1925年。ベーリング海峡を挟んでシベリア目前のアラスカの北西端に位置する小さな町ノーム。その町にとんでもない疫病が、襲いかかろうとしていました。ジフテリアです。

この病気に対抗できる唯一の手段は「ジフテリア抗毒素血清」なのですが、運悪く、町の診療所にある血清は期限切れでした。さらに、厳寒の悪天候で、港は氷結し、接岸不可能。視界ゼロで飛行機に輸送も出来ないという八方ふさがりの状況。

たった一つ、残された手段は犬ぞりによる血清搬送だけ。そして、様々な思惑はあるものの、立上がった30人の猛者たちと犬が、氷点下50度の危険極まりない氷原の疾走を開始する。もう、ここまででスペクタクル感動映画のオープニングみたいですね。これ、ゲイ・ソールズベリー&レニー・ソールズベリーによるノンフィクション「ユーコンの疾走」(光文社文庫450円)なのです。真っ白な氷原を疾駆する犬ぞりの写真は表紙に使用されていますが、犬好きには、涙ものです。

血清を運んだ距離はというと、本の中に載っている地図を見ると、気が遠くなります。このコース最大の難所、強風と生き物のように絶えず変化する氷に満ちたノートン灣を突っきって行く「氷の工場」はクライマックスです。

「気がつけば、彼は白い世界に取り囲まれていた。ホワイトアウトだ。前方に見えていたはずの水平線は、嵐の吹き荒れる曇空と、ブルーベリーヒルズの無限に続く白い僚線との間に飲み込まれてしまった。」

という状況下、この地を熟知している犬たちがひたすら走り続けていきます。空輸による血清搬送に期待していた州知事は、こう新聞に語っています。

「航空機は可能なときに飛び立つが、犬たちは可能であれ不可能であれトレイルへ飛び出していく。彼等にはただ敬服するのみである」

しかし、その後のテクノロジーの開発で、いかなる天候下でも飛行機による救出が可能になり、犬たちによる搬送は伝説になりました。この本のラストが素敵です。当時の搬送に加わった犬ぞりドライバーで最後の生き残りエドガー・ノルナーが99年1月この世を去ります。その数年前、通信社のインタビューにこう答えています。

「人助けがしたかった、ただそれだけのことさ」

なんか、渋い役者ばかりで、全編アラスカロケといった形で映像化していただきたいものです。

 

 

 

動物レスキュー組織「ARK」の2016年カレンダーを発売しております。

卓上版800円、壁掛版1000円です。(売上げはレスキューされた犬、猫のために活用されます)

我が家の愛犬マロンが、昨日の朝消えました・・・って、あんな大きい犬が??

いつもの様に朝の散歩だよ、と犬小屋を覗いたところ影も形もありません。え???・・・外に出たのか?しかし、ドアには鍵がかかっています。狭い庭や犬小屋の毛布をめくってさがしてもいない!女房も私も、えっ?えっ?で、段々とパニック状態です。

そこへ、お隣さんから、マロンちゃんが狭い通路に入り込んで動けなくなっているとの通報を受けました。家の裏にある細い空間を通って、前へ前へ進む内に戻れなくなっていたのです(通路の奥で詰まったって感じ)。この通路は、もう一匹の細めの犬ラッキーが時々遊びにいく道。バラの生垣もあり、人が行き来する幅もない上、奥で行き止まりになっているし、まさか大きなマロンが入り込むとは思いませんでした。

だけどなんで、こんな狭い所に??

