先日、東京のSUNNY BOYBOOKS さんから連絡がありました。

イラストレーター、タダジュンさんの作品集「Dear,THUMB BOOK PRESS 親愛なる親指へ」(2376円)を出版したので、挨拶に伺いたいという嬉しいお話。タダジュンさんと言えば、ヘミングウェイの「こころ朗らなれ、誰もみな」、クッツェー「鉄の時代」等の海外文学や、中川ワニ「ジャズブック」のカバーデザインでお馴染みの作家です。そして、映画ミニプレス「Kinebus」にも、毎回素敵な作品を書かれています。(もちろん当店にも置いてます!)

恵文社一乗寺店での個展と誠光社のイベントのために京都に来られたので、うちにも寄ってくれました。新しい作品集「Dear,THUMB BOOK PRESS」は、本好きならニンマリするに違いありません。

巻頭に柴田元幸の「サムが愛した本について」という序文にこうあります。「サムが独自の装幀本を作成した20冊のリストは大変興味深い。」そして、次のページからサムが装幀した本がズラリと並んでいます。ナバコフ、カフカ、ブコウスキー、ヘミイグウェイ、ウォールデン、そして谷崎の本まで、独特の世界観に満ちた作品が並びます。

えっ?この本ってタダジュンの作品集じゃなくて、サムとかいう人の作品集なの?

実はサムなんて人物は実在せず、タダジュンさんがサムという架空の装丁家に扮して、装幀した本が載っているという趣向なのです。

ご丁寧に SUNNY BOY BOOKSオーナーの高橋和也さんが、「THUMB BOOK PRESS」と印字された「星の王子様」のフランス語版を持っていた思い出まで書かれています。さらに、タダジュンさんがサムに扮して公園に佇む写真まで載っているという凝りようです。

でも、どの本もずっと見つめていたい、という気持ちになります。こんな本があれば、一日中触っていたいと言う程に、愛情が溢れた装幀です。

紹介されている文学作品について、それぞれコメントが付いています。私が気に入ったのはバージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」の紹介文です。装幀に合わせて、それぞれの方が、架空のサムおじさんへの思いを語ってくれます。空想の書物に触れ、書物を読む楽しみを味わってください。(素敵なサインを本に書いていただきました!)

タダジュンさんの参加されている「Kinebus」最新号(100円)もお持ちいただきました。たった一枚の新聞紙の大きさのペーパーですが、映画への愛に溢れています。

猛暑の京都にお越し頂き、ありがとうございました。