今年は未年。

「ひつじ年にひつじのはなし」と題して、北海道白糠町にある茶路めんよう牧場展が始まりました。

白糠町は釧路市都心部から西へ30kmに位置しています。そこで京都出身の武藤浩史さんが牧場を開いて約30年。仲間と一緒に羊を育て、羊の恵みを伝えるパネル展示となりました。

草食動物である羊は、人間が食べられない草を食み、肉や毛や乳に換えて我々に提供し、そして死骸は土に還され、また草を育てる・・・・そうやって羊は8000年前から人間と暮してきた「衣・食・住」をまかなってきた大切な家畜。都会で生活していると、忘れてしまいがちな様々なことを羊が思いださせてくれるかもしれません。

戦後の物不足の中、羊は北国の農村の衣類を賄う有用な家畜として増え続け、昭和30年代前半には100万頭近くが農家の庭先で当たり前に飼われていたそうです。ところが、羊毛の自由化と高度成長の渦に飲まれ激減、一時は絶滅の危機に瀕しました。その後、肉利用に転換して、日本の羊たちは細々と生き続け現在は1万7千頭ほど。それ故、一般市場で国産の羊肉や羊毛製品をみかけることはほとんどないのです。

茶路めんよう牧場のおいしいラム肉も、ほとんどが既存のお得意様に渡るので、限定販売になるのですが、少しずつでも広げていきたい思いがあり、パンフレットを用意します。一人でも多くの方に知ってもらい、ぜひラム肉の美味しさに触れて頂きたいと願っています。因みに、うちではラム肉好きを何人か募り、まとめて直接送ってもらっています。フレッシュラムのさっと焼いたものや、カレーなどは、他の肉では味わえないうまみがあります。それにヘルシーですしね。

今回は、羊毛で作った靴下をたくさん入荷しました。羊毛88%という靴下は、他の繊維の物と比べて弱いところが難といえば難なのですが、肌に優しくて暖かい。化学繊維は苦手と言う方にも好評で、冷え症の方は就寝時にこの靴下を履くとか、アウトドアでは、これを履いた上にもう一枚靴下を重ねるとか、あるいは薄いソックスの上にこれを履くといいとか、色々な話を聞きました。お試しあれ。

もう一つ、「サポーの丘」という石鹸を紹介します。これは、羊油の中の天然の保湿成分であるグリセリンを残しすため、ゆっくり時間をかけて作られています。現在石鹸の原料には安価なパーム油が多く使われていますが、原産国ではパーム油をとるためにアブラヤシのプランテーション開発が進み、環境問題を引き起こしています。「サポーの丘」は脱パーム油石鹸。肌の弱い方にも安心して使えるもので私のイチオシです。(女房)

茶路めんよう牧場展「ひつじ年にひつじのはなし」は3月1日(日)まで。2月23日(月)は定休日です。

 

お正月を飾るのに相応しい、楽しい個展が始まりました。

むらかみひろこさんの「新作絵本と雑貨デザイン展」です。絵本製作を始めて20年、絵本を作りたい人のための指導を19年されているベテランの作家さんです。

2004年には、日本文学館主催による第一回の「日本文学館大賞」を「うさぎさん」(1080円)で受賞されました。今回は、最新作「ぼくたちのきりかぶ」(2500円)と今までに出版された絵本、そして一筆せん、ポストカード、バッグ等の雑貨が勢揃いしました。

「ぼくたちのきりかぶ」の原画は、道に迷った動物達が、森の中にあるきりかぶに誘われるように集まり、楽しく暮らしている様子が、ウキウキした色使いで描かれています。とりわけ、ピンクの象のダンスはチャーミングだし、青いキリンのバレエも、とぼけていて可愛い!

どうぞゆっくりとご覧下さい。

羊年にはうってつけの「ひつじさん」という絵本と、キャラクターの羊の小さな額に入った作品など、販売もしております。

ほっかほっか気分にさせてくれる明るい絵本原画展。18日(日)まで開催していますので、飛び跳ねるキャラクター達に会いにお立ち寄りくださいませ。

 

Tagged with:
 

ZUS加藤ますみさんのフェルト展は、会期半分過ぎました。

初日より多くのファンのお客様で賑わっておりました。寒い中のご来店心よりお礼申し上げます。

私自身が、加藤さんのシャープなバッグやルームシューズのファンなのですが、今回は動物たちの可愛さのおかげで毎日シアワセな気分でおります。

中でもお気に入りは、サンタクロース。老眼鏡をかけた愛嬌のあるサンタさんにはなんとも親しみを覚えます。トコトコ歩いてプレゼントを配ってくれてるみたいで、毎年この時期に飾りたいところです。

 

ところで、このフェルト展の会期中はなぜか、絵本に人気があつまりました。書房では、新刊書の絵本もいくつか揃えています。本日も絵本入荷しました。

1967年に発行された「くろうまブランキー」(福音館650円)は、フランスで創作された話を詩人の伊東三郎が再構築して、グラフィックデザイナーの堀内誠一が描いた絵本。ロシアの文豪トルストイの作による「3びきのくま」(福音館950円)。図書館にふらりと表れたライオンのお話ミシェル・ヌードセン「としょかんライオン」(岩崎書店1150円)等が今日の入荷です。

