映画「バードビープル」を観ました。極めてリアルに描かれている現代社会を生きる人びとの姿と、ファンタジーが巧みにブレンドされた、とても不思議でキュートなフランス映画です。

世界を飛び回る、アメリカのビジネスマンがフランスにやって来ます。出だしから、彼が悩みを抱えながら過ごしていることは予感出来ますが、ドゴール空港近くのヒルトンホテルに投宿する設定から、この人物のエリートさが出ています。さて、もう一人の主人公は、このホテルのアルバイト客室清掃員の女子大学生。全く違う二人ですが、共通点が一つ。もう、こんな生活やってられない!という憂鬱な気分です。

ホテルの部屋からは、世界中から飛んできて、見知らぬ世界へ飛び出すジェット機が見えます。大空へと飛ぶ自由な姿とみるか、時間に追われて次々飛ばされているとみるか、それぞれですが、このビジネスマンは、なんとすべての舞台から降りることを決断します。会社も家庭も….。元々、折り合いの悪かった妻とPCのチャットで罵り合うところは、いかにも現代的です。(役者は大変でしょうね)

一方、いいようにこき使われている女子大学生は、業務中に停電に遭遇します。不思議な感じに捉われて屋上に出た途端、雀に変身してしまいます。ここで、驚いてはいけません。人生なんでもありですから。彼女は、大空へと羽ばたき、夜の飛行場、暗闇に立つ管制塔などを飛びながらながめていきます。もう、このシーンだけで飛行場フェチの私には胸キュンです。

嬉しい!と思って飛び出した彼女は、自由な心持ちと、色々な人生を垣間みて、人の親切も知り、雀は雀なりに生きてゆくのが大変なこともわかり、夜明けともに人間に戻ります。シュールな展開ですが、なんだか人間の気持ちも雀の思いも、わかったような気になるのが不思議

いずれにしても、この人生を生きるしかないのです。

幸せって、ひょっとして小さな小さなものだと、雀が教えてくれたのかもしれません。フランス映画らしくお説教っぽいことは全くないのですが、身軽になった男と、自分の事を少し好きになった女の子の、ラストの笑顔がなかなかいい。                                 「バードピープル」は京都シネマにて9月16日まで上映中です。疲れたあなたにオススメです。

 

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