦犯者の遺言」(青木馨編・法蔵館)は、巣鴨プリズンでA級戦犯の最期に立ち会った日本人僧侶で教誨師花山信勝氏の講演録。(CD付き2420円)さらに、昨年法蔵館文庫が創刊、次々と新しい文庫も生み出されています。こちらの方はすでに店に並べています。今年、文庫第2弾新刊「アマテラスの変貌」(佐藤弘夫著・1320円)「正法眼蔵を読む」(寺田透著・1980円)も先行発売中ですので、この機会に手にとってみてください。

そして当店でも人気のミニプレス「ドーナツのあな」「おきらく書店員のまいにち」でお馴染みのいまがわゆいさんと、法蔵館がなぜかコラボした(!)かわいいクリアファイルやマスキングテープも販売しています。

というわけで、法蔵館の歩みは、これからも続きます。版木の歴史を振り返り、本の未来を少しだけ考えてみる機会になれば幸いです。(女房)

「本づくりへの願い・版木とともに」は1月19日(日)まで。13日(月)は休み

12:00〜20:00  最終日は18:00まで 

 

 

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東本願寺の近くに、仏教系書籍を主に発行する出版社「法藏館」があります。歴史は古く、慶長2年(1602年)創業の仏教書肆・丁子屋の流れを汲み、浄土真宗の仏教書を中心に、多くの仏教書全般を出版して今日に至っています。出版部門の横に書店を併設して、仏教書をメインにした書店も経営しています。東本願寺の向いにあるので、門徒さんが多いとの事でした。

一見、うちとは全く関係のなさそうな出版社なのですが、ミニプレスを買いに来られた営業の方とお話をしているうちに、当店ギャラリースペースを使って、面白い企画展が出来るかもしれないということになりました。同社が保管している、江戸時代の版木がたくさんあるとお聞きしたからです。

版木は、木版とも呼ばれていますが、印刷のために文字や絵画を(反対向きに)刻した板の事です。木版印刷や木版画制作に用いられてきました。仏教を国の宗教と定めた高麗では10~13世紀に木版印刷による経典の印刷が盛んに行われたそうです。その技術は日本にも伝わり、仏教教典、様々の学術書が、木版印刷の技術で印刷されて、多くの人々が読むことができるようになりました。江戸時代の浮世絵も、この技術なくしてはあれ程盛り上がることはありませんでした。

多くの読者に膨大な情報を伝えるという、出版の原点にあたるのが木版印刷だったのです。電子書籍やブログ、フェイスブック等新しいコミュニケーションツールが盛んな今こそ、その原点とも言える版木を知ることも良いのではないかと思い、法藏館本社にお伺いしました。実は、私が通っていた小学校はここのすぐ側にありました。お忙しいところ、西村社長と戸城編集長にお会いできて、打合せの後、同社の版木が保管されている蔵を見せてもらうことができました。蔵には多くの版木が眠っています(写真右上)。

私たちが日頃接している書物の、一番最初の形を知る事ができる展示にできればと思っています。2020年1月最初の展示になる予定です。ご期待下さい!

こんな可愛い象さんの版木(写真左)も見つけました。

 

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