そう言えば、前夜半、雷が轟いていました。多分、その音にビックリして逃げ込んだのかもしれません。犬が雷の音を苦手にしているのは、佐々木倫子の「動物のお医者さん」の主人公のチョビの受難で知っていましたが、我が家の犬もどうやらそうだったのですね。(普段は何かと怖がりのラッキーの方は、雷は大丈夫だったみたい。)

なんとか助け出さねばなりません。こんな時、火事場の馬鹿力ってホントにあるんですね。普段なら、絶対に登れないような壁をよじ上りました。その上をマロンの頭の方までほふく前進して、鼻面を少し蹴り、ご近所の方にマロンの後方からシャッター棒を首輪にひっかけて引っ張ってもらい、なんとか抜け出させました。一時は、消防に連絡までして大騒ぎになりましたが、出動に至らず事なきを得ました。ご近所のお仕事中のみなさま、月曜日の朝からお騒がせして申し訳ありませんでした。

ああいう状態の時って、異常に喉が乾くんですね。それにしても、普段使用しないような筋肉の使い方をしたので、もう今日は肩も、腕も、腰も痛んでます。マロンはというと、いつから細い通路にはさまっていたのか判りませんが、背中が濡れていたものの、そのあと元気にお散歩して、あとは爆睡。暢気な犬です。

 

 

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遺棄されたペットのことを、もうちょっと考えようという意図から始まった「ペットショップに行く前に」イベントの協賛企画として、今年も「アニマルレフユージ関西」(通称ARK)の素敵な写真展を開催します。ARKは、保健所からガス室に送られたり、虐待によって命を落とす動物の多さを見かねて、イギリス人エリザベス・オリバーさんを中心に設立され、大阪で犬猫の救助、保護そして里親探しを運営しています。阪神大震災で行き場の無くなった600頭を保護し、東日本大震災でも200頭を受け入れました。

この写真展に登場する犬、猫達は人間の身勝手などの犠牲になった悲しい動物達なのですが、彼等の表情は驚く程豊かで、見ているだけで生きる幸せを感じさせてくれます。

店のCDの棚の上に飾った猫(写真右)は、なんだかとてもジャージーで、渋い表情が魅力的。始めからここに居たみたいで、そのままCDのジャケットに使用できそうです。ARKの動物たちを撮り続けている写真家の原田京子さんも、一緒に並べながら「この子はレティシアさんにぴったり。」と、笑っていました。

この老犬(写真・下)は、悟りの境地に達したような静かな表情で、悲しい半生などすべて受け入れたような気高さに満ちています。実際、この写真を撮った数日後、天国へ旅立ったそうですが、原田さんと、ARKスタッフの平田さんは、一つ一つの写真の思い出を語りながら、展示してくださいました。

さて、今回も、ARKのグッズを沢山ご用意いたしました。毎年恒例のカレンダー(来年のもとてもステキです)、お散歩バッグやエコバッグ、バッジ、クリアファイル、そしてARK創設者のオリバーさんの著書が並んでいます。また「ペットショップに行く前に」からは、どいかやさんの小冊子「ねこだっこしたら」と「ポストカードセット」(こちらは明日17日よりの販売になります)もあります。

13歳になる我が家の老犬マロンは、8年前 ARKからやってきました。当初はあまり表情のない子でしたが、今では暢気な癒し系と、ご近所や友人達の人気者です。たった一匹の動物から教えられることは、沢山ありますが、何より彼等は側にいる人間を幸福にしてくれます。その恩恵にあずかった私たちとしては、ちょっとだけでも恩返したくて、この写真展を企画しました。すべて売上げは、そのまま ARKにお渡しいたします。募金箱もご用意してますので、よろしくお願いいたします。(女房)

なお、京都三条「nowaki」さんでも下記日程で展示会が開催される予定です

会期:9月19日(金)ー28日(日) ※23日(火)のみ休み open 11時ー19時

【出展作家】

石黒亜矢子 大畑いくの 軽部武宏 スズキコージ ダイモンナオ どいかや とりごえまり

中野真典 nakaban はやしますみ ひろせべに 町田尚子 mississippi

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お盆だというのに、もう来年度のダイアリーが出るのですね。

2015年のポケットダイアリー「犬たちと一緒に出かけよう」(ミドリカンパニー)は、毎月違う犬の写真を配して、スケジュールの欄も余裕たっぷりとってあるなかなか使い勝手のよさそうな手帳です。この写真を撮っているのは、かくたみほさん。昨年9月に、レティシア書房のギャラリーで個展をして頂いた写真家です。透明感があり、独特の世界を感じる素敵な写真を持ってきてくださいました。

