版画家山本容子が、谷川俊太郎の詩を16作選び、谷川賢作が曲を付け、出来上がった曲を声楽家の波多野睦美、シンガー&ソングライターの村上ゆき、そして大御所石川セリ達が歌い、俊太郎自身が朗読する。さらに、その音楽に触発された容子さんが、なんと三十数点の絵を描きました。

これ、ライブペインティングではありません。CD付きの本「あのひとが来て」(マガジンハウス1800円)です。本のタイトルになっている「あのひとが来て」には、こんなフレーズがあります。

「あのひとはいつかいなくなる/私も私の大切な友人たちもいつかいなくなる/でもあの木はいなくならない/木の下の石ころも土もいなくならない」

これ、波多野睦美がどう歌っているのか、聴きたい!しかし、CDが入っているケースは未開封。さらに、この本もとても綺麗で、新品みたいです。定価は5452円が、なんと1800円!もうお買い得としか言いようがありません。

何点か山本容子の本が入荷しています。

見て楽しいのは、「わたしの時間旅行」(マガジンハウス1500円著者のサイン入り)。これは、2001年表参道のビル工事現場の工事用仮囲いに、一年間365日、新しい絵を加え一年後に全貌を表すという野外アートの実験に使用された絵を集めてあります。どこから見てもOK。机の横にでも置いて、好きな場所を開けて、楽しそうな登場人物たちとちょっと会話をして閉じる。それを365日繰り返す。そんな見方などいかが?

じっくり読むなら「アリスの国の鏡」(講談社950円)。ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に潜む数々の謎を調べてゆく、物語りの奥にあるものを読み込んでゆく楽しさを満喫できる一冊です。原作の重要なモチーフであるチェスの解説から始まります。物語とチェスの棋譜を検証しながら、この不思議な世界に入ってみてはどうですか。さて、チェックメイトまで辿りつくか?

もう一点、読み物をご紹介。「山本容子の食べた物語り」(清流出版1050円)タイトル通り、食べ物に関するエッセイと絵が一杯の楽しい一冊ですが、やっぱ大阪、と拍手したのが、ホテルニューオータニ大阪のルームサービスにはたこ焼きとお好み焼きがあるというお話。ちょっと飲んで帰ってきて、深夜小腹がへった時に、これは重宝するみたいです。一度試してみては?