連日「暮しの手帖」創刊号のお問い合わせをいただいておりますが、すでに売切れです。スミマセン。

NHK朝の連ドラで、「暮らしの手帖」の発行に至る経緯と、編集長花森安治という人物に改めて興味を持たれた方が多いのかもしれません。創刊号から100号までの第一世代は手元にもうありませんが、64年秋号から、隔月発行になった発行分までなら、すべてではありませんが在庫があります。

まだ、この頃は表紙も挿画も花森が担当していた事がわかります。(写真撮影は別人です)そして、号によっては彼の長文のエッセイを読むことができます。64年秋号では、巻頭に「「もっと美しく着るために」という「おしゃれ」への確固たる思いが綴られています。今読むと、当然古くさい部分もあります。しかし着るものが、自分というもののレッテルであり、中身を変えるより、レッテルを変える方が容易いことに対して

「服というものは、人間が暮らしてゆくための、大切な道具である、自分にレッテルをはるような気持ちだけで着ていたのでは、いつまでたっても、文字通り<身丈の合わない>ものを借り着しているわけで、それが美しいわけではないのである」と説得力のある文章で結んでいます。

これらの号は、それぞれ読み応え十分な記事や、レポート満載なのですが、思わず目を見張ったのが、67年夏号の「男が家にいるとき」という、男性の家着の写真です。わざとらしさに笑えてくるのですが、その色使い、レイアウトにはほとほと感心しました。男が部屋着等にこだわるのは沽券にかかわる、とか思われていた時代に『すくなくともステテコ一枚、よれよれ浴衣よりは一歩前進しているようだ 試してみたまえ』と見出しに書かれています。

現在これらの号以外にも、79年から84年にかけてのものが、十数冊あります。表紙は藤森清治で、花森は挿画で一部参加しています。花森のセンスのいい表紙も魅力的ですが、藤森の描いた女性たちも、ビビットで、ステキな映画を見ているようです。部屋に飾っておきたいと思う絵です。83年ぐらいから目線に力強い意志を反映させた作品が増えてくるのは、女性が社会へと飛び出した時代を象徴しています。

バックナンバーはすべて500円です。

★夏の一箱古本市のお知らせ 8月9日(火)〜8月20日(土)20数店が店内に出店します