カメラを網にして昆虫採集をする「虫撮り」。グラフィックデザイナー菊池千賀子さんの写真展のタイトルです。菊池さんが、仕事とは別に写真を撮り始めて最初に「ハマった」のは水滴だそうです。

「雨上がりに植物や花についた丸い水玉を面白い!可愛い!と見つめていると色々なものに出会います。水滴を狙ってシャッターを切った写真に、想像もしていなかったものが写っていることがあって、そのなかに虫たちがいました。」(個展挨拶文より)

川崎市にお住いの菊池さんは、都会のごく身近にいる虫たちをカメラに収め、虫や花に興味を持ち、名前を調べていくうち彼らと友だちになっていきます。虫カゴならぬ写真に採集された虫たちは、今生きてる瞬間を全身で楽しんでいるように見えます。

黄色の花(ルドベキア・タカオ)を撮っていたとき気配を感じて見たら、同じ色の「アズチグモ」を捉えたという奇跡の一枚のタイトルは「あ・・・」です(写真・上)。菊池さんの嬉しい驚きが、そのまま伝わってきます。もちろん、この難しい花の名前は調べたのだそうです。名前がわかると、人でも街でも急に親しみが持てますよね。そして、下の写真のタイトルは「俺の背中」。ラミーカミキリの美しい背中の模様を見てやってください!自慢気なラミーさんのポーズが愛らしい。

これらの虫たちのサイズ感がわかる小さな額も並んでいます(各1000円)。実に小さいのですが、そんな彼らを見つけて、じっとファインダーを覗く菊池さんの幸せそうな様子を想像すると、こちらも嬉しくなってきます。蒸し暑い夏に、小さな虫と可愛い花の素晴らしい世界をご覧ください。(女房)

「わたしの昆虫採集 虫撮り」菊池千賀子写真展8月17日(水)〜28日(日)13:00〜19:00 月火定休日

 

 

 

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街を歩けば、桜が今を盛りに咲き誇っています。そして、小さな本屋にも幅2〜3㎜の細長い紙をクルクル巻いて作った桜や、色とりどりの花が満開です!

「ペーパークイリング」は、英国発祥と言われる紙工芸で、中世の昔、聖書を製本した際にできた細長い紙の切れ端を、鳥の羽(クイール)で巻いてパーツを作り、修道院で宗教画や宗教道具に装飾したのが始まりと言われています。欧米を中心に世界中でアート、ホビーとして楽しまれていますが、日本でも広がってきているようです。

山中さおりさんは、開店以来ずっとレティシア書房で個展を開いているペーパークイリング作家です。11回目となる「私的クイリング植物図鑑」と題した今回の展覧会は、約12年模索を続けてきた彼女の一つの到達点になったような気がします。

花や果物や小さな動物をつくることから始め、個展を重ねる度に新しい作品に挑戦してこられました。アートマルシェなどでグッズを販売したり、教室で教えたりするだけではなく、新作を発表し続けることで、技術や表現の力を確実にアップしてきました。2020年、ペーパークイリングの特徴である美しい色を排して白一色で大きな作品を並べた時も、その試みに感動したものです。とても几帳面な性格がペーパークイリングの製作にとても合っていたのですが、いまひとつ殻を破れない、と悩まれていたこともありました。そして、昨年から一日一個の作品を作り上げることを自らに課して、200にも及ぶ植物を作ってきました。その手しごとを続ける中で湧き上がってきたのが「植物図鑑」でした。

ペーパークイリングの植物の横に、その植物にまつわる文章を添えた図鑑のような形にたどり着いたのは、彼女のたゆまぬ追求心の結果です。読書家で詩や文章を書くことが得意だったことと、技術力のアップで得た表現が結実しました。例えばフキノトウの横には、花の解説や花言葉などと共に「父に連れられて行った冬の田んぼで初めて見ました。あまり目にしない形の花に『こんなものがあるなんて!』と子供心に自然の造形美に対して深い感銘を受けました」というような思い出なども書かれています。

山中さおり進化中!ぜひレティシア書房へお花見にお越しくださいませ。(女房)

✴️山中さおり個展「私的クイリング植物図鑑」は4月6日(水)〜17日(日)月火定休

13:00〜19:00

 

 

 

草木勝さんの写真展は、2018年のお正月以来で今回が2度目になります。日本写真協会・京都写真協会に所属するプロの写真家で、レティシア書房を開くずっと前からの知り合いでしたが、前回初めて「作品」を並べていただいてすっかり草木ワールドのファンになりました。

今回のテーマは「花」。花の写真はそこら中にあふれているので、草木さんがどう料理するのか楽しみにしていました。真っ黒な背景に美しい花がくっきり。これらは、いわゆる写真機を使わず、花を直接コピー機の上に置き、パソコンに繋いだスキャナーから直接データを読み込むという手法をとったのだそう。スキャナーは光源が極端に被写体に近いので、原稿台から数センチ離れると全て露出不足で暗闇に沈み、花を囲む背景は美しい黒になるというのです。草木さんは「これはこれで『写真』だといってもいいと考えている。」と、個展の挨拶文に書いています。

レティシア書房の店のサイズに合った、硬質な花の写真をスッキリと展示。迷いのない作品が、まっすぐこちらに向かってきます。これが妙に心地いいのです。

前回の個展は、川底に沈むカラフルな空き缶でした。それぞれの空き缶がゴミとは思えないほど美しかったのを覚えています。空き缶をそのまま撮り、後で加工を施さずに美しく仕上げるのは、川の流れのように自然体にしたい、という草木さん流のこだわりでした。写真を知り尽くして遊び、そして仕上がりは美しい。魅力的な写真家です。

京都国際写真祭(KYOTO GRAPHIE)が、今年も京都市内各所で9月18日から10月17日まで開催されます。「草木勝写真展」も一枚噛みたかったところですが、ちょっと日程が早すぎました。写真祭に先駆けて今日から始まりました。ぜひお運びくださいませ(女房)

 

✳️ 「FLOWERS」草木勝写真展は9月8日(水)〜19日(日) 13:00〜19:00

13日・14日は定休。

⭐️本の紹介をZOOMにてさせたいただく「フライデーブックナイト」。次回は9月17日(金)です。

⭐️北海道のネイチャーガイド安藤誠さんのトークショーを今年も開催します。

10月24日(日)19時スタート(2000円)要予約

 

 

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本日より山中さおりさんの「ペーパークイリング作品展」が始まりました。

レティシア書房での作品展は8回目となりましたので、ご存知の方も多いとは思いますが、「ペーパークイリング」の説明を少しさせて下さい。細い紙(2㎜〜6㎜幅くらい)をクイリングバーという棒でクルクル巻き、小さな円や楕円、四角や三角を作ります。一枚一枚の紙を、クルクル、クルクル、さらにクルクル巻き、その小さな部品が、例えば花びらの一つ一つとなって花の作品になるという、とても細かい作業の積み重ねで出来上がるものです。英国で生まれたもので、もともとは、聖書を製本した時に出る細い切れ端を(神のことばが書かれた紙なので)大切にして、鳥の羽根(quill:クィール)で巻き、宗教道具や絵画を飾ったのが始まりと言われています。

 

 

どのような手仕事にも言えますが、細かい作業を繰り返し繰り返し積み重ねることで、美しい作品に磨きがかかります。芸事などの技が上達することを「手が上がる」と言いますが、正にそれ!「手」が思う通りに動いて、作品に命が吹き込まれます。新作のコスモスの花々をあしらったウェルカムボード(写真上)は生き生きとした感じがしますし、一方で、ポインセチアの少し落ち着いた色合いの作品も目を引きます。それらすべてが、細い紙を巻いて作った小さなパーツの集まりなのです。この写真(左)でわかっていただけるでしょうか?

 

クリスマスシーズンということで、グリーティングカードや、プレゼントに添えるクリップなど華やかな小物もたくさん並びました。また、初級〜中級者用にペーパークイリングのキットをセットしたもの、用具なども販売しております。1セット1200円のものが2セット購入の場合は、二つで2000円となる特別価格のものもご用意しておりますのでこの機会にぜひ。

山中さんは絵を描いたり絵本づくりを考えたりと進化し続けています。来年もまた新作を並べるべく、構想を練り始めました。まずはこの秋の新作を、お楽しみ下さいませ。(女房)

山中さおりペーパークイリング作品展 11月26日(火)〜12月8日(日)12:00〜20:00 月曜定休日

 

大阪の動物保護施設「ARK/アニマル・レフユージュ関西」が発行する2020年のカレンダー販売中です。

壁掛けタイプ(1000円)。机上タイプ(800円)があります。売上は、全てARKにお渡しいたします。当施設に保護されている動物たちのために使われます。

 

 

 

 

 

2008年、8月中石妙子さんは他界されました。生前、花が大好きで、多くの写真を遺されました。

その七回忌にあたり、回顧展を彼女の姪にあたる女性が企画されて、8月19日(本日です。ブログ上げるのが遅れました)より開催になりました。

野に咲く花の可愛らしさ、美しさを表現した写真が10点あまり展示されています。ゆっくり見つめていると、野の花の声が聴こえてきそうです。

31日まで開催(最終日は7時まで)していますので、お時間あればお立ち寄り下さい。

主催されたのは、昨年当ギャラリーで「祇園祭」の写真展をして頂いた千葉さん。彼女のお母さんの義姉にあたるのが中石さんということで、千葉さん自身も幼い頃から、伯母さんの写真を見て大きくなり、影響を受けたと言っておられました。

 

さて、何か本の紹介を、と探したところ今森光彦さんの写真と文章を一緒にした「里山の一日 春の日」(アリス館1250円)をみつけました。萌えたつ新しい息吹に満ちています。中石さんの写真展の作品も春の花が多く、そんな気分が満ちています。

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と言っても、待っておられるのは数人ぐらいですが、彼女の著作が何冊か揃いました。入荷したのは、「ベジタリアンのいきいきクッキング」(NHK1100円)、「野菜いっぱい大地の食卓」(知恵の森文庫500円)、「母なる自然の食卓」(東洋書林1100円)の三冊です。

鶴田静さんは1975年から 77年までウィリアム・モリス研究のためイギリスに滞在し、そこでベジタリアンになり、その思想と料理を研究。帰国後、最初のエッセイを出版して以来、自然生活、環境、食文化、庭園と草花につい ての執筆、英語翻訳をして、現在は夫の写真家エドワード・レビンソン氏と犬1匹と房総半島の農村在住。

私が初めてこの人の本を読んだのは、「ベジタリアン宮沢賢治」でした。ちょっと文章が難しくて、当時は理解できなかったことも多くありましたが、何故か気になる作家でした。

最後の晩餐はカツ丼大盛りを食べたい私は、ベジタリアンではありませんが、ベジタリアンという言葉の意味合いを初めて教えてくれたのは、宮沢賢治の「ベジタリアン大祭」という小説でした。そして、その次が、賢治について書かれていた鶴田さんの著作でした。あれから、20年余り。今、読み返すと、そうだよねと納得することばかりです。レシピとエッセイの一緒になった「母なる自然の食卓」で、こんな文章に出会いました。

「植物はどうして人間のからだのことを知っているのだろうか。といつも私は感心し、その不思議に驚きながら食べている。人間のからだは自然から作られているから、それで自然は人間のからだと共鳴し、もしからだが悪くなったら、自然がその部分を治してくれるのだろう。」

自然と人間のからだが共鳴しているなんて、当たり前のことのなのですが、皆忘れていますよね。

三冊とも、野菜レシピ満載の本です。同時に入荷してきた「植物史」や素敵な料理本と一緒に入り口付近の書架の二番目に設置してありますので、興味のある方はどうぞ。

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『高山植物の宝庫伊吹山ハイキング』に行きませんか?という魅力的なお誘いを受け、8月6日月曜日朝、京都駅から快速米原行きに乗り込みました。

 

誘ってくれたのは高校時代の友人で、年季の入った山ガール、ノリコさん。4年ぶりの同窓会に帰京する機会に、前から約束していた山歩きを、私の休みの日に合わせて計画してくれました。ノリコさんの幼なじみ、Iさんと三人のおばさんツァーです。

 

普段、運動といえば犬の散歩くらいのものなので、猛暑の中、体力に自信がなかったのですが、3合目から頂上まで2時間半、石灰岩むきだしの難所もクリアして、歩き通せました。

運動不足の初心者のために何度も休憩をとってくれて、おやつまで用意して頂き感謝カンゲキ。

あのどら焼きは疲れた足と気持ちをすっかり元気にしてくれました。

 

ところが頂上に着く直前から急にガスが出てきて、お昼ご飯を食べる時は辺りは真っ白。

引率者のアドバイス通り薄いヤッケを持参してよかったと思う程寒いし、せっかくの琵琶湖もまったく見えないし、山の天気は変わりやすいというのを実感しました。

 

でも1時間もすると晴れて来て(ワタクシ自他共に認める晴れ女です)、下山する頃にはお花畑が目の前に広がり、美しい景色を満喫。

知りませんでしたね。

京都から日帰りの範囲で、こんな素敵な高山植物の群生をみることができるなんて!

今は下野草の最盛期、濃いピンクの可憐な花がいっぱい。

そのほか、シシウド、メタカラコウ、クガイソウ、カワラナデシコ、アカソ、イブキジャコウソウ、サラシナショウマ、オオバギボシ、コオニユリ、ミヤマアザミ等々。

覚えたばかりの花の名前を羅列しましたが、うん、今この瞬間なら、まだそれがどういう風情で咲いていたか思い出せます。(記憶力は体力よりさらに自信がないのでね)

 

伊吹山は伊勢湾と若狭湾が東西から入り込んで本州のウェストのように細くなったところに位置しているせいで、冬は豪雪だし、天候は変わりやすく、ガスも発生しやすいとか。そのおかげでまた高山植物がよく育つのだそうです。

あ、これ、山頂から下りる時に、ご一緒して下さったボランティアのおじさんに教えてもらいました。

 

帰りは9合目から関ヶ原まで路線バスに乗って帰りました。

翌日足が痛いのは、下山の時の負担が大きいせいらしい。

これも経験豊かな山ガールの心遣いあふれるプランのおかげ。

何から何までホントにありがとうございました!(女房)

 

 

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