新しい出版社「灯光舎」を主催する面高悠さん、「恵文社一乗寺店」に勤務する涌上昌輝さん、「待賢ブックセンター」オーナー鳥居貴彦さん、「ba hutte」オーナー清野龍さんという、それぞれ本に携わっている地元京都の四人の日々を”交換日記”スタイルで小冊子にした「16日間の日記29日間の日記」(たぶんたぶん倶楽部/新刊700円)が面白い!

2020.4.27~5.12 、同年7.3~7.31、四人が順番に書いた日記を載せただけの本なのですが、ほっこりします。

清野さんは「この交換日記は僕の背中を今も押す。日常を見つめる視点の獲得、アウトプットはインプットであり、パスを出したらボールが返ってくる感覚であり(パスは自分がボールを保持していたら一生返ってこない)なによりもいま生きている、この感覚を四人で残した。」と書いていますが、「なによりも今生きている」その四人の日々の息遣いが伝わってきます。

「号泣する子を右手で抱き、左手には三輪車、さらにもう一本の手で払込用紙を持ち、残った手でATMを操作する。口座の残高は見ない。」と書くのは、父親業に(楽しみつつ)悪戦苦闘しながら、お店を回転させる鳥居さん。或いは、「八時半起き。みたらし団子で朝食。職場の短縮営業が始まってからは一日があっという間。」と、コロナ以降の変則営業に戸惑いながらも、書店にでる涌上さん(この人の食べ物の記述は楽しい)。と、何気ない日々、でもちょっとづつ変化している季節の感覚が、等身大の飾らない言葉で書かれていて、読んでいるとなんだか気分よくなってきて、自転車に乗って少し出かけようかという気分にさせてもらいました。

「エレファントカシマシの『今宵の月のように』をお供にバスに揺られて街へいく。」という書き出しは「灯光舎」の面高悠さんです。この出版社は「あるテーマをめぐって、 さまざまな著述家や芸術家に自由なまなざしで作品を表現してもらい、それらをひとつの封筒にパッケージ(&(アンパサンド))してお届けする」小雑誌「アンパサンド」を出しています。

「本」の枠を超えて(あらゆる枠にとらわれずに)、伝えたい、考えてみたい、表現したいという思いを大切にしながら、読者の思考にちょっとした刺激を与えるコンテンツを発信していきたいと思います。」という視点で出されている「アンパサンド」の二号も入荷しました。

「アンパサンド」発売記念展を、コロナ感染拡大で途中で終了せざるを得ませんでした。展覧会のために色々作っていただいたのに残念でした。この小雑誌は6号まで出ます。そのうち「アンパサンド」展のリベンジをしてみたいと思っています。