毎週木曜日、鞍馬口のスーパー前で、古本市が開かれる。文庫、絵本、文芸書すべて○○円。

この市の事聞いてから、数年。毎週は無理ですが、なるべく行くようにしている。ご近所のおじさん、おばさん、学生に混じって、古本屋の親父やら、携帯片手のせどり屋までと大混雑しています。本日も行ってきました。文庫7冊にハードカバー2冊をゲット。

岩波書店が、梶山季之の「黒の試走車」を文庫で出していたのは知りませんでした。へえっ〜あの岩波がこんな企業サスペンスを出すなんてとびっくりです。映画は確か、田宮二郎主演のクールな作品でした。

ひとつ珍しい本を見つけました。中村智子著「風流夢譚事件以後」(田畑書店76年)。深沢七郎の小説「風流夢譚」を雑誌「中央公論」(60年12月)に掲載したために起こった右翼少年によるテロ「嶋中事件」(61年2月)。当時、中央公論社に在籍していた編集者の著者が、この事件に巻き込まれ、翻弄されてゆく様を描いたノンフィクション。

版元の田畑書店というのも聞いたことがない。最終ページに出版している本が載っている。龍村仁「キャロル逃走宣言ーロックンロールテレビジョン論」が出版されている。時代の闇にどんどん切り込む鋭い出版社みたいで、こちらの本も読んでみたい。

 

さて、もう一つ。こちらは市ではなく、ある場所で見つけた本。

昭和10年発行の「子規遺墨集」。厚さ3.5cm、長さ40cm、幅30cmの和綴じ本。正岡子規の毛筆の書をすべて網羅した大著だ。発行元の巧藝社の住所を見ると、「東京市神田」。「東京都」ではなく、「東京市」というのが、この本の古さを象徴している。さて、困った。正岡子規なんて、TV「坂の上の雲」に登場するキャラでしか知らない。だから、当然この本の価値も判断できないので、ネットで検索すると、なんと70000円の高値がついている。ひゃぁ〜、ますます値段が解らない。今日は、この値段をつける作業で悩みそうです。この価値のわからない人には1000円でも高く感じることでしょう。まぁ、70000円の古本を扱えるような書店ではないので、ほどほどで店に出します。また、実物を見にきてください。

 

 

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市内の大学で心理学を勉強されている学生さんがご来店。で、その話がふ〜ん。

彼曰く、就職に失敗した大学生が自殺してるんですよ。ふ〜ん、というのがその時の感想でした。その翌日、朝刊に目を通すと、こんな記事が。

「就職に失敗して自殺した大学生150人に」

こんな出来事読んで、え〜就職失敗したぐらいで自殺?!、情けない!と感じた貴方。失格です。

生まれた時から、正しいか正しくないか、白か黒かの二進法的世界の住人にならされた彼らが就職失敗=すべてダメという思考に走るのは当たり前。むしろ自殺者が少ないぐらいです。彼らに非はなく、責められるべきは、そんな世の中を作った貴方、失格の烙印を押された貴方です。失敗したってやり直せるとか、他にも道があるなんて軽々しくお説教したって通用しません。そういうゆる〜い世の中を否定して、「頑張ろう」成長一直線で疾走してきたんですからね。

森達也は、自分の著作の中で、世の中は正義か悪かではない、そのグレーゾーンに真実があると言い続けてきました。でも、不幸なことにこの国では、経済の成長こそ美徳、繁栄こそ正義。それが唯一の正解という流れに、みんな巻き込まれました。

努力すれば報われる。夢は必ずかなえられる。そんなアホな! 本当はこう言うべきでしょう。

努力しても、ほぼ報われません、夢なんて立ち消えます。でも、どうってことないです。

あきらめるな、自分を信じろなんて言う輩より、もうええやん、今日は古本屋で安い本買って、ビールでも飲んでお昼ねしまひょ、という輩の方が信用できます。

数十年前、作家の昭如氏が、今の若者をどう思うかと問われて、「若者は全然正しい。悪いのは大人だ」と力説していました。あん時は理解できませんでしたが、真実です。日本がこんな状況なのに、経済成長こそ!と力説している大人達が大勢います。まだ、多くの若い世代を殺すつもりかいな!今、なすべきことはヒートアップするんじゃなくて、トーンダウンして生きていく事を、貴方や、私のような大人世代が示すことだと思うんですが。

野坂昭如は「東京十二契」(昭和57年文藝春秋200円)と、「子噛み孫喰い」(昭和49年筑摩書房700円)があります。

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電話を取ると、「ミニプレス出したんで置いてもらえますか」という奇麗な声の女性でした。

夜、もう閉店間際に、その女性は来られた。拝見する。「本のある部屋」というミニプレス。特集は書店員の座談会「本屋大賞を全力で楽しむ」と、「梅田書店マップで、もっと楽しい本屋巡り」。新刊本のことがメインですが、私には、古本も、新刊本も、ミニプレスも関係ありません。紙の上に字が書かれてある「楽しきもの」です。面白いってこういうことね、とニンマリさせてくれるミニプレスの登場です。次号は11月とか。応援しますよ。因みにこの雑誌のデザインをしているAさんの「妄想本棚」に並んでいる本が、彼女の個性の良く出た楽しい一項ですね。(500円)

 

先日、大阪の版元で、限定販売の書籍を送り出していた湯川書房の「花深き」(小川国夫著)を、ご存知「善行堂」で入手しました。挿絵は平野遼。丁寧な本はこうして作るんだというお手本みたいな一冊です。この大量出版時代には、到底こんな本作りは不可能でしょうが、一日に一度はページをめくりたい魅力に溢れた本らしい本です。置いておくだけで光り輝く、そんな気がします。

 

と思えば、「富嶽三十六景」という全46枚のポストカードを収録したものが入荷しました。これは、なんと藤沢薬品という製薬メーカーが販促で作ったものらしく、各ポストカードには、主力商品の「ノイビタ」、「チオクタン」のロゴの入った代物。当然非売品ながら、ちょっとマニア心くすぐる一品です。

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今日は卓球の試合でした。

午前9時に、府立体育館に向かう。現在私のランクはD級。なんとか今日C級へのステップアップを目論む。試合は数人に分かれたチームごとの総当たり戦。練習をしながら、この親父は足が遅そうとか、こっちの旦那はバックサイドが弱そうとか、試合の対策を考える。

お〜。小学生がいる。1勝儲けた、と思ったのだが、こいつがくせ者だった。

最初の方と試合開始。1セット目を落とすも、その後相手のサーブを読み切り、3勝して勝ちをゲットする。この調子と、一人ほくそ笑みつつ、その小学生の試合を観る。

強い!!!!!!!!!!!!!

卓球のサーブは微妙です。下回転するもの、上回転するもの、横回転するもの、高速で逃げていくもの、無回転で沈んでゆくもの、そしてそのミックス。100人いたら、100種類のサーブがあると言われるぐらいの個性がある。で、その小学生のサーブ、高速で飛んで来て、横下に回転する。返したと思ったら、フワリとした棒玉で、スマッシュを打ち込まれる。もう対戦相手はなす術もなく、ストレート負け。

う〜ん、これはヤバい。私は二人目のちょっと年配の方にも勝ち、この小学生との対戦を迎える。このサーブがもう難関でした。大きくドライブして、しかも逆に回転つけて返さないと、全部スマッシュを打ち込まれる。

悪戦苦闘しているうちに、早くも2セットを取られる。サーブをコーナーギリギリに打って、左右に振ろうにも、なんせ小学生。運動能力は抜群。おまけに動体視力も良さそうで、ブラフのサーブもことごとく見破られゲームセット。小学生M君は、全員にストレート勝ちで、C級へランクアップ。疲れました。

お店には画集、美術関係が入荷しました。写真は沢渡朔「少女アリス」(河出書房73年初版)ちょっと貴重ですが、当店のプライスは3000円です。(古書のネットでは5000円以上の売価です)

 

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「飛んだ!」ー「魔女の宅急便」でヒロインが箒に載って飛んだ瞬間に実況アナが叫ぶ台詞です。

宮崎駿は、もうこの言葉を動画で表現したくて、心血を捧げて来た作家というのが、私の宮崎観です。昨日、テレビで「風の谷のナウシカ」を放映していました。何度も観ましたが、やはりナウシカが大空へ飛び出す瞬間には、何度でも胸ときめきますね。翼を左右どちらかに傾け、一気に急降下する、急上昇する瞬間に、この人はすべてを注ぎ込んでいる。一気に変化する重力、温度の急激な降下まで感じる程までの一コマ一コマの緻密な動きには恐れ入ります。

本人は何も語らないけれども、この人はきっと空中戦映画が大好きだったと思う。私がアホみたいにくり返し観ている、第二次大戦のドイツとイギリスの空中戦を描いた「空軍大戦略」。ファーストシーンはドイツの輸送機が、ゆっくりとしたカーブを描いて降下していくシーンで始まり、もう後は華麗な空中戦のオンパレード。「ナウシカ」を観ていると、この映画が観たくなる程に、描写が似ている。宮崎は後年、自分の飛行機好きが高じて、「紅の豚」を作った。こういう趣味性で映画を作ってしまったことに対して、自己批判をしていたが、「飛んだ」という高揚感を味わえる希有な映画であるのは間違いない。

私にとって、宮崎映画は、その時代に対する洞察力や、思いとは別に「飛んだ!」という高揚感の味わえる映画がベストです。「ナウシカ」、「トトロ」、「魔女の宅急便」そして「紅の豚」の飛ぶシーンこそがすべてで、残念ながら、そういう高揚感のない「千と千尋」以降の宮崎はお呼びじゃなくなりました。

ところで、店にある「風の帰る場所」という12年間にわたるインタビュー集はぜひお読み下さい。スリリング極まりないインタビューです。(ロッキンオン900円)

 

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先斗町へは、毎日行く。

と言っても、飲みに行くわけではない。愛犬の散歩です。どういう訳か、愛犬マロンは鴨川よりも、先斗町がお好きで、朝の散歩はここと決めている。(別に花街の生まれではないんですが)朝7時ごろの先斗町といのは、一言では表現できない表情です。喧噪の後の寂しさというべきか、酔いどれ男や、女たちの笑い声や、泣き声の残響というべきか、はたまた男と女の欲望の捨て場の臭いというべきか、とにかく独特の雰囲気です。愛犬は、その横町、あの横町に行きつ、戻りつ散策します。

私が、この街に初めて足を踏み入れたのは30年ほど前。この近辺で小さなレコードショップをしていて、お客さんにディスコ関係者や飲み屋さんが多く、お買い上げのレコード代金の集金のため開店前のお店や事務所に訪れた時でした。絵に書いたように厚化粧のママからお代金を頂戴していました。お店は真っ暗、事務所にママさんと二人で数十分いると、やば〜い、という気分になります。逆に開店前のバーに集金に行くと、若いバーテンさんが一心不乱にグラスを磨いている場に出くわします。あれっ、北方謙三の小説に出てきそうな感じでした。そう言えば、バーボンウイスキーの飲み方を教えてくれたのは彼の小説でしたね。気障なハードボイルド小説に酔ってた時代もありましたが、10編の短編を収録した「棒の哀しみ」(新潮社200円)に登場するやくざの自堕落で空虚な生き方は良かったです。これを日活ロマンポルノの名手柛代辰巳監督が奥田瑛二で映画化したのも、気だるさ満点の映画でした。

朝の眩しさと、夜の気だるさが微妙にブレンドした先斗町をリズミカルな動きで散歩する愛犬は、さてさて何を感じているのやら?