古本屋にとって、クリスマスの喧噪は遠くに聞こえています。とりたてて飾る事もしていないので、平常営業というところです。今年も沢山の作家さんにギャラリーを飾って頂き、加藤さんの暖かなフェルト展で最後になります。慌ただしい年の暮れですが、息抜きにお立ち寄り下さいませ。

来年は未年。2月5日(木)〜8日(日)は京都文化博物館で、ヒツジパレット2015京都展があります。それに伴い、当書房では、羊毛の専門誌「スピナッツ」のバックナンバー展を開催します。

さらに2月17日(火)〜3月1日(日)は「ひつじ年にひつじのはなし」と題して北海道茶路めん羊牧場展を開きます。よろしくお願いいたします。(女房)

☆「FELT展」は12月16日(火)〜29日(月)まで 

★新年は1月6日(火)より通常営業いたします。

Tagged with:
 

加藤ますみさん(ZUS)のフェルトは、シャープです。

羊毛から作るフェルトがシャープってどういうこと?と思われるかもしれませんが、見ていただくと解ります。形も色もきりっとしていて、固く作られたフェルトは立体的。柔らかい羊毛のイメージが変わります。

しかし手に取ってみるとこれが、また軽くて暖かく優しいのです。

加藤さんのワークショップに行った友人は、大きな型紙から縮毛する技術と、根気に驚いていました。かたくてしっかりした「ルームシューズ」や「かばん」は、型紙のおよそ4分の1の大きさまで縮毛して行くのです。そして、今回出展していただいた「ショルダーバック」は、なんとコンパネ大の型紙から8分の1の大きさまで縮毛したもので、軽くて丈夫、その上美しい、という3拍子揃った逸品です。是非手に取ってみて下さい。

そして、加藤さんと言えば、動物のステキな小物達が揃いました。やぎのティッシュペーパーカバーは、まるで紙を食べているかのようで、ユーモラス且つ洗練された形で部屋のアクセサリーにぴったり。もちろん定番の動物の顔のキーホルダーも沢山揃っています。

店の入り口付近で、ゆらゆら舞いながらお出迎えする「ツバメ」のモビール」は、なんと、ボールペンというステキな演出です。これは、いつも「ボールペンはどこ?」と捜してしまうので、ツバメのフェルトをボールペンにかぶせて、羽の部分にマグネットを仕込み、例えば冷蔵庫の扉などにくっつけられるように工夫されたのだそうです。ただ意表をついたデザインというより、作家自身が、日々生活の中から思いついたアイデアが満載の、あたたかなフェルト作品なのです。そして、2014年最後のギャラリ−を羊で作ったヒツジを並べてほしいという希望を叶えていただき、来年の干支のヒツジが、出そろいました。21日(日曜日)には、ZUSさんのアトリエでヒツジを作るワークショップも開かれます。こちらの方はアトリエに直接お申し込みください。(店にはチラシをおいています)じぶんの手で作るヒツジはきっと愛着一入でしょう。いいお正月が迎えられそうですね。(女房)

☆「FELT展」は12月16日(火)〜29日(月)まで 

(22日は休ませていただきますが、29日月曜日は営業します)

 

 

 

 

 

ヒツジ年といえば、吉田逸平さんの陶器の「おきあがりこぼし羊」も人気です。こちらも手に取ってください。

 

 

Tagged with:
 

11月29日夕方、ご来店された女性が「茶路めん羊牧場」のカードやら石鹸やらソックスを買って下さいました。店主が「羊関係の方ですか」とお尋ねすると、なんと先日北海道の茶路めん羊牧場へ行きました、というお答え。

神戸の王子動物園にお勤めで、牧場に興味を持っていただいたみたいです。

 

ご存じない方のために(ほとんどの方ですね)言いますと、牧場は釧路から車で1時間余り、白糠町という所にあります。町の中心(小さな小さな町ですが、さすが北海道!美味しいラーメン屋さんやレストランがあります)JR白糠駅からさらに20〜30分ほど茶路川を上って行くと牧場が広がってきます。その中で羊だけを放牧しているのが茶路めん羊牧場です。あの風景を共有しているというだけで、初めてお会いした方にスッゴイ親近感を抱いてしまい、ご迷惑を顧みずお引き止めいたしました。我々にとっては本当に嬉しい出会いでした。ありがとうございました。

あ、因みにここの石鹸は、(身びいきと言われるかもしれませんが)確かにいいですよ。

そもそも古代ローマはサポーの丘の神殿で、神様への捧げものとして祭壇で焼かれた羊の 滴り落ちる油と木灰が混じって反応が起こり、これがしみ込んだ土が「汚れを落とす土」と珍重された。これがサポーの丘の石鹸誕生物語なのだそうです。

んで、茶路めん羊牧場が、羊油からつくったのが「sapoの丘」という石鹸です。

詳しくは牧場のホームページを見て頂ければ嬉しいです。(女房)

 

 

Tagged with: