レコードプレイヤーを持っていないのに、レコードを買われるお客様がおられます。店内には500円〜数千円までのジャズ、ロックをメインに百枚程あります。で、そのお客様は1000円までのLPをお買い上げです。

プレイヤーもないのにお買い上げいただく理由をお聴きしたところ、500円ぐらいででこんなセンスのいいデザインの作品が買えるので、インテリアとして飾っているとのお話でした。成る程、ちょっといい写真や、素敵なアート作品を買おうとすると、数千円かかることを考えれば、安いものです。そして、サイズが正方形というのが何故か収まりがいいところですね。本の横に置いても最適です。

例えば、こんなジャケット。デザインはデビット・ストーン・マーチン。業界では有名で、作品集まで発行されています。

あるいは、こんなエスニック調もあります。南米のボリビア辺りのカラフルな衣装を思わせます。

書店としては、読書のすぐそばに、こんなLPを飾っていいただければウレシイです。

さて、下の写真。初夏の草原、涼しい風と夏草の香りが充満する場所で、読書に疲れた女性が寝転んでいる瞬間を捉えた1枚です。さて、この女性の読んでいる本は何か?ま、この表紙だけではわかりませんが、フォークナー辺りの小説ではないでしょうか?清楚なお色気のあるジャケットです。昨今ジャズのCDにやたらと肌見せのものが叛乱していますfが、品のなさ丸出しで、アートデザイナーの趣味の悪さにヘキヘキします。

因みにこちらは、アメリカで発売された盤がヨーロッパへ渡り発売された盤で、発売元はあのVOUGEです。こちらは貴重なLPで5000円です。

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アンリ・マティスの「赤い部屋(赤のハーモニー)」を観てきました。

まだまだやっていると思っていた「大エルミタージュ美術館展」が明日で終わるっていう日の朝一番。9時から開館する京都市美術館に自転車で走って9時5分着。

「お!案外空いてる!」

 

第1室はそれでも人が多かったので、足早に最後の部屋「20世紀 マティスとその周辺」を目指し、ゆっくり対面しました。

教科書や図録で観るのとは、やっぱり全然違う。ほとんど誰もいなかったので、距離をおいて観ていると、色や構図が楽しくて、リズミカルで、ウキウキ。なんか朝からスッゴイ得した気分。

 

エルミタージュには簡単には行けないから、近くで開催される時には行かなくちゃと思っていても、こういう美術展はいつも人が多くて、腰が引けてしまいます。でも朝一番なら、好きな絵の前で、とても贅沢な時間を持つことが可能です。

いつも思うのです。

あと1本、映画を観ること。

あと1冊、本を読むこと。

あとひとつ、美術展に行くこと、って。

段取りの悪い私は、思っているだけでなかなか「あとひとつ」ができない。時間はあるはずなのに。

 

その日は「あとひとつ」を朝からこなせて、もうひとつ「須田国太郎展」まで観てきました。私は須田さんの鳥を描いたものが好きです。こちらは来年2月まで。オススメです!(女房)

 

 

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和太鼓奏者の第一人者、林英哲のマンハッタンライブのDVD(2000円)が入荷しました。約2時間のライブですが、その中で組曲「若冲の翼〜冲しきが若きも」というのが入っています。これは、江戸時代の絵師、伊東若冲の作品にインスパイアされて作られた組曲です。全部で四章の構成になっていて、素晴らしい出来映えです。伊東若冲に関しては、多くの本が出版されています。お店にも黒川創著「若冲の目」、そのコレクションで有名なジョー・D・プライスに山下裕二がインタビューした「若冲になったアメリカ人」があります。

しかし、音楽で、それも和太鼓で若冲を表現したのはこれだけでしょう。若冲なんて知らないよ、というお方にも大丈夫、200%楽しめます。チャプターで最後の曲「SHI-BU-KI」からご覧下さい。『うぉ〜〜〜〜〜〜〜よぉ〜〜〜〜」とエキサイティングすること間違いなしです。英哲にはジャズピアニストの山下洋輔と共演したDVDも発売されていて、私の愛聴(見)盤です。フルパワーで聴いたら、もうぶっ飛びます。近所迷惑すれすれのパワーでお聴き、ご覧下さい。インフルエンザなんぞ、笑止千万、吹っ飛びます。

もう1枚、CDのご紹介。文楽三味線の第一人者鶴澤清治の「一撥一心」(1500円)文楽なんて見た事ないお方も大丈夫、14曲目、16曲目あたりからお聴きください。やはり、近所迷惑すれすれのパワーをお薦めします。ノロウイルスなんぞ、笑止千万、吹っ飛びます。おそろしく研ぎ澄まされた日本刀で、ズバ〜〜〜〜ッと切り刻まれる快感に酔っていただきたいものです。この音色にはクラプトンも、キースも叶いません。勝負せんかい!と言われても、きっと誰もいません。力強く、孤高の音楽というのはこういものでしょう。開店前にガンガンにかけながら、エアギターならぬエアー三味線やってるとところだけはお見せしたくないですね。

で、こういうボルテージの上がるサウンドの次に聴くべきは、ストラヴィンスキーのバレエ曲「春の祭典」(700円)です。モーツアルトみたいに、奇麗で、美味しい紅茶が似合うクラシックでありませんが、カッコいい。英語で言えば。”Cool!”です。因みにこの曲は、ホルストの組曲「惑星」と同じく、色んな映画でパクられています。私は三本気がつきました。ズドド〜ッと心に踏み込んで来るサウンドがさらに気持ちを熱くします。さあこれで、一日ハイテンションで一気呵成に駆け抜けられます。

 

★明日、本年最後の「はちはちのパン販売」です。4時ぐらいからです。

★☆来年1月末から2週間、店内で「女子の古本市」を企画しています。出店したい方どうぞ、ご連絡下さい。くれぐれも「女子」だけです。

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妻は交通事故で意識不明。二人の娘は、仕事一辺倒の父親に距離を置いている。どうしていいか分からない彼に告げられた、妻は浮気をしていて離婚するつもりだったという驚愕の事実。もう、かなりギリギリ状態のお父さん。舞台はハワイ。そして、聞こえて来るはハワイアンギターが奏でるホワ〜ン、ホワ〜ンした音楽。シビアであるのに、何故か滑稽です。映画「ファミリーツリー」のお話です。

これが、ニューヨークみたいな大都会が舞台なら、救いがたい展開ですが、なんせ舞台はハワイ。穏やかな気候と、心地よい風、多くの親戚、そして音楽が、人生の滑稽さを浮き出させて、笑える状況じゃないのに可笑しい。人生の真実ってこんなもんね、と言うところでしょうか。

ここで話は飛びます。ハワイの音楽と言えば、ハワイアンですが、伝統的な奏法によるギターサウンドは、人の気持ちを和ませます。このギター奏法で、日本人が見事なハワイの音楽を作りました。山内雄喜の「プレイズ・ザ・スラック・キー・ギター」というアルバムです。この風土、この紀行ならではの穏やかさが醸し出すサウンドは、エキサイティングでもないし、感動するものではありません。しかし、人を大地の根っこに導いて、優しく、どこまでも優しくしてくれます。人の邪魔をしない、けれど、人を安心させる絶妙の音楽ですね。

ここで、話は、さらに飛びます。ハワイと言えば、私にはアメリカのテレビドラマ「ハワイ・ファイブ・オー」です。確か大阪ガス提供の「刑事コジャック」の後番組でした。ラロ・シフリン(だと思う)のオープニングテーマ曲と映像がかっこ良い連続ドラマでした。この時代のアメリカドラマはどれも、オープニングのサウンド、映像とも、「お〜カッコいいぜ!!」と唸らせるものばかりでした。先の「刑事コジャック」、「スパイ大作戦」等々、これらの番組のおかげで、映画のオープニングフェチになってしまいました。今だにタイトルバックの出方が一番ドキドキします。

映画のオープニングと言えば、デザイナー、ソールバスが手がけた作品は圧巻でした。躍動感が隅々にまで溢れていました。「ウェストサイド物語」のオープニングと言えば、あ〜あれか!と思い出されることと思います。店に一点だけ作品集がありますので、その素晴らしさを見て下さい。この人の映画ポスターは、どれも見事です。

 

そして、話はさらに飛びます。映画ポスターですが、今京都国立近代美術館で「日本の映画ポスター藝術」と題した展示会が行われています。これは、お薦めです。戦前のものから、和田誠や横尾忠則の手がけた作品まで並んでいます。映画を知らなくても、けっこう楽しめます。写真は、漫画家の上村一夫が手がけた「シェルブールの雨傘」です。なんか、日本的な情緒綿々たるポスターです。メイン展示の山口華楊の素晴らしさを堪能した後4階に上がるのをお忘れなきように。

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本日より「Kyo Nakamura Print Works2009−2012」開始です。

ゴシックロマンの香り溢れる個展です。これらの写真群を言葉で説明すると、雑誌「ユリイカ」調になってしまって、この猛暑でただでさえ頭が回らないのに、余計な負荷をおかけする事になるので、先ずは観てください。

 

 

 

 

 

 

DMを手に持たれた方の反応は、コワイ、とか気持悪いとか、はたまた絶句とか、しかし、逆にかっこいいいっす!という意見まで千差万別。ギャラリー始まって以来の様々な反応が起こっていて、とても面白い個展になりそうですね。DMの写真だけだと、恐怖心を感じる気持ちわからなくはありませんが。レジ横の壁にズラリ並んだ作品を観ていると、ある種の静寂感に包まれて、案外落ち着くものですね。

ゴスロリ系少女の皆さんにもぜひ、ご来場賜りたいものです。そして、作品と共に展示してある幻想小説をご覧ください。今回、通常価格よりディスカウントです。値下げ幅は、ぜひご相談を。暑さで脳天いかれた店長がとんでもない値段を口にする可能性は高いです。

「シャルルノディエ選集」全5巻とか、「アーサー・マッケン作品集成」全6巻といった全集ものから、「ブラックウッド傑作集」、「死んだ教区」といった単品ものまで、幻想小説ファンは見逃せません。(セール/展示会共29日まで)

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7月13日堺町画廊で開催された脱原発のTシャツを作るワークショップに参加しました。

 

2~3日前、堺町画廊のオーナーのフシハラさんに出会い、ワークショップのチラシをもらったのです。

一目で「面白そう!」と思いました。(でも時間あるかな〜参加できるかな〜)

 

夕方、仕事の合間にコピーに走って貼り合わせた原画を作って、汗かきかき雨の中を画廊まで走り込むと、7〜8人の参加者がワイワイ楽しそうに机を囲んでいます。こういう制作現場の熱気は久しぶり。

作ってきた原画をスキャナで取り込み特殊な紙に反転写。

反転写されたデザインの縁ギリギリのラインをデザインカッターで切り取り、Tシャツの上に置き、特別なアイロンでプリント。

原画はパステルでも、絵の具でもモノクロでもカラーでもなんでもあり。

みなそれぞれ個性的な図柄で、楽しいTシャツが次々出来上がります。

デザインカッターで切り取るのがけっこう大変な作業ですが、ここを他人任せにすると達成感はありません。

私は仕組みがよくわかっていなかったので、複雑なエッジになりましたが、昔、デザイン事務所で働いたときの経験が生きました。

いやぁ〜人生何をやってもいつかどこかで役に立つもんですな。

 

大急ぎのわりにはなかなか良い出来!と自画自賛。

レティシア書房というロゴが入っていたので、それを見て「あ、レティシアさんですか?」などと声をかけて下さった方もいて、またご縁が広がりました。

企画された堺町画廊さんに感謝です。そして、プリントのワークショップを指導して下さったニシウチさん、ありがとうございました。

 

脱原発をテーマにうちでもこのワークショップやりたい!!

 

Tシャツっていうのが、とっつきやすく、アート心をくすぐりますね。(女房)

 

 

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「斎藤博素描展1972年乾期アフリカ・サバンナの旅にて」は盛況のうち第1週を終え、2週目に入りました。

そして、今なお作品の並べ替えは続いています。

 

本屋の壁にすっかりとけ込み、けれどもさすがに存在感があり、とても素敵な個展になっています。

 

私自身毎日ワクワクしながら、とてもいい勉強をさせて頂いております。

 

このスケッチは、今から40年前、京大霊長類調査隊に同行して、乾期の東アフリカを旅し、初めて目の前にひろがる原色の世界に感動した若き画家の感動そのものです。

 

さらに現在制作されているコラージュが加わり、それが若い頃のスケッチと一緒に並ぶとそこに、ある流れが見えて、大げさに聞こえるかもしれませんが、一人の作家の足跡をたどるような気がしてきます。

 

展示スペースを作っておいてホントによかった、と思う今日この頃です。(女房)

 

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レティシア書房ではただいま「斉藤博素描展  1972年乾期東アフリカ・サバンナの旅にて」が開催中です。

斎藤先生は40年にわたり精華大学で教鞭をとられ、大学長も勤められて、たくさんのアーティストを育てて来られました。そして、今も現代美術の分野でご活躍中です。

 

先生の作品は、普通の家の中ではどうも収まりきりません。それで手元に置く事はあきらめていたのですが、レティシア書房の白い壁に掛けたくて、昨年ギャラリーヒルゲートさんで思い切って『足跡』という作品を購入しました。

 

『足跡』という題名もこれから船出する店の壁にふさわしいと思いました。

いつもレジの後ろの壁にライトアップして飾っています。(個展が終わってもこれだけはありますので、ご覧下さい)

で、そこからもう一歩、これまた思い切って個展をお願いいたしました。

 

かつて、精華大学で展示されていたアフリカの旅のスケッチが大好きだったので、並べて頂けないかと、厚かましいのを覚悟で頼んだところ、きっと開店ご祝儀だろうと思うのですが、快く受けてくださいました。

 

そして、並んだスケッチのいいこと!