 

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 最近ウェルメイドな映画を三本観ました。
「スーパーチューズデイ」、「マネーボール」、「阪急沿線」の三本。最初の一本以外はDVDで観ました。すべて、ウェルメイドな映画でした。
ところで、ウェルメイドってどういう事なん?と思われる方に簡単にお話しますと、上映時間が2時間+10分程度、大げさなドンパチがない、出演者がめったやたらと泣きわめかない、お話はしっかりしている、そしてキャラクターに親近感がある、という事です。

私が映画に夢中だった70年代から90年代あたりまでは、アメリカ映画はそんな映画の宝庫でした。だから、今でも私の映画体内リズムはそんなウェルメイドリズムです。それを、立て続けに観ることが出来ました。ジョージ・クルーニーの「スーパーチューズデイ」は「大統領の陰謀」を頂点とする政治サスペンス映画の香りプンプンの映画でしたし、もう「マネーボール」はこれ以上の野球映画の傑作はない!と思えるぐらい、でも極めてオーソドックスな、映画らしい映画でした。そして、有川浩の原作の良さを保ちながら、古典的グランドオペラ形式の映画の楽しさを味わうことができる「阪急沿線」。

映画だけじゃなく、小説にもそれを求めてしまいます。森絵都「宇宙のみなしご」、(94年講談社 500円)堀江敏幸「未見坂」(08年新潮社 800円)、庄野潤三「貝がらと海の音」(96年新潮社 500円)、池澤夏樹「骨は珊瑚、眼は真珠」(98年文春文庫 300円)とか思い出します。大作でもなく、問題作でもない、表現技術に新しい感覚が盛りだくさんというスタイルの小説でもない。泣かさない、怒らさない、考え込まさない。しかし、その小説の一部が心の深い所に留まり続ける、そんな本がいいいいですね。

映画「阪急沿線」ラスト、色々生きる事でドタバタしたヒロイン二人の台詞はこうでした。「ねぇ、悪くないわね」。
生きるって悪くないわねと軽くステップを踏ませてくれるような本に、映画に、音楽に、私の最高の褒め言葉は、やはり「悪くないね」です。

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新潮社が出版していたネイチャー系雑誌「Mother Nature’s/マザー・ネイチャーズ」の執筆陣が凄い!

1990年「小説新潮臨時増刊」として創刊、年2回の不定期刊行物として7号まで刊行ののち月刊誌へと移行。その月刊誌はすでに休刊している「シンラ」。平凡社が出版していた「アニマ」をベースに新潮社らしい文芸書的雰囲気も混ぜて作られた雑誌でした。

創刊号の表紙AD、2号以降ロゴデザイン平野甲賀。 執筆は岩合光昭、星野道夫、沢木耕太郎、池澤夏樹、干刈あがた、立花隆、椎名誠、竹内久美子、村上春樹、大貫妙子、今森光彦等々さすが、文芸書に強い出版社のラインアップです。私はこの雑誌で、シュガーベイブ時代から好きだったシンガー$ソングライターの大貫妙子の長い文章に初めて接しました。2号に掲載されている「海のゆりかごガラパゴス航海記」は第一級の紀行文です。同じ号に載っている沢木耕太郎の「深夜特急第三便」と一緒に読めば、旅に出たくなります。

第三号では、おっと「イワナの夏」という傑作釣文学の作者、湯川豊の「沖縄野菜物語」というエッセイがあるではないか!垂水健吾の写真も素敵な、ゆったりとした沖縄時間が流れます。その一方、相変わらずキザなタイトルの池澤夏樹「再び出発する者」で、相変わらずクールで明晰な文章も楽しめます。

そして6号と7号には村上春樹が登場。「メキシコ紀行」という紀行文を寄せています。私は春樹は音楽エッセイ以外は評価しないんで、どうでもいいんですが、好きな人にはたまらんでしょうな。

この雑誌を創刊時から買っていたのは星野道夫が「アラスカ定住日記」を連載していて、その文章と写真に魅了されたからです。今読み直しても、素敵な、素敵な連載です。

お値段は各300円です。創刊号以外すべてあります。お店がひまな時、今一度読み返していると、お!こんな記事があった!と新しい面白さを発見します。あ〜っ、もったいないから売るのやめようかな。

