ミニプレス「よあけのたび」の、第2号発刊を記念して、「Have a wonderful morning 」と題した展示が今日から始まりました。

「よあけのたび」は、主に京都(他に鎌倉、尾道)のカフェなどの朝ごはん巡りが、エッセイと写真と楽しいイラストマップで書かれています。著者はまごさん。1000件以上のモーニング巡りをした朝型人間だそうで、朝の魅力を発信し続けています。早朝街を散歩していて、ふと気になったカフェに立ち寄りモーニングを注文する。まごさんは、店の佇まい、ドアを押して入った印象や、その時の気分を丁寧に綴っていきます。コーヒーの匂いが立ち上ってきて、店主との静かな対話、食器の音などが聞こえてくるようです。すぐにでも食べたくなるような美味しそうなトーストやサンドウィッチ、これは危険な本です。

いつも市内のカフェの情報を携えてレティシア書房に立ち寄ってくださるIさんに、昨年まごさんのミニプレスを教えてもらい、その後何度も追加注文している人気のミニプレス(2021年5月30日の店長日誌で紹介)。京都に長く住んでいますが、カフェでモーニングという時間を持たないまま暮らしてきました。「よあけのたび」を手にしたら、これを体験しないのは人生の楽しみを半分損してたのではないかと焦ります。

「わたしにとって朝の時間は、たとえ近所でも、コーヒーとトーストというシンプルな食事でも、旅をしているときに感じる非日常のような特別な時間です。」と、「よあけのたび」の1号に書かれていました。そして待望の第2号。冒頭にはこう書かれています。

「なんでもない日が少し特別に思えるから、夜明けのたびにワクワクする。それは旅へ出る日のように。」小さな旅は、今こんな時期にこそ大切なものかもしれません。

今回の個展では、まごさんの作った張り子の狸と、 ミニチュアフードを手がけるBonchi Kyotoさんとの「たぬきの朝ごはん」というコラボ企画も!!これがメチャクチャ可愛い!!たぬきの朝ごはんに、時を忘れて見入ってしまうこと請け合いです。(張り子のたぬきは販売しています。)その他、朝の散歩に持っていきたいオリジナルマルシェバッグなども販売していますので手にとってご覧ください。

そしてさらに、「思い出の朝ごはんを描かせてください」というinstagramを通じての呼びかけに寄せてもらった文章とともに、まごさんのイラストが並んだ「思い出の朝絵ご飯」(写真左)という、盛り沢山の展示となりました。食欲の秋、まごさんの展覧会でお腹いっぱいになってください。(女房)

 

 

朝ごはん巡りミニエッセイ本「よあけのたび2」発刊記念展

『Have a wonderful morning 』は、11月16日(水)〜27日(日) 13:00〜19:00(最終日は18:00まで)月火定休日

 

1987年から作家活動をされているハセガワアキコさんの銅版画展は、2015年、2018年に続きレティシア書房では3回目になりました。

ハセガワさんの作るマチエールはとても魅力的です。錆びた鉄や、廃屋の壁のような、時を経て醸し出される味わいがあります。昔どこかで見たことのある風景、映画の中だったか、夢の中で出会ったモノ、あるいは迷い込んだ路地の奥で触ったことのある古い塀の感触、よく覚えていないけれど確かに知っているモノ、そんな風に色々思いながら小さな作品に惹き込まれます。

「微細なウィルスが国境を超えてパンデミックと化し、ウクライナとロシア紛争は長期化の様相を見せるなど、どこかで何かが起きて波及すると混乱を生じる。良き波も悪き波もどこかで環が繋がり広がり続ける。形が無いように見えても存在する何か、ありふれた身の回りの風景や物体からでも生じてくる何か、そんな『モノ』を追い続けたい。」今回の個展に際して、ハセガワさんが書かれた「波のようなモノ」という文章です。

キャプションを手掛かりにして、作品を眺めるゆったりした時間を過ごしていただけたら、と思います。

今回は、額に入った作品とは別に、和紙に直接金具をつけて壁にかけられるような版画作品もあります。この仕様は、軽くて、個人的にとても気に入りました(写真左)。他にミニ額、ポストカードなど並べています。(女房)

ハセガワアキコ展 11月2日(水)〜13日(日)13:00〜19:00(最終日は17:00まで)

月火定休日

 

本日から「S &S glass exhibition  サイトウガラス店とglassジョネの二人展」が始まりました。

まるでキャンデーのようなガラス作品は、箸置き。なんと本屋の展覧会用に、小さな本の形になっているんです!(写真右)透明感がありつるんとしたガラスの微妙な色合いが可愛い。ゆる〜い形に優しい色で、使い方もその人に委ねるような、サイトウさんの独特のセンスが光っています。そして、ジョネさんのお皿や器(写真上)、箸置き、アクセサリーなどは、色ガラスの組み合わせがしゃれていて、食器はたくさん持っているはずなのに、もう一つ、とつい手が出てしまいそう。同じ大学で、ともにガラスを学んだ二人の展覧会は、深まっていく秋に思いをはせる暖かな雰囲気に満ちています。

ガラスの作品は、ホットワーク・コールドワーク・キルンワーク、と大きく三つの方法で作られるのだそうです。ホットワークは、溶けたガラスを直接扱うもので、吹きガラスなどはこれです。コールドワークというのは、冷たいガラスを削ったり磨いたりして作ります。そして今回のお二人の作品はキルン(窯)ワークと言います。電気窯の中でガラスを溶かして型に流し込んで作ります。割れたり、ムラができたりと、溶ける温度がガラスの種類によって違うので、何度でどのくらいの時間をかけるのか温度管理が難しいということです。そして、それら三つの方法を合わせて作る作品もあります。

経験を重ねて出来上がったガラスたちは、しかしそんな苦労を顔に出さず、ニコニコ笑っているように見えます。ガラスは、どちらかというと夏の展覧会が多いように思いますが、秋からクリスマスに向かう時期にもぴったり合うことがわかりました。レティシア書房でも久しぶりのガラス展をぜひお楽しみくださいませ。作品は全て販売しています。ちなみにS &S glass exhibition  のSは、サイトウガラスさんの頭文字と、glassジョネのカメダサチエさんの名前の頭文字から。(女房)

「S &S glass exhibition  サイトウガラス店とglassジョネの二人展」は10月19日(水)〜30日(日) 月火定休 13:00〜19:00(29日のみ18:00まで)

 

 

 

レティシア書房のギャラリーコーナーである白い壁には写真展が似合うようで、個展に使っていただくことが多いのですが、もしかしたら「本」との相性がいいのかもしれません。今日から始まりました桟敷美和さんの写真は、季節にも合って、ひんやりした空気が流れこんできたような素敵な展示になりました。

キラキラ輝く波、波打ち際の光と陰、汀にひっそり佇む鳥の姿。「あわい」と題したこれらの有明の海の連作からは、不思議と波の音が聞こえてこないのです。それは、生きてる世界と続いているけれど違うところ、「彼岸」に通じる海なのかもしれないと思いました。音楽のない映像を見ているような感じが、なぜかここちよい。海をテーマにしていない作品にも、ゆったりした時間が流れていて、今と昔が静かにつながっている、なんというか安心感みたいなものを感じます。

桟敷さんは熊本県出身。京都嵯峨美術短期大学を卒業後、ホラー系の漫画を描いています。個人的にはホラーは大の苦手なのですが、桟敷さんの不思議な漫画を実は初めて読んでみて、この作家は、生と死の間(あわい)に惹かれているのだと実感しました。写真から感じたものは、的外れではなかったんだと思いました。

以前、カフェギャラリーでの、猫とおじさんをテーマにした写真展に伺ったことがありました。今回も桟敷さんの飼い猫の写真が、(小さく)飾られています。そういえば、猫も時々遠い目をして、向こうの世界を見ていることがありますよね。(女房)

 

「桟敷美和写真展 」10月5日(水)〜16日(日)        月・火定休 13:00〜19:00

 

 

 

 