その頃お仕事で、2015年度の手帳の写真を撮っていらっしゃる最中で、うちの看板犬マロン(看板犬のお仕事はお休み中の13才・雑種メス)も「可愛い!」と言ってもらって、いっぱいいっぱい撮って頂きました。

そうしたら、なんとなんとその手帳の表紙と、10月分のページに採用されました!!!娘の成人式の晴れ着姿を見ている様な(娘がいないのであくまで想像)晴れがましさです。で、本日のブログに上げました。親バカです。わかっています。お許し下さい。

本屋の店内で、本棚を背景に写っているわがマロンは、なかなかに賢そうです。(親バカです)

プロの手にかかると、あのぼーっとした犬も、なんか考えてるみたいに見えます。かくたさん、数倍可愛く撮っていただき本当にありがとうございました。親戚縁者に、押し売り開始いたします。

あ、もちろん他の月の犬たちもメッチャ可愛いですよ。(右下は5月のダックスフンド)

さて、はやいもので一箱古本市も後半戦。ここには不思議にだいたい犬より猫の本が多くでますね。なんだか古本屋には猫が似合うみたい。定番を沢山出して頂いています。「猫座の女の生活と意見」(600円)「ぼくが猫語を話せるわけ」(500円)「猫語の教科書」(300円)甲斐扶佐義さんの写真集「京都猫町さがし」(300円)「猫のいる日々」(大佛次郎600円)「ねこに未来はない」(長田弘400円)絵本「つきねこ」(600円)「とうさんねこのすてきなひみつ」(650円)などなど。少ないながら犬も、おなじみ「ダーシェンカ」(文庫200円)「チャペックの犬と猫のお話」(400円)「デューク」(300円)などあります。

下鴨古本まつりのお帰りに、お気軽にお立ちよりくださいませ。(女房)

 

 

 

 

 

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店には、なんだか猫の本が多い。犬二匹と同居しているにもかかわらずである。猫の方が文学的であり、極めて奥の深い動物という印象のせいか。それに対して、犬は体育会系馬力勝負の動物(そうでもない犬も多々いますが)的というわけか、猫本の方がバラエティに富んでいるように思います。

しかし、犬派、自然派の方々に、そして我が家の犬達も、ご満足いただける本が入荷しました。一冊目は畠山泰英「秋田犬の父澤田石守衛」(木楽舎・初版1100円)です。宮城県境の栗駒山に住まいして、気迫あふれる秋田犬を育てている澤田石守衛(1916年生まれ!)のライフスタイルを追っかけたノンフィクションです。誰もいない山中に家を建て、水を引き、山に入り狩りをするという、これぞスローライフの極みのような日々が語られています。モットーは「今日一日がよければいい」。そして効率なんか気にしないで動く事。その傍らにいる秋田犬のがっちりしているけれど、おっとりした顔つきの写真を見ていると、この二人の幸せな関係が見えてきます。

さて、あと二冊は、丸山直樹他「オオカミを放つ」(白水社1200円)、西田智著「ニホンオオカミは生きている」(二見書房・絶版2000円)です。前者は、サブタイトルに「森・動物・人のよい関係を求めて」とある通り、もし仮に今の日本に狼が復活したらどうなるのかを精査した本です。増えすぎたシカが生態系に悪影響を与えている現状を考慮すると、個体の調整には狼の復活が必須であり、その結果「全ての生物の生存を保障し、生物多様性の維持と生態系の構造・機能を修復保持する」という論に、あなたはどう反応しますか?

「ニホンオオカミは生きている」は、大分の祖母山系で、狼とおぼしき動物に遭遇し、写真撮影まで行った野生動物研究家のドキュメントです。その写真を見ていると、どうも野生の犬ではないような気がします。これが犬ではなく、絶滅したニホンオオカミだということを証明するために情熱を傾けた一人の男の生き方を追っかけた興味深い本です。

 

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