1983年7月24日、西武ライオンズ球場で大きなコンサートがありました。出演は、ラッツ&スター、大滝詠一、サザンオールスターズというビッグネームです。そこで二番目に出た大滝詠一のステージが、初めてCD化(1900円/中古)されました。彼の経歴や功績を、今更どうこう書くつもりはありませんが、彼と彼の仲間たちがいなければ、歌謡曲もポップスも、今日の音楽的進展はあり得なかったのは事実です。

コンサートは、意表をついた形でスタートします。山本直親指揮の新日本フィルハーモーニー・オーケストラが壇上に並び、フルオーケストラで、大滝のヒットナンバーを演奏し始め、全5曲、インストが続きます。おそらくサザンオールスターズのファンは退屈だったでしょうね。しかしインストでも、彼のラグジュアリーで叙情的なメロデイーを満喫できて、私は楽しく聴きました。「カナリア諸島にて」を飛行機の中で聞いたら、きっと旅の気分がぐっと上がる出来上がりです。

その後は、彼の代表曲の釣瓶打ちです。薬師丸ひろ子の「探偵物語」や、森進一の「夏のリビエラ」の英語バージョンなど、こんな曲も歌うんだなぁ〜という選曲で楽しませてくれます。そして、エンディングがまた大滝らしいというべきか、「夢で逢えたら」のフルオーケストラ演奏で終わるのです。普通なら、ラストナンバーで盛り上がるところ、いやはやのラインナップです。

さて、大滝と同じく日本の音楽界に多大な影響を与えている、細野晴臣もユニークなアルバムを出しました。彼が1973年に発表したソロアルバム「HOSONO HOUSE」をリメイクした「HOCHONO HOUSE」(中古CD2500円)です。73年発表のアルバムは、今でも若い世代から圧倒的な支持があって、じゃあもう一度リメイクしてみようか、となったみたいです。ただ、単なるリメイクではなく、全ての曲の歌唱、演奏、ミックス、プロデユースを細野一人でやっています。「HOSONO HOUSE」を愛聴していた人ならわかると思いますが、逆の順番で演奏していることに気づきます。全く逆の順序でスタートし、オリジナルで先頭に収録されていた曲が、ここでは最後に演奏されています。自分の音楽で盛り上がることを良しとしない、彼らしい盛り下がる音楽をお楽しみください。

なお、この二枚のアルバムのことを特集した「レコードコレクター」最新号も古書(400円)で入荷しています。お好きな方はまとめてどうぞ。