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レティシア書房での、松本紀子さんの写真展は今回で3回目です。

2019年、シンガーソングライターのヤマモトケイジさんの詞から「そのかわり その代わりに」という小さな写真集を作り、それを持って店に来られたのが出会いでした。写真集の販売を兼ねた個展に続き、2021年には「Dream」という写真集を自費出版されました。これは、山崎まさよしさんの楽曲の中の「夢」という言葉が出てくる歌からイメージして作られました。いずれも敬愛するミュージシャンの歌に触発されたものでした。

そして今回、映画のワンシーンのような作品が並びました。彼女の内にあるこの映画のストーリーはわかりませんが、自身の中から紡ぎ出した言葉を写真に焼き付けたのだと思いました。溢れる感情を静かに受け止めて、シャッターを切る音が聞こえてくるようです。

「偽りの自分で君の話を聞く 君が夜が怖いなら いつでもここにいる  本当の自分を隠して君の話を聞く きみが朝が怖いなら いつでもここにいる  赤い秘密が胸を焦がすけど 君が教えてくれた歌だけが 私の心を癒す」個展のフライヤーに書かれた松本さんの詞です。

言葉と写真。これからも、きっと自分の気持ちにまっすぐに向き合って撮り続ける松本さんの新しい旅立ちのような作品展です。どうぞ御高覧下さいませ。(女房)

☆松本紀子写真展

8月31日(水)〜9月10日(土)13:00〜19:00    月火定休(最終日は18:00まで)  

 

☆レティシア書房からのお知らせ

9月11日(日)〜15日(木)休業いたします。よろしくお願いいたします。

 

 

 

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例年より早い梅雨明け。歩いていると日射しが体に痛いような猛暑です。ギャラリーは、蒸し暑さを和らげるような爽やかなデッサンが並びました。

1980年、大阪・神戸に続き京都でも朝日カルチャーセンターの講座が開かれました。歴史・文学・美術・書道・手芸など多種多様な講座に通って、趣味を深めた人たちは多かったと思います。そんな講座の一つが、齋藤博(当時関西行動美術)デッサン教室でした。土曜日の夕方の開講とあって、学生や仕事帰りの人が多かったようです。

「土筆会」というのは、そのデッサン教室有志が、1985年〜2014年にかけて30回、毎年夏に教室で描いたデッサンの展覧会を開いたときのグループ名です。多い時には40人以上の受講生がモデルを囲み、約2時間のデッサンを楽しんでいました。今春、このデッサン教室を含め、河原町三条の朝日会館での講座は終了しました。

2022年3月の終了時、たくさんいたデッサン教室の受講生は5人でした。「土筆会」もメンバーが徐々に減ってきて8年前から開催していませんでしたが、教室が終わると聞いた時に、最後の5人でもう一度だけ「土筆会」をしようということになりました。

2時間ただひたすらモデルや静物に向かい、絵を描くことは5人にとってとても貴重な豊かな時間であったに違いありません。プロのデザイナーもいれば、中学校以来大人になるまで絵を描くことと無縁の人もいましたが、それぞれの思うまま素直に描くことは想像以上に楽しかったようです。生き生きとしたデッサンにその気持ちがあふれていています。

なお、5人はこれを機に、また集まって一緒に絵を描こうという話になりました。区切りをつけたことが、新たな出発になるなんて素敵なことですよね。(女房)

『最後の土筆会』デッサン展は、6月29日(水)〜7月10日(日) 月・火定休日

13:00〜19:00(最終日は18:00まで)

 

 

いつだったか、大阪堂島にあった書店「本は人生のおやつです」の店主(現在は兵庫県朝来市で開店)に、きっとレティシアさんなら本を置いてくれるよと聞いて、「電気風呂」のミニプレスを持ってやってきたのが銭湯愛好家のけんちんさんでした。「私は電気風呂の専門家です」と自己紹介されて、京都の銭湯と電気風呂の関係などを熱く語ってくれました。その話があんまり面白かったので、けんちんさんの書かれた「電気風呂御案内200」と「蒐集 下足札」を販売することになりました。

その後もお風呂帰りに立ち寄って、話してくれる銭湯愛は尽きることがありません。写真や資料も沢山あるとの事だったので、じゃあ一度、その銭湯への思いをギャラリーで展示してみようか、よし!ということになりました。

そして、本日より「銭湯文化的大解剖展」(おしどり浴場組合)が始まりました。って、「銭湯文化的大解剖展」ってなに?おしどり浴場組合??

おしどり浴場組合は、銭湯をこよなく愛する七人のメンバーが2020年秋に結成したクラブみたいなもので、それぞれが、執筆、イラスト、撮影などを担当して「銭湯文化的大解剖!」という雑誌を作りました。(税込1980円)銭湯の「外観」「玄関」「脱衣場」「入浴券」そしてもちろん「浴室」など、細かすぎるこだわり。銭湯の歴史、電気風呂(これはもちろんけんちんさんの専門)、お風呂やさんのインタビュー、おしどり浴場組合員の推し銭湯など、読み応え充分です。

さて今回の展示は、大きな『ゆ』と染め上げられたのれんとメンバー紹介から始まって、①メンバーが撮った銭湯の外観や浴室の写真、②6月5日に惜しまれつつ閉店した京都の「錦湯」で最後まで使用されていた「料金表」や「湯ぶねに入るときの注意書き」「柳行李」「閉店挨拶文」など、③「電気風呂コーナー」、で構成されています。ちなみにけんちんさんによると、電気風呂は、昭和40〜50年代には京都のお風呂屋さんにフツーに設置されていた日本独自の文化だそうです。現在電気風呂を利用するのはお年寄りの方が多く、若い方には少し敬遠されているとか。けんちんさんが電気風呂を深掘りして広めたいと思うのは、このままでは大好きな電気風呂がなくなるかもしれないという危機感かもしれませんね。

そして、なんと今回の展示に合わせて作られたミニプレス「銭湯生活」第1号(2022年6月15日発行)が、「銭湯文化的大解剖!」とともに積み上げられています。ぜひ手にとってページをめくってみてください。「銭湯が好き!」で繋がったおしどり浴場組合員たちの銭湯愛が溢れ出てきますよ。オリジナルのマスキングテープ(715円)缶バッチ(550円)も販売しています。(女房)

「銭湯文化的大解剖展」(おしどり浴場組合)は6月15日(水)〜26日(日)

月火定休 13:00〜19:00

 

 

 

本日から2週間レティシア書房が「上野書店」に占拠されるという事態に・・・。

装幀家上野かおるさんの個展のDMが「上野書店開店ご案内」となっていて、これまで上野さんが手がけられた本がズラーっと並んだためなのです。いやはや開店おめでとうございます。実に壮観です。お一人の手になったとは思えないほどバラエティに富んだ本の在りよう。改めて装幀家のお仕事の深さ・広さ・こだわりに驚きました。上野さんは京都生まれ。装幀に関わった本は約4000冊、40年に及ぶ装幀の仕事の集大成です。

「装幀(そうてい)とは、一般的には本を綴じて表紙などをつける作業を指す。広義には、カバー、表紙、見返し、扉、帯、外箱のある本は箱のデザイン、材料の選択を含めた、造本の一連の工程またはその意匠を意味する。」今回の個展に際して、装幀についてのパネルを作り、解説やら、こだわりやら見て欲しいポイントなどを、わかりやすく提示してあります。

そして、並べられた本に可愛い栞が挟んであり、(本の横に出している場合もあります)そこには、その本を装幀した時の想いや、工夫した箇所や見どころなどが書かれていますので、本を手にとってぜひ読んでみてください。。

例えば、「鑑定士と顔のない依頼人」の栞には「本書は『ニュー・シネマ・パラダイス』の監督による初めての原作小説で、2013年に上映された。(中略)装幀素材として渡された画像は、ペトルス・クリストゥス『若い女の肖像』。当初カバー全面にレイアウトしてみたが、突然、表紙に配置することを思いつき、カバーに穴を開けて、眼差しだけが見える仕掛けにした。」とあります。映画を観ましたが、ミステリーなこの本の仕掛けにはうっとりしてしまいました。どんな風かは、カバーをめくって見てくださいね。

さらに、「音楽のような本が作りたい」(木立の文庫)でカバーに使われた槙倫子さんの版画を、本と一緒に飾っていただきました。槙さんの作品で、展覧会の雰囲気がさらに素敵に盛り上がり、表紙と原画を比べることができてとても面白い試みになりました。

本屋で本の装幀の展覧会なんて素晴らしい企画ではありませんか!と思わず自画自賛してしまいますが、ぜひご覧頂きたくご案内申し上げます。なお、展示の本は非売品ですので、上野書店は事実上「売らない本屋」です。ピンクの付箋が付いているのが「上野書店」の蔵書になります。レジにはどうか持ってこないでくださいませ。(女房)

『「上野書店」レティシア書店を占拠します!』は

6月1日(水)〜12日((日)13:00〜19:00 月火定休 

(上野書店店長は1日・4日・5日・12日のみエプロン姿で出勤しています。)

 

 

 

 

 

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独特の色づかい、どこかユーモラスなフォルム、中村ちとせさんの銅版画はこの人ならではの世界を確立しながら、今年も新しい。中村さんは、西宮市在住。2021年から「ちとせ工房」を主宰して、銅版画教室も開かれています。

昨年3月、初めてレティシア書房で開いた個展は、本屋の空間とマッチして静かな心地よい時間が流れていました。毎年のように(それどころか、今年は3回以上)各地で個展をしているパワフルな作家が、京都の小さな本屋でまた新作を飾ってくれました。今回は、作品に登場する生き物(ネコやロバや不思議な人たち)が、さらに可愛くて可笑しい。

蓮の上に座って鼻歌を歌っているようなネコや、ポリポリ人参をかじりながら歩くウサギ、のんびり佇む驢馬、太鼓に乗ってご機嫌なネコなど、暖かな感じのする画面の中で、それぞれなんだか幸せそうに暮らしています。ちょっと浮世を離れて、中村さんの作品に出会ってみてください。ほっこり一息つけるかもしれません。

さらに、銅版画の板を額装した作品が新しく加わりました。6〜7センチの板は、プリントした紙の作品とは違った面白い味わいがあります。(写真左)

そして今年も素敵なペンダントが並んでいます。実は私は中村さんのアクセサリーのファンで、別のギャラリーで個展をされていた時にゲットしています。(ペンダントは税込3000円)

*「中村ちとせ銅版画展」は5月18日(水)〜29日(日) 13:00〜19:00   月・火定休

 

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ギャラリーは本日より、かじかわゆりさんの日本画展が始まりました。「ある程度のかたちを保って。」と名付けられた作品展です。具体的な形あるものと、形のないものの間を行き来するような絵画が並んでいます。

彼方を見つめて佇む女性を描いた作品は、鉛筆の線を残しながら岩絵の具で着彩されています。生きている人なのか、幻なのか、昨日林の中で出会った人なのか、遠い昔の思い出の中の人なのか、わからないけれどその姿に見入ってしまいました。鉛筆の線の動きが魅力的です。

すこし黄味がかった抽象的な作品は、布地に染めたように柔らかい。偶然現れた形のように揺らいでいます。そういえば、かじかわさんの作品はすべて、ひそやかな動きを感じます。形があったものがふわりと流れて、香りだけが残ったような……。風に舞う葉っぱにサッと射し込んだ鮮やかな桃色は、もしかしたらさっきまで咲いていた花が姿を変えたものかもしれません。

かじかわさんは京都市立芸術大学大学院を卒業して、仕事をしながら日本画を描き続けています。白地に少ない色数で描かれた世界はとても新鮮です。静かで軽やかな日本画が、本屋の空気にとても馴染んで素敵な展覧会になりました。ぜひお立ち寄りくださいませ。(女房)

「ある程度のかたちを保って。」かじかわゆり個展は、4月20日(水)〜5月1日(日)

13:00〜19:00(最終日18:00まで)月火定休