 

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20代後半から30代前半、辻邦生(1925〜1999)の小説に入れこみました。

織田信長の生涯を、宣教師の視点から描いた「安土往還記」(筑摩書房600円)。もうこのストイックな文体で描かれる信長像にしびれましたね。

「人間は、温情を与えることで下劣なものに成り下がることがあるのだ。」下劣な存在にならないことを己にも、他者にも激しく求め、ひたすら極みに達しようとする、恐ろしく孤独な存在。明智がなぜ謀反を起こしたのか様々な説がありますが、このラストには、なるほどなぁ〜あの眼に耐えられなかったのかと納得しました。

 

その後、この人の長編歴史小説を片っ端から読破。「背教者ユリアヌス」(中央公論社1500円)全2段720ページ、「西行花伝」(1995年新潮社1000円)520ページ、「春の載冠」(1977年新潮社1600円)上下巻全900ページ2段組み、と今なら絶対読めません。歴史に翻弄されながら、悲劇的終末へ突っ走る男達、女達の人生。もうそれは真面目な小説です。文学の絶対性を信じて、人のあるべき姿を求める理想論です。古くさいかもしれませんね。現に古本市場では人気ありません。でも、理想論を真面目に語ることが大人の仕事ではないでしょうか?

昨今の原発再稼働についての意見の中に、「原発廃止は理想論。理想だけでは生活できない」とか「きれい事じゃ、無理」とかという台詞を見かけます。それは、全く間違ってます。そういう、あるべき未来への理想を真面目に語ることが第一歩のはず。理想論をせせら笑うような考え方では、いつまでもこの国はお子様の国ですね。

そういう意味で、辻邦生の読書経験は、大事なことでした。

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オ〜!Leni Rieffenstahl”Five Miles”(洋書5000円)が手に入った。

Leni Rieffenstahl、日本語で表記するとレニ・リーフェンシュタール。1902年生まれのドイツの舞踏家、女優、映画監督そして写真家でもあった。ナチス政権下で国威発揚のために製作されたベルリンオリンピックの記録映画「オリンピア」で注目を浴びるものの、ナチスのプロパガンダ映画を製作したとして、戦後黙殺されてきました。でも、この移動カメラを駆使して製作された記録映画は、今観てもとてつもなく面白いだけでなく、今日のスポーツ撮影に多大な影響を与えていることがわかる。というか、彼女がいなかったら、きっとスポーツの映像ってつまんないものになっていたはず。

戦後、ナチスとの関係を追求され続けますが、尊厳を回復(本人はナチス党員ではなかった)。70年代以降、アフリカのヌバ族の人たちの生活を撮影した写真集を発表。さらに、驚くべき事に70才を過ぎてスキューバダイビングの資格を取り、100歳!!のときに『ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海』で現役の映画監督として復帰する。もちろん、世界最年長者ダイバー記録を樹立。その翌年の2003年、静かにこの世を去りました。101才生涯現役でした。

いや〜ぁ、波瀾万丈の生涯。その彼女のすべてを網羅した写真集。当然、オリンピック撮影中の力強い写真は見所で、観ていても全然飽きて来ない。しかし、もっと凄いのは最後のページに載っている海中で撮影された海洋動物の生々しい色合い。この高齢で海に潜り、生命力溢れる世界を撮ろうとする欲望はただ者ではありませんな。少々高いかもしれません。あんまり売りたくないのでお客様防衛価格ですが、どうしても欲しい方は、気合い入れて価格交渉をしてみては? 

店には彼女の本としては「レニ・リーフェンシュタール芸術と政治のはざまに」(LIBRO社昭和56年初版 1500円)もあります。こちらはナチス政権下で彼女の悪戦苦闘が描かれていて、ドキュメンタリー映画を観ているような面白さです。

 

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