岐阜に本拠を置くサカダチブックスの新刊が入荷しました。

「地方に住みはじめました。<岐阜市編>」(702円)です。東京から岐阜に越してきた女性が、縁のなかった一地方都市で、面白い暮らしかたを見つけてゆく本です。

「岐阜を全く知らなかった読者のみなさんが、少しでも岐阜に興味を持ち、せめて『岐阜』という字を間違えずに書けるようになりますように。それから、全国にある『岐阜』のような『地方』で暮すことを、ちょっとおもしろいかも、と感じていただければ嬉しいです。」という編集方針で、岐阜散策が始まります。

住みはじめて出会ったいい店のトップを飾るのは、「古書と古本の徒然舎」です。レティシア書房で年2回催す古本市にいつも出店してくださる常連さん。何度か伺ったことがありますが、程好い心地良さに満ちた古書店です。3年前に美殿町に移転して、店をスケールアップされました。この特集の面白いところは、お店の紹介記事のあと、「このあと、どこ行く?」という小コーナーがあって、周辺の素敵なお店を知ることができるのです。徒然舎に始まり喫茶ヨジハン文庫まで、個性的なお店がズラリ並びます。

今、地方都市の元気の無さが取り沙汰されていますが、きっとどこの街にも、新しい感覚でオーナーの個性を生かした店が誕生していると思います。岐阜の街をぶらぶらしたくなりました。

 

大阪発の出版社BOOKLOREから濱田久美子「Guide to Plants」(1944円)が入ってきました。この本は、一言で言ってしまえば、草木の切り絵集です。著者が心寄せる人たちと過ごした時間を、その庭に生えている草木を切り取ることで記録したとでも言えばいいのでしょうか。

「草木の切り絵は、庭で過ごした印象深い時間の記録でもあり、出会った人々をイメージして切り出したものがいくつかります。」

取り上げられているのは、作家永井宏さん、ソーイングテーブルコーヒーの玉井健二さん、恵美子さんご夫婦、そして、小さい頃過ごした母の、それぞれの庭にあった草木が集められています。大切な人達の日常を見続けてきた草木たちが、本の中で静かに佇んでいます。

巻末には、それぞれの草木の名前と、庭の持ち主との思い出話が載っています。読みながら切り絵を眺めたら、ゆったりした時間が流れるようです。

もう一点、海外文学好きにはお馴染みのフリーペーパー「BOOKMARK」の最新号も入荷しています。今回の特集は「やっぱり新訳」です、古今東西の文学、児童書、エンタメ小説の新訳本の紹介です。ゲストとして町田康が「気合と気合と気合」というタイトルで、自らが現代語訳した「宇治拾遺物語」のことを書いていますので、町田ファンなら見逃せません。

 

★8月9日(水)〜20日(日)「レティシア書房 夏の古本市」を店内で開催します。

個性的な28店のよりすぐりの古本が大集合です!(14日は休み)

暑い日が続きますが、お立ちよりください。

 

大阪を拠点に、出版活動を続けるBOOKLOREから、新刊のレシピ集が入ってきました。

BOOKLOREと言えば、旅人と詩人の雑誌「八月の水」(第1集630円、第二集735円)、畑尾和美「九月の朝顔」(2376円)、西尾勝彦「言の森」(1575円)、三倉理恵「月のスープ」(972円)等、詩を中心した本で有名です、昨日の店長日誌で紹介したクラフト・エヴィング商會の本と同様に、丁寧に丁寧に、一つ一つの言葉を大切にした本を作っています。

「言の森」に収録されている「そぼく」という詩は、素朴に暮らすと、どんな良いことが待っているかを詩にしてあります。

「遅さの価値を知る人たちに出会いました 一日いちにちが違うことを知りました」そして「損得では動かなくなりました わたしはわたしになりました」で終わります。日々寄り添ってくれる素敵な言葉が満載されています

そんな出版社の出すレシピ集が「My Dining」(1944円)です。

京都出身の中西ゆう子さんが、星ヶ丘洋裁学校の台所で開いた「青/AO料理教室」の、レシピと、そこであった様々なことが綴られています。

最近の豪華で、華美なレシピ集は写真が多く使用されていますが、この本はさりげないイラストと簡単な作り方のみ。シンプルな装丁とレイアウトで構成されています。それだからでしょうか、ここに紹介されているお料理を作らなくても、ほっこりした気分にさせてくれます。

後半は、彼女のエッセイが収録されていて、日々の喜びを見つける文章が並んでいます。著者のプロフィールを見ると、美術作家永井宏の文章ワークショップに参加されていたとか。変に飾った文章がないのはそのせいかもしれません。一見するとレシピ集に見えないところも良いですね。

 

Tagged with: