今も人気の高い画家の金子國義。1960年代後半「O嬢の物語」の翻訳者である澁澤龍彦の依頼で挿絵を手がけ、翌年「花咲く乙女たち」で画壇デビュー。世紀末的デカダンの雰囲気が漂よう女性像を描きました。加藤和彦のアルバムジャケットや、多くの本の装丁でお馴染みで、古書でも高い値段が付いています。今回、一冊だけ金子の本が出ていました。「青空」(美術出版社2500円/出品・星月夜)は、油彩、水彩、ドローイングなどを収録した画集です。冒頭には「青空の部屋」と題した篠山紀信による写真も収録されています。金子國義自身による文章もあり、貴重な一冊です。

 

一冊だけだと思っていたら、金子がらみの本を見つけました。高橋睦郎「詩人の食卓」(平凡社1500円/ 出品・徒然舎)です。詩人、高橋睦郎のエッセイ集。7月から翌年6月まで…「海 – 生命の呼び声」「市 – 世界を糶る」「土 – 偶然の恵み」「森 – 自然の両義性」「水 – 自然を買う」「火 – 美しい日日」「厨 – 暗い 明るい」「店 – 食べると食べさせると」「茶 – 生の極み」「薬 – 病気に親しんで」「器 – 腹も身の内」「旅 – 歌と肉片」というテーマで綴られた文章は、古今東西の文化や出来事に想いが馳せられ、選び抜かれた言葉 … さすが詩を書く人のエッセイだなという感じを受けます。金子國義の挿絵は、先の「青空」に収録されている作品などが、モノクロで入っていて、それが際立ってしゃれています。

 

 

翻訳家の青山南の著書「ホテル・カリフォルニア以後」(晶文社1430円/出品・バヒュッテ)は、70年代アメリカ文学の内容のある解説書です。様々な混乱を起こしたベトナム戦争が終結し、アメリカ文学が新しい方向性を模索し始めた70年代を、著者はリアルタイムでレポートしていきます。ティム・オブライエン、レイモンド・カーヴァー、ジョン・アーヴィングなどわが国でも人気の作家が紹介されています。日本では、最近ほとんど名前の上がらないフィリップ・ロスにも言及されています。

ロスの原作を元にした映画「さよならコロンバス」に感激して、原作を読んだものの、その良さが全然理解できなかった大学時代を思い出しました。その後、「素晴らしいアメリカ野球」(在庫あり)も読んだのですが、”毒の強さ”にまいりました。

 

★女性店主による『冬の古本市』は2/5(水)〜2/16(日)です。月曜日定休。12:00〜20:00

最終日は18:00まで。神戸・大阪・岐阜・東京・御殿場・神奈川・京都などから女性店主の選書が集まっています。ぜひお立ち寄りください.

勝手ながら2/17(月)〜2/20(木)まで連休させていただきます。