昨日紹介した養蜂家のドキュメンタリー「ハニーランド」に引き続いて、蜂に関する本をご紹介。

芥川仁の写真集「羽音に聴く」(共和国/新刊2640円)です。藤原辰史が「芥川仁の写真はどれも、言葉になる寸前の空気の溜めと震えが映っている」と帯に書いています。ミツバチの羽音が聞こえるような写真を見ていると、藤原がいうことがわかる世界が広がっていきます。

「蜜蜂の言葉は『羽音』だ。小さな命の声に耳を澄ませてみよう」芥川仁の言葉です。

健気に働く蜂たちの姿。そして、その蜂たちを大事に育てる養蜂家の人たちの姿。ここまで養蜂家の仕事ぶりを収めた写真集って、多分なかったのではないでしょうか。

「蜜蜂は、自然界の変化に影響を受けやすい小さい命だ。花のない冬季を人間の世話なくして生き抜くことはできない。自然界の天敵スズメバチの来襲から守るもの養蜂家だ。」

という文章と共に、日本各地の養蜂家が登場します。「働き蜂が一生働いて、一万回飛んで、スプーン一杯の蜂蜜って言わすもんね。ちゃんとした蜜蜂の一生を終わらせてやりたいという思いはあっとですたい」とは、熊本の養蜂家、中村邦博さんの言葉です。

北海道歌志内市で養蜂をしている川端優子さんは、日本では珍しい女性養蜂家です。寒い北国でも越冬できる蜂を育てています。

「雪溶けの季節になったら、天気の良い日に(蜜蜂を)飛ばしてあげるんです。雪よけのワラやコンパネを取り除いて巣箱の蓋を開けると、元気で生きてて、みんな並んでこっちを見てて、なんとも言えないんですよ。あの顔、いやーっ、生きててくれたって」

彼女の笑顔と、そのときの蜜蜂の顔(もちろん向き合ったことはないですが)を思い浮かべました。養蜂家を通して、自然と共に生きる人たちの暮らしを捉えた素晴らしい写真集だと思います。