弥勒世果報(みるくゆがふ)ーundercooled

「undercooledという曲は、2003年アメリカが大量破壊兵器があるという虚偽の理由でイラクに攻め入った頃、もっと頭をひやせ、という気持ちで作った曲です」

これ、作曲した坂本龍一の言葉です。その曲に沖縄で活躍する「うないぐみ」という女性ボーカルグル−プが歌詞をつけて歌ったのが「弥勒世果報ーundercooled」です。「海の美しさ、青い海の美しさ」と沖縄の自然を湛えるところから曲は始まります。そして、戦場となった沖縄を思い、こう歌います

「決して忘れられぬ 戦の世の哀れ 子供たちに語っていこう 子供たちに語っていこう 星の光 我々の地球の光 弥勒の世の 願いを立てる 願いを立てる」

とこの地の人々の平和への願いを歌います。

ジャケットの絵はCocco。UA(ウーア)が、歌の途中で「つぶやき」で参加しています。このシングルCD(1080円)は、諸経費を除いた売上げが、辺野古新基地反対を目的とする辺野古基金に寄付されます。ネットでも、CDショップでも買えます。(当店にもありますが)ミュージシャン達の思いに参加してください。

ところで「弥勒世果報」は沖縄古来の信仰で「弥勒神」がもたらす理想的な平和で豊かな世の中の意味です。そして「undercooled」ー「もっと頭を冷やせ」と言われる最も相応しい人物は、今、アベちゃんであることは、皆さんよくお分かりのはずですね。

もう一枚ご紹介します。ガザ空爆の渦中、悲惨な運命に翻弄される子供達を前にして、なす術のなかった日本人ミュージシャンが作った曲が、世界18か国のミュージシャンによって演奏されたCDです。アースキャラバンテーマ曲「SHARE」です。多くの国の人達が一つの曲を演奏すると、どれもその国が育んできたリズムで、こうもいろいろ変えてしまうのかと驚かされます。音楽の深さ、広さを再認識させられました。

(参加国)日本、台湾、カナダ、アメリカ、スペイン、韓国、パレスチナ、ルワンダ、インド、ペルー、オーストリア、タイ、イスラエル、ウクライナ、イラン、バングラデシュ、オーストラリア、イタリア

すべての人達が幸福にならない限り、個人の幸福はないという思想を展開したものです。音楽好きの宮沢賢治なら、きっと天国から、おっ〜、これはこれは、と喜んでいることでしょう。

 

 

先日、パステル作家の5・SEASONさんから届いたメール。

「レティシア書房 さま

お世話になっております。展示のご案内をいただいておりますのに、なかなか行けなくてざんねーん!

ところでご相談が…。
ぢつは私、歌謡曲歌手として純情レコーズから11/16にマイナーデビューいたします。
レティシアさんにて販売いただけないでしょうか?なにげに私、本気でございます。」

5・SEASONさんには、今年3月に当書房でも個展して頂きました。美しい色合いのパステル画は、個性的で春にふさわしいとても素敵な展覧会になりました。その5・SEASONさんが?歌手デビュー?ってどう?

届いたCD『小夜曲』は、全曲オリジナル。もちろんパッケージデザインはご本人です。これまでもCDのデザインを手掛けてこられた画家ですから、こちらは本職、しかし歌は????と恐る恐るプレーヤーに押し込み、さて、流れてきた唄は、昭和の香りたっぷりのなつかしい楽曲。思い込みで、勝手にもっとポップなノリと思い込んでいたのですが見事にハズレ。で、少し鼻にかかった歌声がなかなかいいです。

平成生まれの方々はご存じないかもしれませんが、あべ静江とか奥村チヨとかの、「夜のヒットスタジオ」でマイクをリレーしていた、そうあのなつかしい歌謡曲です。或は、玉置宏「1週間のご無沙汰でした!」という「ロッテ歌のアルバム」なんか次々思いだします。なんと最後にカラオケまでついてますが、初めて聴いたのに、どこかすぐにも鼻歌で歌えそうな、聞いた事あるような、メロディー。

奈良でのデビューコンサートもあるそうですよ。ぜひホームページをチェックしてみてください。

こういう新しい事を楽しんでやるには、5・SEASONさんの周りに、きっと面白い人のネットワークがあるからでしょう。そのことが何より彼女の魅力です。CD『小夜曲』(1500円)は、今のところ京都ではうちの独占販売。試聴もOKですよ。(女房)

Tagged with:
 

悪ガキが始めたロックバンド「ローリングストーンズ」。そのドラムスはチヤーリー・ワッツ。1941年生まれの72歳。メンバー唯一の初婚を貫いています。(関係ないか)63年ストーンズに参加し、このR&Rバンドのリズムを支え続けています。その彼のリーダーアルバム”long ago & far away”。初老の紳士がスーツにコートを着て、街灯に寄りかかっているジャケからして、大人な魅力です。元々、ジャズ指向だった彼ですから、お見事フォービートのジャズアルバムです。とはいえ、ゴリゴリのジャズアルバムではなく、スタンダードナンバーを軽くならず、さりとて重くならず、まぁ大人の余裕というやつで巧みに演奏しています。押し付けがましさのないアルバムですね。   大人の余裕なら、俺も!というところで、ランディ・ニューマンの“SongBook Vol2”も聴いていただきたいアルバムです。1943年生まれの70歳。祖父はハリウッド黄金時代の映画音楽の巨匠、アルフレッド・ニューマン。シンガー・ソングライターとして数々のアルバムを発表。その代表曲をセルフカバーした第二集。全曲ピアノでの弾き語りです。ちょっと酔いどれダメ親父のぐだぐだを聴く感じです。ちびちびとウィスキーを飲む時の友に最適です。「ボルティモア」はマイ・フェイバリットナンバーです。

枯れたお二人に比べると、1950年生まれのナタリー・コール(ナット・キング・コールのお嬢様です)は余裕とはいえ元気あり ます。お父さんみたいにソフトでロマンチックでもないし、さりとて黒っぽい感覚も感じさせない、ポピュラーミュージックの王道をゆく正統派シンガーです。恐らく、どんな曲でも自分のものにできる自信があるんでしょう。全13曲、聴いた後の余韻というようなものはないのですが、聴いても聴いても飽きさせない魅力が、大人の余裕ですね。

さて、もう一人。俺も入れてくれ!と、悪たれパンク小僧だったエルビス・コステロが弦四重奏団と共演した「ジュリエット・レターズ」。ロマンチックな仕上がりです。

この四重奏団だけの演奏で、歌曲の小品を聴いている気になりますが、コスレロらしい哀愁は表現されています。暗〜く、寒い冬の夕暮れにぴったりのアルバムです。

でも、54年生まれのコステロには、他のお三方みたいな余裕はまだまだ、ということで、後、十年待ちましょう。

 

 

Tagged with: