マガジンハウスが出している月刊誌「Ku:nel」(クウネル)のバックナンバーが、30冊程入荷しました。2004年11月発行の10号から、2014年3月発行の66号まで、全て揃っているわけではないですが、綺麗な状態です。(各300円)

一応女性向けの暮しの本ですが、新刊書店員時代、必ず読んでいました。その濃い内容の一部を紹介します。

10号には日本の動物イラストレーションの先駆者、薮内正幸の60年の軌跡が紹介されています。15歳の時に作ったという「鷲鷹科の種類」の私家版を初めて拝見しました。描いた絵は1万点以上。多くの絵本に使われています。収集されている方もおられます。

46号では、「大切な本はありますか」という特集で、何人かの方の大切な本が紹介されています。エッセイスト宮脇彩さんは、73年アメリカで出版されたマーナ・ディヴィス著、伊丹十三翻訳の「ポテトブックス」を紹介していました。「アメリカからやってきた料理の本であります」という伊丹らしい文章で始まる料理本です。この本の序文は、あのトルーマン・カポーティだったんですね。

と、こんな具合に紹介していけばきりがありませんが、もう一つ。月刊誌のカルチャーコーナーには、必ず書籍、音楽、映画が取り上げられていますが、この雑誌のコーナーはとても充実しています。手当たり次第に本を紹介するのではなく、一人の作家が、毎回紹介され、インタビュー記事をメインに構成されていて、この部分だけ切り取ってファイリングしておくと、面白いものになりそうです。音楽もしかり。基本的にミュージシャンがセレクトするのですが、渋いラインナップとなっています。映画に至っては、毎回毎回、著名な方が担当しています。例えば、44号では、酒井駒子が「ちいさな主役は、ひとりぼっちでよるべない」というテーマで映画を選んでいます。カルチャー欄充実ですね。

「ストーリーのあるモノと暮し」が雑誌のコンセプトで、お金をかけてモノに囲まれて、というスタンスの全くない誌面作りが、新しい豊かさを作り出そうとしています。

ところで、児童文学者石井桃子の有名な「山のトムさん」の1957年発行の初版の装幀を、雑誌の中に見つけました。本好きならではの、こんな探す楽しみも満載です。

 

 

 

 

★毎年恒例になりました『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、10月28日(金)7時30分より開催が決定しました。(要・予約 レティシア書房までお願いします) 

★★カナダ在住で、ドールシープを撮影されている写真家、上村知さんの写真展を11月1日(火)〜13日(日)まで開催します。5日(土)夜に、上村さんによるスライドショー 「極北 カナダ・ユーコン&アラスカの旅と暮し」(7時より)を予定しております

  (要・予約 同じくレティシア書房までお願いします)

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マガジンハウスが2003年に創刊した雑誌「ku:nel」の創刊号から、2010年あたりまでのバックナンバーが入荷いたしました。

この雑誌は「ストーリーのあるモノと暮らし」というコンセプトで、従来の家庭雑誌と全く違う切り口で日常生活を見つめ直し、日々の暮らしを楽しく過ごそうという作りが、女性から高い支持率を得ました。新刊書店勤務時代、あっという間に売り切れてしまったことが何度かありました。それ以前にイラストレーターの大橋歩がインディーズマガジンとして発行した「アルネ」をかなり意識しているのではないかと思います。「アルネ」は「ku:nel」だけでなく、その後の暮らしの雑誌、さらには店で扱っているミニプレスの編集方針に影響を与えています。

「ku:nel」は「anan増刊」として2002年に発行されましたが、「アルネ」の影響を受けつつ、独自の色合いを出していきました。そして、翌2003年11月創刊号発行。この号では武田花さんが母、武田百合子と彼女の代表作「富士日記」を執筆した「富士山荘」の事を語っています。「暮らし」を見つめる記事の中に、さり気なく本のことや、音楽、アートのことが入っていて、しかも、大げさでない編集が、読者としては気持ちのいい雑誌です。

私は、この雑誌の本や音楽の紹介ページのセンスの良さが好きでした。例えば2002年4月の、まだ「anan増刊ku:nel」時代の号で、メイ・サートンの「夢見つつ深く植よ」というシブイ本が紹介されています。また、音楽の紹介では「風の音楽、眺める音楽」というタイトルで12作品紹介されています。その作品をセレクトしたのが、美術作家の故永井宏です。いや、もう文章もいいし、選ばれている作品も私好み。大地の香り満載のハートウォーミングなボビー・チャールズの傑作「ボビー・チャールズ」を見つけた時は、永井さんのセンスにしびれました。

蛇足ながら、このアルバムを、昨年トークショーをしていただいた北海道の安藤さん経営のペンション「ヒッコリーウィンド」で、深夜、ちびちびと美味しい年代物のウィスキーを飲みながら聴いた時の心地よさは忘れられません。店にはCD(1300円)がありますので、いつでもおかけします。

「ku:nel」は、すべて200円です。ぱらぱらめくってお気に入り見つけてください。

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