想像していたよりずっと本屋の壁に似合うのです。何度も下見を兼ねてきて下さっていたので、もちろん先生のセレクトが成功したのですが、ホントにすっごくいいんです。

 

初日から3日目、作品の入れ替えがありました。

『足跡』の感じがよいということで、スケッチを一つ下ろして、コラージュ作品の追加です。この個展のために急遽作って下さったもう一つの『足跡』。さらにCDの棚の横にも3つめの『足跡』が。(火曜日、水曜日に来られた方、もしお時間があればもう一度お越し下さい)

本がぎっしり並ぶ本屋の片側の壁を、ギャラリーにしようと言い出したのは私でしたが、作品だけをゆっくり見られる空間とは違うので、毎回展示の難しさを痛感しています。

 

これまでの風景画展や、写真展もかなり悩みながら、しかしそれなりに美しく展示できたと思っていたので、きっと先生の素描展はいいぞ!!と確信していました。

そこへ先生がコラージュを掛けて下さった事で、これもイケル!と、また元気がでました。

で、「先生!次回は新しい作品でおねがいできませんか!!!」と、つい叫んでしましました。どこまでも厚かましくてスミマセン。(女房)

 

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「「1972年乾期東アフリカ・サバンナの旅にて」と題した素描展開幕です。

日本のアルトサックス奏者、渡辺貞夫が数十年前にアフリカに渡りました。ジャズマンがアフリカに渡った先駆的存在でした。彼は、かの地で土着の音楽に魅入られて、帰国後「ケニヤ・ア・アフリカ」などの多くのアルバムを発表しました。おそらく、彼が内包していた強烈なリズム感と、土着音楽の力強さがマッチングして、ジャズのようで、エスニックのようで、ポップスのようでという具合の見事にブレンドされたサウンドを作りました。

異国の地を訪れた作家なり、ミュージシャンがその土地の醸し出す匂いを思い切り吸い込んで、自分の感性を刺激されて出て来た作品を見るのは、いつでも新鮮きわまりないことです。今日から始まったこの個展も、そんな刺激に満ちています。大砂塵と、灼熱の太陽、が体を吹き抜ける! かっこいい!という言葉だけで表現するのは、作家に対して失礼かもしれませんが、最大限の賛辞を込めて言います。

                           「かっこいい」

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国立近代美術館で開催されている「井田照一版画展」に、お店の開店前に行ってきました。

この作家の事は全く知りませんでした。京都を拠点に創作活動を続け、膨大な作品を残して2006年世を去りました。

展示会場入った所に、展示してあるカラフルな色彩の諸作品を見た時、つまらん、と思ってしまいました。出来損ないのポップアートか。しかし、奥へ、奥へと進むうちに、その表現領域の広がりに驚かされ、繊細で、余白の多い画面構成で、直線が微妙に交差する作品に出会う事ができて、満足でした。出口にあった果物のオレンジを取り上げた作品の中で、青い色で仕上げた作品のザラザラした感覚が妙に、印象に残っています。その後、近くのUNITEさんに行き、ハンバーグランチをいただきました。このお店のハンバーグの微妙な大きさが気に入ってます。帰りしなに某新古書店を覗くと、おっ!辻村益郎さんの表紙彩画&装丁がいい雰囲気のベルヌの「海底二万海里」(1973年福音館)があるでわないか!この小説のマニアとしては買わないわけにはいきません。

 

お店に戻ると、奇妙な本が一冊持ち込まれていました。

「増補四訂八丈島流人銘々伝」(昭和39年第一書房)

流罪の概論から始まり、流刑地として八丈島に送られた人たちの生活を丹念に追っかけたノンフィクション。そして、第二部では、実際に送り込まれた人たを一人一人、紹介するという気の遠くなるような膨大な作業を収録。そして、第三部は「八丈島流人明細帳」流罪決定の日時、島に着いた時の年齢、罪状、出身地、死亡時までを一覧で網羅するという本です。

こんな本が出ていたんですね。葛西重雄、吉田貫三のお二人の著者の執念が生んだ一冊です。

 

 

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